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つるつるすべすべハンマム体験

 

ハンマムで裸のお付き合い 執筆●加藤亜里沙(東京本社)


薔薇水とダマスカス・ローズ

温泉に行けば一日中水風呂と温泉を行き来するほど風呂好きの加藤。当然ハンマムにも興味津々のはずが、前回モロッコに行った時はハンマムを断念して帰国してしまいました。かなり興味はあったのですが、「言葉も通じないし、手順も分からないし。もうどうしたらよいかわからない!」という訳で、「次にモロッコに行く時は絶対ハンマムに行きたいなあ…」と飛行機の中でつぶやきながら帰ってきました。

さて、今年6月に「メディナの世界と砂漠紀行」というツアーに研修添乗として同行させていただくことになり、好機はやってきました。ツアー参加者の皆さんにハンマム隊を募集したところ、お友達同士で参加された2名が名乗りを挙げてくださったのです。平常心を装い「ハンマムに行きたい方いらっしゃいますか?」なんて聞いたつもりですが、きっと行きたい気持ちが全身からあふれて前のめりで聞いていたのでしょう…。裸のお付き合いをして下さりありがとうございます。

(※ツアー日程にハンマムが含まれているのは、マラケシュでのホームステイのみです。それ以外のコースでハンマムをご希望の場合は、日程調整や予約が必要となりますので、できるだけ早めに弊社担当者にお知らせ下さい。ハンマム代は、現地で実費をお支払い下さい。)

ハンマムとは?

ハンマムとは、アラブ式スチーム風呂の事です。湯船はありませんが、気軽に汗を流しに行く、いわば日本の銭湯のようなものです。スチーム風呂といっても、日本のようにお湯が霧状に出ているサウナとはちょっと違います。絶えず熱湯があふれ出している甕があり、熱湯の蒸気によって浴室内の温度と湿度が高くなっている状態をいいます。
ハンマムの起源は古代ローマ時代の公衆浴場です。現在もモロッコのボルビリスにあるローマ遺跡には公衆浴場跡が残っています。かつてイスラム教諸国で、ハンマムはイスラム女性が立ち入る事のできる数少ない公衆の場として機能し、女性たちはハンマムで体を洗いながら情報交換をしたといいます。一方、男性たちは、モスクへお祈りに行く前にハンマムで身を清めるのが習慣だとか。
ハンマムの利用方法は色々で、使い放題のお湯で体を洗うだけに行ってもよし。垢すりをしてもらってもよし。さらにモロッコ女性のように、伝統的に使われてきた自然素材のコスメグッズを使ってじっくりお肌のお手入れをしてもよし。最後にゴージャスにオイルマッサージを受けてもよし。時間や予算、その時の気分で利用方法を使い分けてみて下さい。

現在、モロッコのハンマムは大きく分けて「高級ハンマム」と「庶民のハンマム」があります。「高級ハンマム」はモロッコの富裕層や外国人が利用するのに対して、「庶民のハンマム」は地元の庶民が通います。

庶民のハンマム


左が男性用入り口、右が女性用入り口です。扉の向こうに何が待っているのかどきどきですね!

まず庶民のハンマムをご紹介します。庶民のハンマムの多くは旧市街(メディナ)の中にあり、多くの場合、アラビア語かフランス語しか通じません。男性・女性で別れているものもあれば、1つのハンマムで時間帯によって男女の入れ替え制にしている所もあります。「郷に入れば郷に従え」との諺通り、周りのモロッコ人の見よう見まねでハンマム体験をしてもいいですが、現地の知り合いがいると心強いです。弊社のマラケシュホームステイコースでいらっしゃる方は、ハンマムもプログラムに含まれており、ステイ先の家族が連れていってくれるので安心です。庶民のハンマムの中は3段階になっていて、1番目が着替えの部屋、2番目が少し暑めの体を洗う部屋、3番目がスチームサウナ状の体を温める部屋です。庶民のハンマムは、いろんな人の垢すり跡がちらばっていたりしてきれいとは言えないのが実情ですが、一般のモロッコ人の生活を垣間見る事ができて、料金もリーズナブルです。

高級ハンマム


今回ハンマムを利用した
フェズのホテル。

ハンマムによって料金は様々。
今回は垢すり込みで150DH(約2,250円)でした。

私達が今回利用したのは、フェズの4つ星ホテルの外国人用ハンマムです。「外国人用は他のお客さんと一緒になることはなく、プライバシーを守れます……」とご紹介したいところですが、今回は予想外の展開になりました。お客様と3人で同じ時間に予約を入れると、文字通り「素っ裸のお付き合い」をすることになったのです。というのも、通常、ハンマムはパンツ一枚で入るのが一般的ですが、そのハンマムでは、垢すり担当のお姉さんから「パンツを履いたらおしりを垢すりできないから、全部脱ぐように!」と指示があったのです。素直な私達はその指示に従ってハンマムに入りました。すると、ハンマム内に仕切りがなかったため、本当に素っ裸のお付き合いになったのです。潔くその状況を楽しむ事にした私たちは、旅仲間がうつぶせや仰向けで垢すりをされて消しゴムのように垢が出る様子や、垢すりのお姉さんに頭から滝のようにお湯をかけられている様子を笑いながら楽しみました。ハンマムを出た時は3人ともお肌がつるつるすべすべに!サウナで皮膚があたたまって柔らかくなり、垢すり効果で体がすっきり軽くなりました。

ハンマム体験おまけ1:モロッコのナチュラルコスメ

モロッコのハンマムで女性たちは、汗を流したり、垢すりをするだけでなく、伝統的に使われてきた自然素材のコスメグッズを使って何時間もかけて身体をパックしたりトリートメントします。自然素材を使っているから、肌にも環境にも負担をかけずに安心です。モロッコ女性の妖艶な美の秘訣は、ハンマムでの丁寧なお肌のお手入れにあるのかもしれませんね。ナチュラルコスメは旅のお土産にもいいかも!

ガスール

アトラス山脈のわずかな地域だけで取れる粘土。水に溶くだけで洗顔、メイク落とし、シャンプー、全身パックとして使えます。粉末や写真のような固形タイプで売られており、水を足してペースト状にして使います。洗浄力だけでなく保湿力があるため、これで全身パックをすると、お肌がしっとりツヤツヤになります。

サボンベルディ(黒い練り石鹸)

「サボンノワール」とも言われますが、モロッコでは一般的に「サボンベルディ」と呼ばれます。オリーブオイルとユーカリのエッセンシャルオイルでできたジェル状の石鹸です。写真のようにパック状になったものの他、薬局等で量り売りもされています。

薔薇水

ダマスカスローズのエッセンスが入った水。モロッコの人々はお菓子の香りづけにも用いますが、基本的には化粧水として使います。蓋を開けるだけで甘い薔薇の香りが広がります。

アルガンオイル

アルガンツリーの100kgの果実からわずか1リットルしか採取できない希少価値の高いオイルで、モロッコでは食用として用いられる他、美容液としても使われます。痛んだ髪に塗ると、さらさら、しっとりになります。また、ビタミンA・B・Eを多く含むため、肌に塗ると、肌を保護し再生する働きがあると言われます。

ハンマム体験おまけ2:ホテルのハンマムの手順


スーク(市場)のコスメ用品屋さんでハンマムグッズを購入。左から垢すり手袋、ガスール、サボンベルディ。

ハンマムに行ってみたいという方へ。ホテルのハンマムの手順をご紹介します。ホテルによって持参するものと、ホテルが用意してくれるものは異なりますので、事前に確認してください。また、今回は垢すりの後にガスールを使いましたが、垢すり前に使う場合もあります。

[持参する物]
着替え、垢すり用手袋、サボンベルディ、ガスール、ヘナ、薔薇水、アルガンオイル等、お好みのモロッコ美容グッズ

[ホテルが用意してくれたもの]
タオル、シャンプー、リンス、バケツ

[手順]
●un まず準備する
* 予約が必要な場合は、予約をします。
* 事前にスーク(市場)でハンマム用に購入したサボンベルディ、垢すり用手袋、ガスールを垢すり係の方に手渡します。

●deux ハンマムの中では?
* 着替えの部屋に案内されます。通常はパンツ一枚になります。
* スチームサウナの部屋に案内されます。庶民のハンマムと違い、2番目と3番目の部屋が一体化されており、部屋の暑さもサウナというほど暑くはありません。
* 垢すり係の方が頭からバケツでお湯を何度かかけてくれます。この時の様子は、まるで「滝のように打たれる」という表現がぴったりです。
* お湯で溶いたサボンベルディを自分で全身に塗って汚れを落とします。擦らなくても大丈夫。
* サボンベルディを洗い流した後、垢すりが始まります。全身から垢が出てきて人形が作れそうです。
* 体を洗い流した後、ガスールをお湯で溶かしてクリーム状にし、全身に塗ってパックします。この時、お湯で溶いてペースト状にしたヘナで髪をトリートメントしてもよいでしょう。ヘナには髪染め効果もありますが、きちんと染めるには1時間以上放置する必要があります。
* ガスールが乾いて固まる前に洗い流します。この時、垢すり係の方が髪の毛をといてくれます。

●trois 仕上げのお手入れもお忘れなく!
* 少し体を温めて終了。汗をかいたので水分補給をします。終了後は全身がつるつるぴかぴか!薔薇水やアルガンオイルで保湿をしましょう。


ハンマムで美人に!

皆さんも、モロッコに行かれる際は、是非ハンマムへ! その時は、ガスールやサボンベルディ、薔薇水など、モロッコ伝統の自然の美容素材を使って髪の毛からつま先までつるつるすべすべになってきて下さいね。