添乗報告記

【バードウォッチングツアー添乗報告記】
5/1発 渡りの本流!春の韓国・離島と干潟の鳥7日間

 

ツアー名:渡りの本流!春の韓国・離島と干潟の鳥7日間 

2018年5月1日(火)~7日(月) 
文●ツアーガイド:大西 敏一(おおにし としかず)


毎春恒例となった韓国の離島と干潟の鳥の旅は、いつものように参加者の皆さんと仁川国際空港で合流。今回から新設された第2旅客ターミナルでの発着になりました。

ここは大韓航空などスカイチーム専用のターミナルで、これまでの第1ターミナルよりも保安検査や出入国審査が混雑しないため、今後の大韓航空利用ツアーはかなりの時短が期待できます。



 クロツラヘラサギの繁殖ポイント

初日の探鳥は、クロツラヘラサギとモンゴルカモメが繁殖するポイントへ。海に近い調整池の真ん中に人工島があり、そこで両種がひしめき合って繁殖しています。池には昨年は無かった新たな小島が作られていました。

現在の営巣地の過密を緩和させるためでしょうが、新島には鳥影がなく、まだ鳥達には認知されていないようでした。来年はここで新たなペアの営巣シーンが見られることでしょう。


クロツラヘラサギ営巣地クロツラヘラサギ営巣地

池は河川と繋がっているために潮の干満があります。丁度、干潮だったのでミヤコドリやヒバリシギ、ウズラシギ、中洲ではアカツクシガモが休んでいる姿もありました。クロツラヘラサギの幾つかの巣では雛が孵り、親鳥に餌をねだる姿が見られました。


クロツラヘラサギ&ヘラサギクロツラヘラサギ&ヘラサギ

ヨシ原でダルマエナガを観察したあと、このツアーの目玉でもあるワシミミズクの観察へ向かいました。



 営巣するワシミミズク

現地には夕方に到着。程なく巣立ったばかりの幼鳥2羽を確認しました。今年も無事繁殖が成功したようで嬉しく思いましたが、なかなか親鳥の姿が見つかりません。

その時、親鳥が鳴いているのに気がつきました。声を頼りに粘り強く探すと、茂みに隠れるようにいる親鳥の姿を見つけました。状況から雌の可能性が高いでしょうか。皆さん、親子で見られたことにとても満足された様子でした。来年もこのペアと営巣地が無事であることを祈りつつ、初日の探鳥を終えました。


ワシミミズク幼鳥ワシミミズク幼鳥



 干潟の鳥達とダルマエナガ

2日目は干潟の鳥達の探鳥です。朝からの雨予報が外れ、晴れ間の覗くなか、干潟にいるオグロシギ、オオソリハシシギ、アオアシシギ、チュウシャクシギの群れや真っ黒なツルシギなど多くのシギ・チドリ類にヘラサギとクロツラヘラサギの混群などを観察しました。


オグロシギなどオグロシギなど

昼食をはさみ、潮がベストになる時間まで河川沿いの公園で探鳥することに。ダルマエナガは数が多いものの撮影は手強く、皆さん頑張っておられました。しかし、風雲急を告げ、突然の暴風雨に見舞われたため、仕方なくしばらくは車中待機に。


ダルマエナガダルマエナガ

小降りになるのを待って探鳥を再開。満潮が近づき大半のシギ・チドリは飛去してしまいましたが、シベリアオオハシシギの夏羽を発見! 何人かの方が見たあとで飛ばれてしまい、再発見した時こそ距離が近かったのですが、今度はトラックのクラクションに驚いて群れで飛び去ってしまいました。それっきりでとても残念。

その後、再度ワシミミズクを見に行きましたが、昨日居た幼鳥の姿はなく、成鳥が1羽、岩のくぼみに隠れるようにいるのを観察しました。



 島に渡れずホテル周辺と干潟で探鳥

離島に渡る日の朝はホテル周辺での朝探です。キマユムシクイが囀り、ツツジの植え込みにシマゴマやシベリアアオジの姿が見られました。

朝から波風もなく安心していたのですが、まさかのフェリーが欠航! 地元の人も首を傾げていましたが、これだけはどうしようもなく、がっかりでした。韓国式の朝食を食べたあと、群山の渡り鳥センターへ向かい、センター前の河川敷やセンター内を散策がてら探鳥しました。


テンジャンチゲテンジャンチゲ

午後からは昨日のリベンジとシベリアオオハシシギを探しに干潟へ。ツクシガモの群れやオグロシギとオオソリハシシギの大群に、ホウロクシギなどシャクシギの群れ、キリアイの夏羽、ツルシギの群れなどを観察しましたが、最後までお目当てのシベリアは現れませんでした。

夕食は皆んなでサムギョプサルをつつき、食後に鳥合わせをして翌日に期待しました。


干潟のシギ・チドリを観察干潟のシギ・チドリを観察



 無事に離島へ

波が残っていましたが出港し、この日は無事に渡島できました。しかし島は風が強いようです。逸る気持ちを抑え、準備を整えていざ島内探鳥へ。宿から集落を抜け5分足らずですぐに探鳥ポイントです。

歩みを進めると、シベリアアオジ、コホオアカ、キマユムシクイが掃いて捨てるほどどこにでもいます。今回はこの3種が優先種でした。昨年はシマゴマとシロハラホオジロが沢山目に付きましたが、今年は例年に比べ少なかったようです。年によって、また日によって多い鳥が違うのも離島の渡りの特徴です。


島の集落を望む島の集落を望む

ポイントの校庭にはホオジロ類が絨毯を敷き詰めたようにわんさといて、コホオアカの大群の中にシマアオジやシマノジコ、シロハラホオジロなどが混じっていました。シマアオジは滞在中、常に何羽かが見られました。

昨年も参加された方がイワミセキレイを撮影したという事で、皆で探すことに。この鳥はすぐにヤブに潜るので姿が見づらい鳥のひとつです。その後、何人かの方がバッチリ撮影に成功し、これが島内初日のハイライトとなりました。


イワミセキレイイワミセキレイ

島内2日目。朝探時にコウライウグイスの声がする林を眺めている際、20羽ほどのメジロの群れが飛来したので双眼鏡を向けると、なんとすべてがチョウセンメジロ! 皆さん大興奮で観察、撮影されていました。

次に黄・黒・白の配色の小鳥が近づいてきたので、マミジロキビタキかと思いきやキバラガラの雄! こちらも数羽の群れで移動しながら採餌しているようでした。これらも今回のハイライトのひとつだったでしょう。


キバラガラ♂キバラガラ♂

朝食を終えて探鳥に出ると、先程まではちらほらだったカラフトムジセッカがそこら中で囀っていました。少なく見積もっても50羽以上はいたと思います。

午後には皆さんが絶対見たいと仰っていたヒメイソヒヨの雄が出現! じっくりと観察する余裕もあり、いつまでも皆さんのシャッター音が響いていました。


ヒメイソヒヨヒメイソヒヨ

毎年島ではオジロビタキの雄が幾つも見られるのも魅力のひとつで、雌を探すほうが難しいくらいです。また、早朝にはシマゴマが囀る姿を見られるのも大陸ならではの探鳥でしょう。


オジロビタキオジロビタキ

3日目の最後には、真っ赤なアカマシコの雄2羽と出会うことも出来ました。これも皆さんしっかりと観察・撮影され、大変満足されていました。


アカマシコ♂アカマシコ♂

島での滞在2日目からは気温が低く、霧と風でぐずつくこともあったので、歩き回らずに比較的鳥影の濃いポイントでの探鳥を心掛けました。

前述の鳥たちのほか、アカガシラサギ、ハリオシギ、アカハラダカ、コノハズク、オウチュウ、カラアカモズ、シロガシラ、チョウセンウグイス、アムールムシクイ、カラフトムシクイ、ギンムクドリ、カラムクドリ、カラアカハラ、ノゴマ、ツメナガセキレイ、キガシラセキレイ、マミジロタヒバリなどが観察できました。


キガシラセキレイキガシラセキレイ

日を追って鳥影が濃くなっていく感じで、オジロビタキ、マミジロキビタキ、ムギマキ、ノビタキ、チョウセンメジロ、ビンズイ、マミジロタヒバリ、ムジセッカ、シロハラホオジロ、キマユホオジロなどは目に見えて増加していくのが実感できました。


キマユホオジロ♂とシロハラホオジロ♀キマユホオジロ♂とシロハラホオジロ♀

最終日は大型ツグミ類が数百羽単位で“降ってくる”状態で小鳥たちも次々と島に入ってきていました。後ろ髪を引かれる思いで島を離れましたが、あと一日いたら島は凄いことになっていたかもしれません。


島の夕焼け島の夕焼け

今回は天気予報が悪い方に外れ、幾分泣かされた探鳥になりましたが、最終的には164種が観察されました。出現鳥的にも満足のいく成果だったと思います。

離島の探鳥は常に「欠航」と隣合わせのリスクが伴います。しかし、渡れたときの素晴らしさを思うとついつい足が向いてしまうのがバードウォッチャーの性かもしれませんね。2019年度は緯度の高い、大陸寄りの離島での新企画の探鳥を予定しています。


チョウセンメジロ大西さんと行く韓国探鳥
韓国 春の離島6日間 北朝鮮を望む島で渡りの本流を体感【バードウォッチング】

最少催行人員●5名(定員7名) 添乗員●同行(出発地によっては仁川より同行)

4/28(火)発|東京・名古屋・大阪・福岡発 308,000円 募集中

来春もまた、多くの渡り鳥たちとの出会いを期待したいと思います。


【今回確認できた鳥達】


キジ・ツクシガモ・アカツクシガモ・オカヨシガモ・ヒドリガモ・マガモ・カルガモ・ハシビロガモ・シマアジ・コガモ・カンムリカイツブリ・キジバト・アオバト・カワラバト(ドバト)・オオミズナギドリ・カワウ・ウミウ・ゴイサギ・アカガシラサギ・アマサギ・アオサギ・ダイサギ・チュウサギ・コサギ・ヘラサギ・クロツラヘラサギ・クイナ・ツツドリカッコウ・アマツバメ・ムナグロ・ダイゼン・コチドリ・シロチドリ・メダイチドリ・オオメダイチドリ・ミヤコドリ・ハリオシギ・チュウジシギ・タシギ・シベリアアオハシシギ・オグロシギ・オオソリハシシギ・チュウシャクシギ・ダイシャクシギ・ホウロクシギ・ツルシギ・アカアシシギ・コアオアシシギ・アオアシシギ・キアシシギ・ソリハシシギ・イソシギ・キョウジョシギ・オバシギ・ヒバリシギ・ウズラシギ・キリアイ・ユリカモメ・ウミネコ・セグロカモメ・モウコセグロカモメ・オオセグロカモメ・ホイグリンカモメ・コアジサシ・ハチクマ・アカハラダカ・ツミ・ハイタカ・コノハズク・ワシミミズク・アオバズク・ブッポウソウ・コゲラ・アカゲラ・ヤマゲラ・チョウゲンボウ・コチョウゲンボウ・チゴハヤブサ・ハヤブサ・サンショウクイ・コウライウグイス・オウチュウ・モズ・アカモズ・カケス・オナガ・カササギ・ハシボソガラス・ハシブトガラス・ツリスガラ・ヤマガラ・ヒガラ・キバラガラ・シジュウカラ・ショウドウツバメ・ツバメ・コシアカツバメ・イワツバメ・シロガシラ・ヒヨドリ・ウグイス・チョウセンウグイス・エナガ・ムジセッカ・カラフトムジセッカ・カラフトムシクイ・キマユムシクイ・アムールムシクイ・センダイムシクイ・チョウセンメジロ・メジロ・ヒレンジャク・ゴジュウカラ・ギンムクドリ・ムクドリ・カラムクドリ・カラアカハラ・クロツグミ・マミチャジナイ・シロハラ・アカハラ・ツグミ・コマドリ・ノゴマ・コルリ・シマゴマ・ジョウビタキ・ノビタキ・イソヒヨドリ・ヒメイソヒヨ・エゾビタキ・サメビタキ・コサメビタキ・マミジロビタキ・キビタキ・ムギマキ・オジロビタキ・オオルリ・スズメ・イワミセキレイ・ツメナガセキレイ・キガシラセキレイ・キセキレイ・ハクセキレイ・マミジロタヒバリ・ビンズイ・ムネアカタヒバリ・アトリ・カワラヒワ・マヒワ・アカマシコ・シメ・コイカル・イカル・シロハラホオジロ・ホオアカ・コホオアカ・キマユホオジロ・ミヤマホオジロ・アイマアオジ・シマノジコ・ノジコ・アオジ 計164種



 

風の鳥日和