添乗報告記

添乗員報告記●雨上がりの空の下、緑輝く大地で見えたもの(2011年8月)

 

コース名:西ブータン三都周遊とホームステイ7日間 
2011年8月10日~8月16日 文●池内 明穂(東京本社)


夏は緑の棚田が美しい夏は緑の棚田が美しい

日本で生活をしていると、ピンとこない「雨季」と「乾季」という概念。旅先や出発時期を検討する際、やはり「良い」シーズンに行きたいと思うのが多くの人々の常ではないでしょうか。
風の旅行社で取り扱いのある地域は、日本の四季とは少し異なるこの「雨季と乾季」が大きく影響している場所があります(ネパール、ブータン、チベット、インドシナ、中米グアテマラ、南米ペルー等)。雨が少なく空気が澄み渡った快晴の日が続き、遠くの山々がくっきりと見える乾季に旅行を計画する方も多いと思いますが、「良いシーズン=「(雨の少ない)乾季」か、というと一概にそうとは言い切れないのです。
今回は、私のお勧めシーズン、雨季のブータン旅行についてご報告します。


山も田んぼも緑が濃い -雨季の観光の実際は?-

「やっぱり雨が多いんですよね?観光には不向きかな・・・」そんな心配される声を耳にしますが、実際日本の梅雨のように、一日中雨が降り続くことは少ないです。今回、私が同行させていただいたツアーでは5日間のブータン滞在中、夜間に降ったり、日中晴れ間が覗いたり、という感じでした。
帰国した今も、雨上がりの清々しい空気が心地よく思い出されます。


ティンプーの町 夕立が降りそうティンプーの町 夕立が降りそう
ウォンディフォダンのホテルより 朝の様子
ウォンディフォダンのホテルより 朝の様子
タシチョゾン 傘はさせないので雨具着用で入場タシチョゾン 傘はさせないので雨具着用で入場
雨上がりのサプライズ
雨上がりのサプライズ

雨は自然の恵みです。雨が降り、川には水が滔々と流れ、大地を潤します。“雨が降る季節”という前提で皆様も参加されるので、ちょっとした空の変化も敏感に感じられました。「晴れてきた!太陽が顔を出したよ」「あっ虹!」「月が見えた!」そんな会話が飛び交います。
山も田んぼも深緑が眩しく輝く季節が雨季のブータンなのです。

観光客が少ない? -素顔のブータンが見えてくる−

ブータンの旅の楽しみの一つとして挙げられる「祭」。年に数回、各地で開催されるお祭りを目当てにご旅行を計画されている方もいらっしゃることでしょう。ブータン人にとっての「ハレ」のお祭りを一緒に見学することも、もちろん楽しいですが、のんびりゆっくりとブータンを感じてみたいという方には観光客の少ない雨季もお勧めです。

今回私達のツアーでも訪れる先々(寺院拝観やお土産購入時など)でほぼ貸しきり状態。静かなお堂の中、ガイドのシンゲさんの仏教についての解説も、心地よく身に沁みるように響いてきます。静かな「日常」のブータンが感じられる5日間でした。


青空が輝くプナカゾン(11時頃撮影)青空が輝くプナカゾン(11時頃撮影)
プナカゾンの中庭 菩提樹の葉も緑が濃い
プナカゾンの中庭 菩提樹の葉も緑が濃い


雨季のタクツァン僧院トレッキングの実際

一度は拝観したいお寺として、多くの方が憧れを持っているタクツァン僧院。私達外国人もブータン人にとっても、この想いは同じようです。
そんなタクツァン僧院へ雨季にトレッキングする場合のポイントをご紹介します。


霧に煙る断崖の寺院霧に煙る断崖の寺院

①装備は万全に
雨具や帽子、タオルは必ず用意し、靴は軽トレッキングシューズが望ましいです。トレッキング開始地点から、僧院までは約700m程の標高差があります。雨でぬかるんだ箇所がいくつかあったので、町歩きで履くようなスニーカーでは埋もれてしまうかもしれません。また太陽が顔を出せば、一気に暑く感じられますので、帽子や日焼け止め等もお忘れなく。

②「晴れたらラッキー」という心構えで
旅先で晴れたらもちろん嬉しいですが、いつ雨が降るか、やむかかが分らない雨季。トレッキング中も(観光時も)、天に任せて自然の中に身を委ねましょう。雨が降れば葉に滴る水滴が光り、木々が喜んでいるようです。霧がかかったような僧院の遠望も、幻想的な雰囲気が醸し出されます。


トレッキング開始 ぬかるんだ道、気を付けてトレッキング開始 ぬかるんだ道、気を付けて
深緑の山を進む
深緑の山を進む
あと少し!あと少し!
クズザンポーラ!(こんにちは)
クズザンポーラ!(こんにちは)
下山時に見えた青空と僧院下山時に見えた青空と僧院
タクツァン僧院を背に集合
タクツァン僧院を背に集合


最後に

先代の国王が提唱した『GDPよりGNH(国民総幸福量)』という理念で、人々の心の安らぎ、伝統文化を大切にする龍の国ブータン。この独自の政策と、豊かな自然、自国に誇りを持つ人々に対して、世界からの注目はますます集まっていくことでしょう。


ブータンの笑顔ブータンの笑顔

私が前回訪れたのは、3年前の春。今回数日間の滞在で私が感じただけでも、ブータンは確実に変化し発展を続けています。首都ティンプーは建設ラッシュで、町は拡大し、車も増えました。国も現在年間3万人の観光客を10万人にしようと観光業にも力を入れているようです。

そんな中でも、各地で出会う人々は変わらずに温かく、笑顔を向けてくれました。ほっとできるような、どこか日本の原風景を思い起こさせる緑豊かな大地と、この地に暮らす人々に、改めてブータンの真の魅力を垣間見れた気がしました。