特別記事

【バードウォッチングツアー視察レポート】
冬の韓国大縦断! 鳥類調査6日間

 

視察レポート:冬の韓国大縦断! 鳥類調査6日間

2017年2月19日(日)~2月24日(金) 
文●写真:五百澤 日丸 (いおざわ・ひまる)


韓国料理もちろん韓国グルメも堪能してきました

海外へバードウォッチングに行かれる方から、“固有種がいない場所には行かない”という声をよく耳にしますが、何も固有種を見ることだけに価値や意味があるわけではありません。皆さんは、日本のすぐお隣の国「韓国」でどんな鳥が繁殖、越冬するかご存知でしょうか?

例えば、日本では冬鳥や旅鳥、または珍鳥に該当する種であるマミジロキビタキやシロハラ、ジョウビタキ、ミヤマホオジロ、アカハラダカ、ヤマショウビンなどが普通に繁殖しています。また、多数のクロハゲワシや農耕地にいるシベリアジュリン、ヤマヒバリなどが越冬しています。日本と似た環境にも関わらず、見られる鳥は大きく違っているのです。

そうした海外バードウォッチングの新しい楽しみ方を多くの人に知ってもらおうと、韓国で越冬する鳥たちを確認するために下見へ行ってきました。


 韓国・中央北端部バードウォッチング視察

まずは、韓国と北朝鮮の国境付近(有名な非武装地帯)です。ここは、韓国の中央北端にあたり、積雪こそありませんが気温はマイナス10度ととても寒く、十分な防寒対策が必要になる場所です。

ここではタンチョウやマナヅル、マガン、ヒシクイがあちこちに見られ、中でもマナヅルとタンチョウが一緒にいる風景は日本ではまず見られない光景です。


マナヅル
マナヅル
タンチョウ
タンチョウ

小鳥はさすがに少なかったですが、それでもコイカルやカワラヒワ、ホオジロ、ダルマエナガ、ハシブトガラ、ヤマゲラなどが見られたほか、50羽ほどのクロハゲワシも確認できました。


クロハゲワシクロハゲワシ


 韓国・東海岸バードウォッチング視察

続いて、カモメ類を求めて東海岸へ向かいます。こちらはいつも行く西側とは異なり、海岸線に山が迫って急に海へ落ち込むような地形です。波もうねりがあり大きいものです。

海上ではオオハムやカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、ビロードキンクロが波間に見え隠れしています。砂利の海岸や砂浜などもあり、カモメ類がたくさん群れていました。注意深く探しましたが、狙っているカモメ類はおらず、セグロカモメやオオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメが中心でした。


カモメ類カモメ類


 韓国・釜山周辺バードウォッチング視察

再び車で移動し、韓国の南端に位置する釜山周辺へ。韓国最大の水鳥の越冬地の一つがあるほか、こちらも韓国最大と言われるクロハゲワシの越冬地があります。

有名な洛東江河口には圧巻の広さを誇る干潟があり、ところどころにある観察用のハイドから、じっくりと鳥たちを観察できるようになっています。干潟にはオオハクチョウやヘラサギ、クロツラヘラサギ、ミヤコドリ、ヒシクイ、カモメ類などがたくさん降りていました。


洛東江河口
洛東江河口
観察用のハイド
観察用のハイド

また、水田地帯では “黒い服を着た農作業者”と見間違うほど大きいクロハゲワシが「でん!」と佇んでいます。このクロハゲワシは最大で同時に450羽も集まるそうですので、その迫力には圧倒されることでしょう。


クロハゲワシ
クロハゲワシ
クロハゲワシ
クロハゲワシ


 韓国・南西部バードウォッチング視察

次いで訪れた韓国南西部にある国立公園の寺院は、コウライバトというドバトに似た野生のハトがごく少数生息している事で有名です。ドバトをよく見ている方なら、その違いにすぐ気が付くことでしょう。可愛く気品があり綺麗と、三拍子揃ったとても素敵なハトです。

しかし、従来知られていた場所ではもう見られなくなり、現在では違う場所で生息しているとの情報を現地のお寺の人から伺う事が出来ました。感謝&感謝です。


コウライバトコウライバト


 韓国・最大の水鳥越冬地バードウォッチング視察

そしてさらに北上し、韓国最大の水鳥の越冬地へ。どこもあまりに広大過ぎて望遠鏡がないと観察できませんが、こうした広大さもまた韓国らしい風景だと言えます。

こちらではナベヅルやマガンを中心に、ツクシガモやオオハクチョウ、クロハゲワシの他、ゴビズキンカモメやトモエガモの大群などを堪能することが出来ました。また、飛んでいるノスリやチョウゲンボウも、良く見ると日本で見られるものと微妙に異なっており、「大陸」らしさを実感することができました。


トモエガモの大群
トモエガモの大群
望遠鏡で観察
望遠鏡で観察


 韓国バードウォッチング視察を振り返って

風の旅行社では、これまで春や秋の渡りの時期に合わせた韓国・離島ツアーを催行してきました。しかし、韓国は離島だけが面白いわけではありません。

今回の下見で判明したことや新知見を交え、来年、「韓国 冬の野鳥撮影ツアー」を設定する予定です。ご紹介した以外の新しいシークレットポイントや、現地研究者から旬の情報も収集し、一か所ごとにじっくり、ゆっくり、どっぷりと堪能いたします。どうぞご期待ください!



【今回確認できた鳥達】


(コウライ)キジ、ヒシクイ、マガン、コハクチュウ、オオハクチョウ、ツクシガモ、アカツクシガモ、マガモ、カルガモ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、トモエガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ビロードキンクロ、ホオジロガモ、ウミアイサ、カワアイサ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カイツブリ、コウライバト、キジバト、ドバト、オオハム、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ヘラサギ、クロツラヘラサギ、タンチョウ、ナベヅル、マナヅル、オオバン、タゲリ、ミヤコドリ、ハマシギ、ダイシャクシギ、ユリカモメ、ゴビズキンカモメ、ウミネコ、カモメ、シロカモメ、セグロカモメ、キアシセグロカモメ、オオセグロカモメ、ニシセグロカモメ、ウトウ、ミサゴ、トビ、オジロワシ、クロハゲワシ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、コゲラ、アカゲラ、ヤマゲラ、コチョウゲンボウ、チョウゲンボウ、ハヤブサ、モズ、オオカラモズ、(ミヤマ)カケス、オナガ、カササギ、ミヤマガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、ハシブトガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒバリ、ヒヨドリ、エナガ、ダルマエナガ、メジロ、ミソサザイ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ヤマヒバリ、スズメ、ハクセキレイ、タヒバリ、アトリ、カワラヒワ、コイカル、ホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ 計99種



 

風の鳥日和