三進トラベルサービス

*風のメルマガ「つむじかぜ」667号より転載

旅の専門店連合会(旅専)の仲間、(株)三進トラベルサービスが、3/12(月)、20周年記念パーティーを目黒雅叙園で開いた。久々に気持ちのいい清々しいパーティーで大変感激した。

三進トラベルサービスは、弊社と違い年間200万人を超える巨大マーケット・韓国を専門とする旅行会社である。専門特化をする場合、こうした巨大マーケットでは、大手旅行会社を始め多くの旅行会社との激しい価格競争に晒され、苦労するのが普通である。

弊社でも「知られざる韓国」といったツアーをつくっているが、巨大マーケットにおけるスケールメリットを活かした仕入れはできないので、料金はどうしても高くなる。それでも、「ソウル3日間29,800円」といった格安ツアーとの違いをご理解頂き、ご参加いただいた方々には大変好評だ。しかし、それはごく少数の方々に限られる。これで会社を維持していくだけの収益を上げるとしたら並大抵ではない。

三進トラベルサービスの立木健康社長は、大学を出て大手旅行会社に勤めたが、今から35年前に、初めての海外旅行で韓国へ行ったことで人生が変わってしまったそうだ。私の場合は、それがネパールだったがまさに同類である。

彼は、韓国の素朴さにすっかり惚れ込み、どうしてこんなに近い国が、かくも遠い国になってしまっているのか悲しく思い、韓国の良さをもっと伝えたいという思いを強くしたそうだ。そして、今から20年前、一念発起して大手旅行会社を退職し独立。一人で今の会社を立ち上げたそうだ。

志は高くとも、経営的には苦しい日々が続き、当初は韓国は関係ないだろうと高を括って傍観していた2001年の9.11米国同時多発テロで、海外旅行へ行く人全体が激減し同社の売上もストップし一挙に窮地に追い詰められたという。他の仕事をしながら何とか会社を維持したそうだ。その後風向きが一転。韓流ブームの到来で息を吹き返したが、日韓関係が悪化するたびに浮き沈みがあり、苦労されたそうだ。

今は、韓国の食や薬膳を楽しむツアーなど様々な企画を打ち出し、韓国だけでなく北朝鮮にも行けるルートを開き、日本と朝鮮半島という大きな枠での関係構築に貢献したいと思いを膨らめている。

こうした立木健康社長の一途な朝鮮半島への思いがお客様に伝わり、それを応援したいというお客様の気持ちが会場に溢れていた。経営者としてこんな幸せな時間はなかろう。スタッフも笑顔が絶えずとても嬉しそうな様子であった。どんなに繕っても内実はどこかに滲み出るものだ。負けてはいられないなと心新たにして帰路についた。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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