[キルギス・カラコル・アラクル湖]大自然をワイルド&マイルドに楽しむとっておきのトレッキング

アラクル湖と天山山脈
アラクル湖と天山山脈



まだまだ一般に馴染みの薄い国「キルギス」。国土は日本の半分程度で、その約93%は標高1,500m以上の高原ないし山岳地帯という山国。そう聞くと人を寄せ付けない険しいイメージをもちそうですが、実は人里から少し離れるだけで、緑の草原や美しい渓谷が広がり比較的短期間のトレッキングで大自然を満喫することができます。その一つが、天山山脈を望む花と温泉のアラクル峠トレッキングです。将来的には、山小屋や道も整備され、キルギスを代表するトレッキングルートになることが予想されますが、今はまだキャンプ(テント泊)が必要なワイルドなルートです。

だからこそ面白い! ガイドやキャンプスタッフやポーターの全面サポートのもと、アプローチはミリタリートラックを利用し、このワイルドなトレッキングをマイルドに?楽しんでみましょう。

【DAY1】カラコル(1,700m)→カラコル谷(2,550m)→シロタ(2,950m)

キルギス天山縦走ルートマップ
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イシククル湖東岸の街カラコルからミリタリートラックで出発。カラコル谷の凸凹道を走ります。午後、お弁当を食べたらトレッキング開始。清流を渡りテンシャンモミの樹林帯を登ります。足元にはワスレナグサやアザミ、リンドウなど馴染みの高山植物も所狭しと彩り、振り返ると対岸の岩山(日本にあったなら百名山間違いなし?)が格好良く聳えます。

2時間ほど登ると、所々湿地帯のある緩やかな谷になり、テンシャンモミとナナカマドに囲まれた初日のキャンプサイト・シロタに到着です。[歩行=約3時間]

アプローチはミリタリートラック
アプローチはミリタリートラック
トレッキング開始地点カラコル谷
トレッキング開始地点カラコル谷


6月中旬~8月中旬は花の時期
6月中旬~8月中旬は花の時期
テンシャンモミに囲まれた渓谷歩き
テンシャンモミに囲まれた渓谷歩き




【DAY2】シロタ→アラクル湖(3,550m)

モミの樹林帯を抜け標高3,000m台に入ると背の高い木々は無くなり、アラクル湖から流れる清流に沿ってガレ場歩きに入ります。1時間ほどで清流も結構な急流と化し、滝も出現、日本の北アルプスのような山岳風景に様変わり。途中早めの昼食(お弁当)をとりもう一登りでアラクル湖に到着。突然現れるエメラルドグリーンの氷河湖の畔がキャンプサイト。午後早い内に到着し時間はたっぷりありますので、光の具合で刻一刻と変化する山岳湖を存分に楽しむことができると思います。[歩行=約3時間半]

樹林帯を抜け標高3,000m台へ
樹林帯を抜け標高3,000m台へ
傾斜が増し急流と化す
傾斜が増し急流と化す


湖手前の急登
湖手前の急登
アラクル湖に到着
アラクル湖に到着




【DAY3】アラクル湖→アラクル峠(3,860m)→ケルディック谷(3,200m)

アラクル湖と対岸の雪の付いた4,000m級の峰々を眺めながら、湖畔のガレ場&ザレ場を登ります。約3時間の登りは、標高3,000m台後半に入り息苦しさも感じますが、一歩毎に着実に展望は良くなっていきます。そして、荒涼としたザレ場を一登りでアラクル峠に到着。眼下にアラクル湖、そしてその先に5,000m級の天山主脈の展望が待っています! 

峠からの下りは夏でも残雪があります。慣れている方ならシリセード(すべり台のようにお尻で滑り下りること)で下れるくらいの斜面で距離は200mほどですが、念のためロープを固定し手がかりにします。その後、景観は様変わり。高山植物も豊富で、緑豊かな牧歌的な谷・ケルディック谷を緩やかに下ります。標高3,200mほどで小川が流れる草原が最後のキャンプサイトです。馬や羊の放牧風景も見られるかもしれません。[歩行時間=約4時間半]

無風時は鏡の湖面
無風時は鏡の湖面
景色を楽しみながら右岸沿いの山腹を登る
景色を楽しみながら右岸沿いの山腹を登る


荒涼としたガレ場を登ればもうすぐ峠
荒涼としたガレ場を登ればもうすぐ峠
アラクル峠からのパノラマ
アラクル峠からのパノラマ


峠の下りでは残雪も(6月発)
峠の下りでは残雪も(6月発)
高山植物が彩る周辺
高山植物が彩る周辺


3泊目のケルディック谷キャンプサイト
3泊目のケルディック谷キャンプサイト
峠を下りると緩やかな谷歩き
峠を下りると緩やかな谷歩き




【DAY4】ケルディック谷→アルティン・アラシャン(2,560m)→アクス→イシククル湖北岸

朝の陽光を浴びながら、緑の谷を緩やかに下りアルティン・アラシャン谷を目指します。途中、放牧小屋がありモコモコの羊たちと人懐っこい馬上の地元の人を見ると、キルギスを歩いていることが実感できます。途中、川幅25mくらいの沢を渡渉し、再びテンシャンモミの樹林帯に突入するとアルティン・アラシャン谷との出合いに出ます。ここからは頭の中は温泉でいっぱい! 40分ほど緩やかに下るとゴールのアルティン・アラシャン温泉です。温泉はラドンかけ流しで、キルギス各地やロシアなどから保養で訪れる人も絶えません。ここで汗を流してリフレッシュしたら、ミリタリートラックで麓のアクス村へ下山。車を乗り換え中央アジアの真珠・イシククル湖の北岸へと向かいます。[歩行時間=約3時間]

のどかな羊や馬の放牧地
のどかな羊や馬の放牧地
再びテンシャンモミの森を歩きアルティン・アラシャン谷へ
再びテンシャンモミの森を歩きアルティン・アラシャン谷へ


ゴールの温泉地が見えた
ゴールの温泉地が見えた
温泉で湯ったりリフレッシュ
温泉で湯ったりリフレッシュ



「カナダ」や「スイス」、あるいは弊社取扱地域でいうと「モンゴルとネパールを足して割った感じ?」のようなキルギス…。このように、キルギスを表現したい時にどうしても「○○みたいな」という形容を使ってしまうのですが、実際に訪れれば「あーこれがキルギスなんだ」とその良さを実感していただけると思います。皆さまの夏のアクティブな旅行計画に、是非キルギスツアーを加えて下さい。

高山植物が咲くトレッキングベストシーズンは、例年6月中下旬~8月中下旬です。