添乗報告記

モロッコ周遊のゴールデンコース!(2011年11月)

 

コース名:モロッコ周遊メディナの世界と砂漠紀行 10日間
2011年11月18日〜11月27日  文●荻原 文彦(東京本社)

青空に映えるアイト・ベン・ハッドゥ
青空に映えるアイト・ベン・ハッドゥ

タイムスリップしたようなメディナ(旧市街)やアトラス山脈、世界最大の砂漠「サハラ」や点在する「カスバ」とオアシス、そして大西洋の旅情くすぐる港町まで、モロッコには、本当に様々な表情があります。『風のモロッコ』で大人気の9日間の周遊ツアーに大西洋の港町エッサウィラを追加した特別企画『モロッコ周遊 メディナの世界と砂漠紀行10日間』の報告記です。
11月は小雨季、2日間位は雨の中の観光も覚悟していましたが、皆でメッセージを書き込んだ「照る照る坊主」のおかげで移動中や夜間を除きバッチリ晴れて、変化に富んだモロッコを楽しむことができました。

day1世界最大級のメディナ フェズ

日本から約20時間のフライトと4時間の陸路移動の後たどり着いたフェズ。フェズは9世紀の旧市街「フェズ・エル・バリ」と13世紀の新旧市街「フェズ・エル・ジェディッド(新フェズ)」と20世紀初頭フランス保護領時代の新市街「ヌーベル・ヴィル」の3つの町に分かれています。まず最初に訪れるのが新旧市街の王宮。美しき正門を見学してから、ユダヤ人街メラーへ。ここでは、出窓やバルコニーなどモロッコでは異質の住居が連なります。迫害され移り住んだユダヤ人達を受け入れ守るため、どの都市でもユダヤ人街は王宮のすぐそばにあるそうです。その後、フェズの3つの町を見渡す見張り台と陶器工房へ。白い街フェズの全貌と美しきフェズ・ブルーの陶器や精巧なタイル細工を見学しました。
そして、フェズ最大の門「ブー・ジュルード門」から迷宮のメディナ散策へ。セギーラ通りから歩き始めたところまでは確認できましたが、その後、かがまないと通れない暗い通路も越え、どこをどう通っていったのか皆目わからず…。フェズ・エル・バリを造ったムーレイ・イドリス2世のザウィア〜サファリーン広場〜真鍮職人のスーク〜革染色職人のスーク〜カラウィン・モスク〜刺繍職人のスークなど、ガイドのハリッド&ローカルガイドのムハンマドのダブルガイドの案内でまわってきました。本当に右も左もわからなくなる入り組んだ通路、ここで鬼ごっこをした日本のバラエティー番組があったとか、凄すぎです。凄いといえば、モロッコのデザインセンス。偶像崇拝をしないイスラムの世界では、幾何学模様が実に見事。フェズの陶器工房や刺繍職人のスークでは特にそのデザインセンスと精巧さにも注目してみて下さい。

見張り台からフェズを一望
見張り台からフェズを一望
ブルー・ジュルード門からメディナへ
ブルー・ジュルード門からメディナへ
1000年以上の歴史ある旧市街は現役
1000年以上の歴史ある旧市街は現役
「迷宮都市」トンネルのような通路も
「迷宮都市」トンネルのような通路も


day4-5夕陽と朝陽と星空のサハラ砂漠

フェズから南東へ約520km!! 砂漠への移動は長時間にわたります。しかし「サハラ砂漠」を楽しみたいなら我慢我慢、ここは移動日と腹を決めましょう。少しうとうとして気が付くとオリーブの畑は何処へやら、あたりは杉の木立に様変わり。中アトラス山脈の避暑地イフレンの標高は1,650mでスキー場もあるリゾート地。トイレとティータイムの休憩をとりましたが、冷たい雨が降っていて早々にきりあげました。その後、雪化粧の山道を走り「本当にこの先に砂漠があるのだろうか?」「僕らはいったい何処へ向かっているのだろうか?」と思うほど、砂漠のイメージとはかけ離れた道中でした。しかし、中アトラス山脈を越えズィズ渓谷を過ぎると景観は一変。杉の木立は何処へやら、褐色の大地にナツメヤシがそびえます。

砂丘手前の一本道で夕陽鑑賞
砂丘手前の一本道で夕陽鑑賞

そして、地平線まで続く青空に「夕陽きれいだろうなあ」、「満天の星空!」と期待に胸が膨らみます。と、同時に「砂丘で夕陽鑑賞」に間に合わないという不安も膨らんできました(冬の日の入りは早く17:20位)。参加者の皆も時計を気にしています…。ドライバーのハミッドさんも法定速度ぎりぎりで頑張ってくれましたが、結局砂丘まであと20分位というところで、タイムアウト。しかし褐色の大地の一本道に車を停め、刻一刻と表情を変える夕陽を楽しむことができました。「その時々で最大限に楽しもう」とする素敵なメンバーに感動しました。


メルズーガのロッジで休憩と夕食を済ませた後は、いよいよ「砂丘でテント泊」。寒さ対策のため着膨れた出で立ちで砂丘に集合です。砂丘にカーペットとマットレス&毛布を敷き、フェルトで覆った「ベルベルテント」は貸切でした。フェズのスーパーマーケットで買い出しておいた、カサブランカビールやメクネスワイン、チーズやオリーブの実などを、カーペットに広げ、満天の星空の下サハラの夜は更けていきました。一人が流れ星を見つけると、「どれどれ…」と、いつしか全員でヘッドライトを消して星空鑑賞。「全員一緒に見るまで!」と粘り、就寝は1時近くに。

早朝5:55、まだ暗いうちにラクダに乗って砂丘を目指します。30分ほど乗って砂丘の稜線に出ると、徐々に空が白けてきました。その後、一番大きな砂丘の頂上を目指してハイキング。足をとられながらも元気な3名が頂上へ、残るメンバーは砂丘の肩のところで、日の出にスタンバイ。シルエットだった東の地平線が砂丘が連なる砂の海に変わり、ターバンを巻いた顔を朝陽が照らします。太陽からエネルギーをもらったら、砂丘遊び。文字通り童心にかえり、滑り降りたり転がったり駆け下りたり大の字になったり…。
夕陽と星空と朝陽に浄化され、はしゃいで、20才位は若返ったサハラ砂漠でした。

サハラに昇る朝陽!
サハラに昇る朝陽!
ターバンを巻いた顔を朝陽が照らす
ターバンを巻いた顔を朝陽が照らす
広大な砂丘を独り占め
童心で駆け巡る
童心で駆け巡る
広大な砂丘を独り占め


day5-6カスバ街道とアトラス山脈越え

カスバとは「城壁に囲まれた要塞」のこと。褐色の大地にカスバ(あるいは「クサル」という要塞化した村)が点在するエルフード〜ワルザザードを結ぶ道は「カスバ街道」とよばれています。断崖絶壁のトドラ渓谷やナツメヤシの群生するオアシス、バラのコスメグッズの特産地を訪ねながら、20世紀初頭に仏軍によって建設されたサハラ砂漠の最前線基地ワルザザードを目指します。もっとも印象的なのはトドラ渓谷。地形的に防衛に優れ7世紀のアラブ人の進撃を最後まで退けたベルベル人の集落でもあります。約200mの切り立った岩には、ロッククライミングのルートが何本も開拓されており、よく見るとルート沿いにボルトが光っています。川の水は澄み、鱒か何かよくわかりませんが魚影もありました。標高も 1,500m位ありモロッコ人にとっても避暑地になっています。

ナツメヤシの茂るオアシス
ナツメヤシの茂るオアシス
断崖絶壁のトドラ渓谷
断崖絶壁のトドラ渓谷

そしてワルザザード郊外の世界遺産「アイト・ベン・ハッドゥ」へ。荒涼とした丘にまるで山のように築かれた要塞は青い空に映えます。雨の多い時期は川が増水して、対岸から眺めるか、ロバで渡渉する必要があったのですが、今年立派な橋がかかり、通年訪れることができるようになりました。今回はせっかくなので往路はロバに乗り、川を渡渉して訪れました。ちょっとしたアトラクション感覚、是非お試し下さい。

ロバで目指すはアイト・ベン・ハッドゥ
ロバで目指すはアイト・ベン・ハッドゥ
要塞の中を彷徨う
要塞の中を彷徨う

その後、マラケシュを目指しアトラス山脈越えです。照り付けていた太陽は何処へやら、山の天気は変わりやすく山道にさしかかると雨が降り始め、2,260mのティシュカ峠付近では激しいアラレとなりました。フェズから砂漠への移動も然り、アトラス山脈を境にモロッコの自然環境はがらりと変わります。アラレのアトラス山脈を越えると「サハラとカスバの世界」から、再び「農耕地帯とメディナの世界」に突入です。


day7エネルギッシュなマラケシュ

旅先で「街に恋する」ということもしばしばあるような気がします。人それぞれですが、例えばペルーのインカの都クスコやネパールの古都パタンなど「住んでしまいたい!」と思わせる街、それが、モロッコではマラケシュでした。2年振り2泊3日の滞在でしたが、エネルギッシュで開放的な「毎日がお祭り」というような街の様子は相変わらず、というより、なんだか「時空を超えて存在し続ける」ような感覚にとらわれます。
モロッコ最大のスークや、マラケシュの象徴美しきミナレット「クトゥビア」、そして最もホットで楽しい「フナ広場」を皆で散策し、フリータイムには少々ボラれながらタクシーで新市街へ出かけたり、時はあっという間に過ぎていきます。「あっという間」なのに、なんだか「昨夜到着したのが遠い昔」のような、不思議な感覚です。これは、今思うとマラケシュの街が「昼と夜で2つの魅力」を放つところだから感じられるような気がします。

マラケシュ メディナの世界
マラケシュ メディナの世界
フレッシュオレンジジュースの屋台(フナ広場)
フレッシュオレンジジュースの屋台(フナ広場)

さて、宿泊はもちろん「風のスタンダード」であるリアド。リアドとは、メディナの伝統的な邸宅を宿泊施設に改築したモロッコ版のペンションです。部屋によって造りや調度品や飾りが異なり、皆の部屋を見学して回るのも楽しみの一つでした。メディナの中ということは日常の暮らしの中ということ。一日5回のアザーン(礼拝の合図)が鳴響き、人々の生活が身近に感じられます。特に今回のリアドは屋上からフナ広場が見える距離で、フナ広場にさえたどり着ければ簡単にたどり着けるという便利さでした。

マラケシュではリアド泊
マラケシュではリアド泊
クトゥビアと遠くに雪のアトラス山脈
クトゥビアと遠くに雪のアトラス山脈


day8大西洋に沈む夕日 エッサウィラ

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アルガンの木と木登りヤギ

窓から雪化粧をしたアトラス山脈眺めながら、後ろ髪を引かれる思いで一路大西洋の港町エッサウィラへ。1時間少々走ると、緩やかな起伏の大地を特徴的な木々が覆っています。オリーブでもナツメヤシでもないそれは、モロッコ南部とメキシコの一部にしか生息しないアルガンの木です。
エッサウィラの郊外には、特産品アルガンオイルの工場がいくつかあります。いずれも女性の自立支援を目的とした組合によって経営されているそうです。美容や食用のオイル、石鹸などを手作りし、作業工程の説明もしてくれます。モロッコの通貨ディラハムは国外持ち出しができませんので、皆ここである程度使って手持ちのディラハムを調整していました。

さて、再び車に乗り込み間もなくすると大西洋と「風の街」エッサウィラが見えてきました。青い空と青い海、白い街。海辺のホテルにチェックインした後、メディナ散策へ。今までのメディナと違うところは、潮の香りと飛び交うカモメ、青色にペイントされた窓枠やドアがかわいらしい白壁の街並み。そして、メインストリートが600m位とこじんまりしていて、区画整理もされていてとても歩きやすく、小さな港町で水産以外に大きな産業もないため物価の安い街、スークで売っているものもフェズやマラケシュに比べて安かった印象があります。

エッサウィラの街並み
エッサウィラのメディナ
カモメと青いペイントが印象的
カモメと青いペイントが印象的

そんなエッサウィラのハイライトは大西洋に沈む夕陽! 一般的に大砲台のある城壁「スカラ」が夕陽鑑賞の名所ですが、ガイドのハリッド曰く「夕方は人が多いので、個人的には港の防波堤がお勧め。浸れます。」とのことで、カモメが鳴き、水揚げや船のメンテナンス風景など旅情たっぷりの港へ。防波堤に上り、足を海側に投げ出して座り、「サハラに昇った太陽が大西洋に沈む」瞬間を見守りました。

エッサウィラのスカラ
エッサウィラのスカラ
港町エッサウィラの夕暮れ
港町エッサウィラの夕暮れ
ハリッドお勧めの防波堤
ハリッドお勧めの防波堤
大西洋に沈む夕陽
大西洋に沈む夕陽

こうして巡ったモロッコの旅。
ご夫婦一組と一名参加の女性8名、初対面を感じさせないムードで楽しむことができました。まるで万華鏡のように様々な顔を見せてくれるモロッコ。是非とも体験してみて下さい。


おまけ 「でんでんむしのスープ飲みましょう」

KVM支店長ラシッドとでんでんむし
KVM支店長ラシッドと
でんでんむし

マラケシュには、風のモロッコ支店(KVM)がありますので、滞在中は担当ガイド以外のスタッフもよく挨拶や様子を見に合流します。支店長のラシッドが、フリータイムのケアなどしてくました。その後リアドへ戻る前に「でんでんむしのスープ飲みましょう」と案内してくれました。最初は見るだけと思っていましたが、味見をしてみると意外にイケます。生姜や胡椒を中心としてたくさんのスパイスで味付けされた熱々のスープは、体が内側から熱くなります。風邪をひいたときなど、滋養強壮によいそうです。
1杯10DH、クセになりエッサウィラでも屋台へ行ってしまいました。具は爪楊枝でかきだして食べます。スープはおかわりOK。スープだけでも試しにいかがでしょうか?