添乗報告記●ほしのいえ 草原乗馬ミニキャラバン8日間

mongol_tenjo010_01
2010年8月7日〜8月14日  文●山田基広(東京本社)
 
2010年スタートの新ツアー「草原乗馬ミニキャラバン」はお客様のアンケートやご要望を元に生まれたツアーです。乗馬にはある程度の自信があるけれど、「ほしのいえ乗馬学校」コースでは物足りない方、「縦走キャラバン」に参加したいけれど体力的に自信がない方、モンゴルで思い切ってアウトドアにチャレンジしてみたい方など…、ツーリストキャンプで乗馬の経験値を積み、野外でのテント泊へとステップアップしていくこのツアーに企画者自ら添乗員として参加してきました!


まずは乗馬練習からスタート!

ミニキャラバンのスタートは「ほしのいえ」を拠点にしっかりと乗馬練習をするところから始まります。このツアーは経験者を対象としたツアーですが、“10年前に乗って以来、乗馬はしていない”方だとか、“日本でクラブに通っているけれどモンゴルは初めて”だとか、“アメリカやカナダでなら乗ったことがある”方など、参加者の乗馬経験は様々。ですから、初日はまずは足慣らし。日本語ガイドと、遊牧民の馬方が、皆さんの様子を見て、常歩(なみあし=普通の歩き方)→速歩(はやあし=弾むような歩き方)→駆歩(かけあし)とステップアップしながら調整をしていきます。
モンゴルの草原に出るとついつい走り出したくなってしまいますが、無理は禁物!キャラバンへ出るための調整ということをお忘れなく。お持ちの体力はキャラバンまでしっかり残しておくのです!

mongol_tenjo010_02
注意事項を復習します
mongol_tenjo010_03
1・2・3・4!準備体操はしっかりと!
mongol_tenjo010_04
大草原で乗馬をする!あ~幸せ

「ほしのいえ」滞在中にできること

ツーリストキャンプ滞在中は午前に2時間から3時間、日差しの強いお昼の乗馬は馬にも人間にも厳しいですから、一休みをして、日差しが落ち着いた頃にふたたび2時間から3時間の乗馬を行います。
乗馬中には遊牧民のゲルを訪問して乳製品などを食べさせてもらったり、家畜の世話を見学したり、モンゴルの草原で生活している遊牧民のたくましさを感じてもらいたいと思います。
今回も馬乳酒はもちろん、ウルムやアーロールなどのチーズもいただきました。突然の訪問にもいやな顔せず、むしろ「食べろ!食べろ!」とすすめてくれるモンゴル人の懐の深さに、忘れかけた何かを感じます。アムトゥタェ!(おいしい!)

mongol_tenjo010_05
馬乳酒造りは意外と難しい…
mongol_tenjo010_06
モンゴルヨーグルト(タラグ)うまい!

このコースで皆さんに滞在していただく「ほしのいえ」は遊牧民の生活にできる限り近づけ、自然との一体感をめざしたツーリストキャンプです。遊牧民のゲルが近くにあるので、朝は家畜が目の前を通り過ぎたり、馬の群れがやってきたり…。

mongol_tenjo010_07
この星空!中央の白いもやが天の川です

乗馬の合間の休憩中には気さくなスタッフと遊んだり、スケッチをしたり本を読んだり、昼寝をしたりと皆さん思い思いに過ごしています。そして夜になれば、(よい意味で)電気がない草原のど真ん中から見上げる空に満天の星空!天の川もくっきり見ることができるのです。
「ほしのいえ」滞在中はキャラバンに備えて、のんびりリラックスして過ごしてくださいね。

ミニキャラバンスタート!

「さぁ、行きましょう!」モンゴル乗馬にちょうど慣れた頃がキャラバンスタートのタイミング。
ほしのいえのスタッフに見送られながら、はてしなく広がる草原を突き進みます。

mongol_tenjo010_map
草原乗馬ミニキャラバン MAP

目指すこの年の初日のキャンプ地は、トーラ川のほとり。ほしのいえから、おおよそ35kmの距離がありますから、常歩(なみあし)・速歩(はやあし)だけではなかなかたどり着けません。足場のよいところではがんがん走ります。襲歩と呼ばれる最大速の走りになるとモンゴルに吹く風とひとつになったような気分になります。
ランチは同行のコックが腕をふるってのピクニックランチ。ゲルの中で使うストーブと煙突をそのまま草原に持ち出して、本格的な料理を作ってくれます。これがまたおいしい!
ランチ&休憩中は日差しをよけるために、車に天幕をはって一休みをします。広々とした空の下で昼寝するのもなかなかオツなものです。

mongol_tenjo010_09
日モン相撲交流中
mongol_tenjo010_08
天幕の下でピクニックランチ
mongol_tenjo010_11
乗馬・乗馬・乗馬三昧
mongol_tenjo010_10
草原を駆けろ!

休憩をして鋭気を養った後は、夕方16時頃の到着を目標に再び草原を走ります!ふたたび風と一体になる。そんな感覚にしびれちゃいます。
今回のツアーでは特別にホルホグ(羊を一頭解体し、焼いた石で蒸し焼きにする豪快料理)を用意しました。当日朝に遊牧民からわけてもらった羊を解体してその日のうちに料理します。
羊の解体は大地に一滴の血も流さずに、粛々と行います。手際よく、流れるような動きに、残酷さはありません。遊牧民が当たり前のように行う生活の一部なのです。
解体した羊の肉と、にんじん、ジャガイモなどの野菜を牛乳缶の中に放り込み、焼いた石もあわせて牛乳缶の中に放り込みます。そのあとは密閉して、蒸し焼くだけ。とてもシンプルですが、肉の臭みもほとんど感じない、最高においしく贅沢な料理です。缶のそこにある、肉のうまみと野菜のエキスが凝縮されたスープもまた絶品なのです。
※ホルホグは事前にお申し込みいただければ手配可能です。

mongol_tenjo010_12
焚火で石を焼きます
mongol_tenjo010_13
石を放り込んで蒸し焼きに
mongol_tenjo010_14
かぶりつき!

キャラバンの実際

キャラバンがスタートするとテントでの宿泊にかわります。
水道はもちろんありませんし、シャワーを浴びることもできません。不自由なことも多いですが、日本とは異なるモンゴルの空気はとても乾燥しているため、不快感はほとんどありません。ただ、日陰がほとんど無い中、乗馬を続けるので、気づかないうちに熱中症になってしまう恐れがあります。水分補給はまめに行うようにご注意を。また、唇などあっという間にひび割れしてきますので、UVカットのリップクリームはマストアイテムになります。(特に男性はついつい油断しちゃうんです…)

mongol_tenjo010_15
今日の野営場所

キャラバン中の服装は真夏であっても気温差が激しいため、防寒着(冗談ではなく、薄手のダウンジャケットが必要なことも…)と乾燥対策(乾燥している上に風があるので、肌はガサガサになっちゃいます)が重要です。ちなみに、テントは3人~4人用のテントを2名で利用していただいていますので、スペースはありますが、あまり大きい荷物だと窮屈になってしまうかもしれません。荷物はコンパクトにまとめるとより快適ですよ。

目指すはほしのいえ

2泊のテント泊のあとはいよいよゴールの「ほしのいえ」を目指します。
目指す「ほしのいえ」までの距離はおおよそ15km~20km。半日の距離としてはひと頑張りが必要な距離ですが、そこは最終日。馬も人間もゴールを目指して草原を駆けるのです。

mongol_tenjo010_16
ゴールはほしのいえ!(今回は残念!)

「ほしのいえ」に到着すると、「おかえりなさーい!」とキャラバンの疲れを癒してくれる気のいいスタッフたちが待っていました。今回のツアーは残念ながら悪天候で馬に乗って「ほしのいえ」に到着することはできませんでしたが、次回は必ず!ね、みなさん!


関連ツアー


関連よみもの