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風の大地 パタゴニアの魅力

 

麗しきパタゴニアの大地


広大で荒涼としたパタゴニアの大地(アルゼンチンカラファテ近郊)

いったいパタゴニアってどこ?と思われる方もいることでしょうから、まずはパタゴニアの簡単な概要からご紹介します。パタゴニアは我が国日本からもっとも離れた南米の、チリ・アルゼンチン南部に広がる広大な地域を差します。面積は110万平方キロ、なんと日本の約3倍。国のたった一部分でこの広さ。でも、ただ大きいだけじゃありません。ここパタゴニアはアンデス山脈を境にチリ側、アルゼンチン側にわかれ、気候、地形ともに興味深い特徴があります。アルゼンチン側は広大なパンパ(平原)と不毛な大地、チリ側はフィヨルドが複雑に入り組み、山と湖の変化に富んだ地形。どこへ行ってもいろいろな景色が目の前に現れ、美しい湖、雪を抱いた雄大な山々や青く輝く氷河などがあり、旅の楽しみは尽きません。ではこれから、とっておきの見どころの数々の登場です。

青々と輝くパタゴニアの宝石 ペリトモレノ氷河


氷河の上を歩くこと
だってできる!
(ペリトモレノ氷河)

展望台から氷河を望む
(ペリトモレノ氷河)

まずご紹介したいのが、アルゼンチン側の顔・ペリトモレノ氷河。全長35キロ、表面積195平方キロを誇るこの氷河は、数あるパタゴニアの氷河の中でも1,2を争う美しさを誇り、雄大で青々と輝く巨大な氷壁には圧倒されます。とにかくでかく、美しい!
そして最大の見ものは時折、轟音をたてて湖へと巨大な氷が崩落していく豪快な景色。長い年月を旅してきた氷河の終焉です。この見事な氷河の最終ステージをぜひ展望台から見届けてください。

また、この氷河はただ見れるだけじゃありません。なんと場所を移せば氷河の上を歩けてしまうのです。氷河の縁までボートと徒歩で向かい、ここからいよいよ氷河を歩き始めます所々にブルーホールと呼ばれる裂け目があり、そこを覗くと透き通るくらい美しいブルーの輝きがみられます。そしてトレッキングの締めくくりは皆で“ウイスキーのペリトモレノ氷河割り”で乾杯。最果ての地で味わうこの格別なウイスキーは日本のどの高級バーでも味わえない贅沢な代物です。アイゼンは使いますが、2時間程度の簡単なトレッキングで健康な方ならば誰でもお楽しみいただけます。パタゴニアを代表するペリトモレノ氷河。あなたも、氷河の上を歩いてみませんか?  

山と氷河と湖の夢の競演 パイネ国立公園


美しいパイネ国立公園

チリ側の顔といえばパイネ国立公園。大阪府ほどの面積に匹敵するこの広大な国立公園にはトレッカー憧れの見どころがいっぱい詰まっています。4本の切り立った岩山からなるパイネタワー、まるで角の様な形のクエルノス、雪と氷河を抱いた雄大なパイネグランデ、轟音とともに流れ落ちる滝サルトグランデ、そして青々と輝くグレイ氷河など。行く先々に見事な景色を展開して、見るものを楽しませます。まさに“オールスターが勢揃い!豪華夢の共演”という感じで、自然好きの方ならたまらないことでしょう。車で廻っても十分楽しめますが、やはりここは自分の足で見て廻りたいところです。ここパイネはトレッキングルートが完備されていて、健康な方ならどなたでもトレッキングが楽しめます。4泊5日のトレッキングが一般的ですが、パイネタワー、クエルノス、フランス谷、そしてグレイ氷河と日替わりで見るものが違ってくるので、毎日が楽しくて仕方がありません。トレッキングは初心者用コース、健脚向きコースいずれの方にも楽しめるようにルート選定できるのも魅力のひとつです。あなたも、パタゴニアの大自然の懐へ飛び込んでみませんか?

移りゆく素晴らしき世界 中部パタゴニア


荒涼とした
パタゴニアの大地
(アルゼンチン)

最後にぜひご紹介したいのがこの中部パタゴニアです。パタゴニアをご存知の方でも「えっ? 中部ってナニがあるの?」と疑問に思われる方もいることでしょう。実際、中部パタゴニアなんてどのガイドブックをみても殆どが空白地帯。地名はおろか、道があるのかないのかさえもわからない状態です。が、この空白地帯こそ、パタゴニアの本当の姿が存在するのです。何と言ってもその魅力はドラマチックな景色の移り変わり。見渡すかぎり広大な、荒涼とした風景が続くアルゼンチン側から森と湖の風光明媚な美しい風景が続くチリ側への変化は、とても面白みがあり楽しみは尽きません。


無数の手の壁画ロスマノス
(アルゼンチン)

中部パタゴニアの旅はアルゼンチン側の街コモドロリバダビアからスタートします。果てしなく続く荒涼としたパンパ(草原)地帯を西に走り、点在する石油採掘機を見ながら西へ。アルゼンチン国境の町ロスアンティグオスまでは山もなく谷もなく、どこまでも荒涼としたパンパ地帯が続きます。この町の郊外にロスマノス壁画という見どころがあります。ぺリトモレノより南へ下ったところに突如谷が現れます。この谷の中腹の洞窟に無数の手の形をした壁画があります。今から約1万年前のインディへナが残したもので、当時彼らが神への信仰の証として描いた見事なものです。ここからいよいよチリ側へ入ります。


城のような岩山セロカスティージョ(チリ)

国境を過ぎたあたりから徐々に風景が変り始め、荒涼とした世界から森と湖の風光明媚な世界へ変っていきます。チリ側の国境の町チレチコを過ぎるといよいよアウストラル道路に入ります。この道路はチリ・中部パタゴニアを貫く道で、この地に生活する人々の重要な通り道としてももちろん観光としての楽しみが尽きません。これ以上に無いというくらい完ぺきなコバルトブルーのヘネラルカレーラ湖、ベルトラン湖そしてベイカー川。頂上がお城の様な形をした雄大な岩山セロカスティージョ、ヘネラルカレーラ湖に浮かぶ不思議な形をした通称“大理石の教会”などなど次から次へと美しい景色が展開します。そして、チリ・中部パタゴニアの中心の町コジャイケを通り、太平洋側へ到着です。


巨大な氷河の前では
ボートもこんなに小さい
(チリ)

まだまだ旅はまだ終わりません。ここからクルーズ船に乗りチリ・中部パタゴニアのハイライト、サンラファエル氷河に向かいます。この氷河はチリ最大級の氷河の一つで、船での アプローチのみというアクセスの難しさで人を寄せ付けない為か、その美しさは格別で、その青々と輝く氷壁には言葉を失います。まさに旅の最後にふさわしい素晴らしい眺めです。このサンラファエル氷河を見ながら旅路の果ての思いにひたってみるのも良いでしょう。



※ 風・通信No.9 (2001年10月発行)より抜粋
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