カトマンズ便り -その2-

つむじかぜ300号より


「カトマンズの街も、ゴミがなければもっといいですね」。今回、新人研修で初めてネパールを私と一緒に訪れたスタッフが、そんな感想をもらしていました。ネパールのゴミに慣れてしまったいた私も、「ゴミがあるのがカトマンズらしい、とも言えなくはないが、やっぱりないほうがいいよな」。と改めて強く感じました。

今回は、ゴミを集める人たちと当局がもめていて、ゴミが残ってしまったとのことですが、カトマンズを流れる川には、長年にわたって積もったゴミが、まるでゴミ捨て場のように放置されています。決して、一時的な問題ではありません。

ネパールは、ヒンズー教、仏教、イスラム教、そして土着のクマリ信仰などが様々な宗教、宗派が混在し、多様な文化を形成しています。パタン、バクタプルなどその世界遺産としての価値は堂々としたものです。しかし、ゴミがなかったら、これらも、もっと引き立つに違いありません。

ところで、改めて考えてみますとゴミとは何でしょうか。今回は、パタレ村という山村でホームステイもしてきましたが、山の中でもゴミが目立ちます。ポテトチップスなどの菓子類の袋や、スーパーなどで使うビニール袋、プラスチック製品、ビン、缶、ペットボトル、山の中ではこうした人工物は非常に目立ちます。そう、ゴミとは、人工物なのです。牛の糞や、藁や木々は、ゴミといいません。人工物がなかった時代には、世の中は、もっともっと美しかったのです。

ゴミは、発展途上国では、お金を払わないと収集してくれない国も多く、行政がコストをどこまで負担できるかという問題でもありますが、最終的には教育の問題だと思います。幾ら拾っても蛇口を閉めなくては意味がありません。でも、これには、時間がかかります。

まずはゴミを一掃し、もっと綺麗なカトマンズをみて見たい。今回はつくづくそう思いました。何よりも、そこに住んでいるネパール人こそが、慣れているような顔はしていますが、本当は、きっとそう思っているに違いありません。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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