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開講記

[民俗・宗教]都会の台所、通勤電車で漁師町へ -築地市場から江戸前漁師の仕事を探る-

 2008 年 11 月 15 日 土曜日     風の旅行社  カテゴリー » 開講記, 開講記-02民俗・宗教,

全国から続々と新鮮な魚介が届き、日本一の取扱量を誇る東京都中央卸売市場、通称「築地の魚河岸」。ここに東京湾各地で水揚げされた魚介が集結し、「江戸前もの」としてもてはやされて都内の高級料理店などに売られていく。実際に商いで賑わう朝の築地市場の場内を歩き、江戸前ものがどのように流通しているのか、また市場内の小ネタやお勧めの店などを織り込みながら、ご案内します。午後は会場を移して、東京湾各地の漁師町についてのスライドトーク。江戸前漁師の仕事ぶりや、旬の地魚料理などをたっぷりご覧下さい。

[開講日]2008年11月15日(土)
[講 師]眞鍋じゅんこ

●添乗記 報告者●嶋田 京一

風カルチャークラブでは、この秋から「都会の台所、通勤電車で漁師町へ」と、題して東京湾の漁師町を訪ねる講座をスタートさせました。

東京という大都会のすぐそばにある東京湾にもじつは漁師の方がいて、江戸期から続く生業が大都会の近くで今も続いています。

東京にいると、食と生産現場とが離れているように思えてしまうのですが、通勤のように電車で行けるところに、漁師さんがいて、そこに漁師町があることに驚いてしまいます。じつは、こんなに近くに漁場があり、我々の食卓へと通じているのです。

我々の口に入るものがどういう過程を経て、食卓にのぼるまでに、どんな人たちが関わっているのか? 講師の眞鍋じゅんこさんの旺盛な好奇心と巧みな聞き取りで、漁師さんや現場の人たちに話しを伺っていこうという講座です。

その第一弾は、築地市場からスタートです。最近は、早朝から多数の外国人観光客が、買出しに来た仲買人に混じって築地市場内を歩いています。世界的にもこれだけ大規模な魚市場というのは、外国人観光客にとって大変魅力のある観光スポットなのでしょう。 一方、我々日本人にとっては、日々の胃袋を満たしてくれる大切な存在ではありますが、観光的な興味を持つことはあまりなかったかもしれません。しかし、昨今の食に関する意識の高まりからか、最近は日本人の見学者も増えているそうです。

では、巨大な築地市場の内部へ、眞鍋さんと共に入ってみましょう。

まずは、昭和の匂いのする事務所棟の建物の中へ。場内市場というと、魚貝類がずらーっと並ぶところを想像してしまいますが、じつはこうした事務所棟もあります。眞鍋さん曰く、この廊下は築地市場の高速道路、急ぐときはここをささっと通り抜けるのだとか。


隅田川から接岸した船から水揚げされた鮮魚が、一時保管されているところで鮮魚専門の業者さんから説明を聞きます。ここ30年間くらいの間に天然モノの取扱いは半分になったが、それは養殖が増えたためで、漁獲量が減った訳ではないというお話が聞けました。


鮮魚の競りが行われている場所も見せてもらいました。競りの際に使う、指のサインを教えてもらいながら、競りの雰囲気を疑似体験してみました。


東京湾で獲れるわけではないですが、いまや築地といえばマグロを連想する方も多いと思います。マグロ専門のお店の人の話によると、マグロが250kgぐらいになるには、17〜18年かかるそうです。


どう見ても、刀にしか見えないマグロ用の包丁。巨大なマグロを切るには、これくらいの大きさの包丁が必要なのか! その迫力に思わず後ずさりしてしまいそう。


1℃〜10℃以下くらいの温度で鮮度を保ちながら、保存されるマグロの切り身。良い状態のマグロなら1ヶ月も持つのだそうです。それにしても、美しい・・・。

アナゴを扱うお店に来ました。さばいた身は、天ぷらのネタとして、都内の天ぷら屋さんなどに卸されていきます。


狭い市場内で荷物を運ぶには、小さな半径で旋回が可能な、ターレット(通称:ターレ)と呼ばれる動力付きの荷物運搬車や、人力で引く小車や、バイク、自転車などが、縦横無尽に行きかいます。じゃまにならないよう、注意、注意。


業務用の海苔屋さんで、有明、兵庫、東京、それぞれの海苔について教えてもらいました。
有明産… やわらかく、口どけも早い。
兵庫産… 瀬戸内モノ、固くパリパリしている。巻物に向いている。
東京産… 江戸モノ、有明と兵庫の中間。
3つを試食、同時に比較させてもらいました。産地による個性があったんですねぇ・・・。


最後に、眞鍋さんから江戸前の漁師町について、「都会の台所、通勤電車で漁師町へ」シリーズで、今後とりあげていく予定の各地についてや、これまでの取材で得た漁師さんたちの暮らしぶりなど、スライドの写真を交えて話していただきました。


その昔、貨物の引込み線が築地場内には引かれていたのですが、敷地内に長い距離が取れず、このようにカーブさせたため、その名残りでこのような形をしているのだそうです。なるほど。
講座に同行して、たくさんの魚を見、魚に関わっている人たちの話を聞くなかで、海という天然の恵みが育んだ、魚を食することの有難さを改めて感じることとなりました。
だから、もっと魚を食べましょうよ、と言った眞鍋さんの言葉で、無性に魚が食べたくなったのでした。

今回は各地で獲れた魚が集ってくる築地市場を通して、江戸前の魚の流通の一環を見てきましたが、次回からは各地の漁師町や漁師さんを訪ね、漁の現場を見学したり、実際に何かを獲る体験をしたりして、我々の食を支える現場を見ていきます。

どうぞお楽しみに!