添乗報告記

添乗員報告記●中米・マヤ文明の旅 グアテマラ・ハイライト9日間

 

2007年12月29日(土)〜2008年1月6日(日) 文●鈴木雅子

今回は古都アンティグアを基点とし、ティカル、コパン、キリグアの3つのマヤ遺跡と、世界一美しいといわれるアティトラン湖とその周辺の村々を周遊するツアー。乾季というベストシーズンのグアテマラへ添乗してきました。

12/30(日)

いよいよツアースタート!まずは第一のマヤ遺跡がある、のどかなキリグアへ


待ち人来る
(photo by A. HIROTSU)

今日から本格的なツアーの始まりです。昨日は夜遅くにアンティグアに到着したので周りの景色は全く分かりませんでしたが、朝起きると富士山にそっくりの火山が目の前に聳えていました。天気が良く空気が澄んでいてとても気持ちのよい朝です。
初日はマヤ遺跡のひとつ、キリグア遺跡に向かいます。遺跡を観光する前に腹ごしらえ。民家でグアテマラ料理をいただきます。フリフォーレスという黒豆を煮込んだスープにゆで卵やジャガイモ等の野菜、ライスをゴチャ混ぜに入れてかき回して食べますが、とっても素朴な味でおいしいです。グアテマラ人の主食のトルティーヤ作りも体験します。トルティーヤはとうもろこしの粉を水で溶いてクレープの様に焼いたもの。綺麗に丸く伸ばすのが意外と難しく歪な形のトルティーヤが出来上がりました。

食後はキリグア遺跡へ。ここは気持ちの良い緑の広場にステラと呼ばれる石碑が点在しています。石碑には神聖文字でキリグア都市の歴史が刻まれており、その彫刻はとても美しくマヤ芸術の代表的作品となっています。一番高いものはなんと約12mもの高さがあります。石碑のひとつにはマヤの長期暦が刻まれていて、紀元前3114年8月11日から始まり、2012年12月21日で終わっていて、5000年もの長い年月を刻み続けています。
今日はキリグアの村に宿泊します。夕食の前にキリグアの村を散策。歩いているとなにやら30人くらい人が集まっていて、音楽もにぎやかに流れて来ます。何事かと聞いてみると1歳の誕生日パーティーだそうで、グアテマラでは1歳の誕生日を盛大にお祝いするそうです。みなさんと一緒にパーティに飛び入り参加し、一緒に誕生日をお祝いしました。なんとものどかな町並み。夕食はグアテマラ料理。グアテマラでは鶏肉料理が多く、肉は身が引き締まっていてとてもおいしいです。夜、宿の庭にはホタルがたくさん光っていて、なんとも幻想的な雰囲気でした。


素朴なグアテマラ料理
(真ん中がフリフォーレスのスープ、
右がトルティーヤ)

数々の歴史物語が神聖文字により
刻まれた石碑


12/31(月)

第二の遺跡・コパン遺跡を観光した後は、大晦日のお楽しみ!

今日は国境を越えてホンジュラスにあるコパン遺跡へ。日本人にとって国境というのは特別なものの様に感じますが、ここは物々しい感じは全くなく、のんびりした国境です。とりあえずゲートがありましたが、あっさりと通過してしまい、そのゲートも自由に歩いてくぐれるので、拍子抜けしてしまうほどです。
コパン遺跡には何層にも重ねられて作られた神殿があります。洪水によって削られその断面図によって地下に神殿があることが発見されました。今はトンネルが掘られ、地下神殿を見学することができます。また、高さ30mの神聖文字の階段があり、ここにはコパン王朝の歴史が刻まれています。下から約10数段は昔のままの配列ですが、その上は侵食によって順番がばらばらになり、何が刻まれていたのかは謎に包まれています。そして、マヤの神殿都市に必ずある球戯場も綺麗に残っています。ここで行なわれる球戯で生贄となる者が決められたそうです。私たちは負けた人間が当然生贄になるものと思っていましたが、勝った人間が生贄となるそうです。このゲームには絶対に勝ちたくないと思ってしまいますが、昔の人は生贄になるのが名誉だったそうです。
午後、アンティグアに戻ります。そして今日は大晦日。聞くところによるとアンティグアのメインストリートではカウントダウンが行なわれるとのこと。これは行ってみない手はありません。夜11:30ごろにホテルを出発。メインストリートにたどり着くと、ものすごい人だかり。いったいどこからこんなに人が集まってきたのでしょうか。人を掻き分け時計台の前までなんとか進みます。まさに満員電車状態!お立ち台でこのイベントの進行役の人がなにやら言って周りを盛り上げています。スペイン語の分からない私には何を言っているのか分かりませんが、いつの間にかカウントダウンが始まり、「シンコ、クワトロ、トレス、ドス、ウノ(5、4、3、2、1)!」と周りの人が一斉に叫んだその瞬間、花火がものすごい勢いで打ち上げられ、周りは大きな歓声でいっぱい。この盛り上がり様といったらすごいものです。かなりの花火が打ち上げられ、まるで戦争が始まったかと思うほど。ラテンの人って本当にお祭り好きなんですね。この晩は朝方まであちこちで花火が打ち上がる音がしていました。


地下に埋もれた神殿に残るレリーフ
太陽の神様キニチ・アハウ

感動的なカウントダウンの瞬間
大量の花火が上がります
(写真提供:もとちゃん)


1/1(火)
アンティグア市内観光の後、世界一美しい湖・アティトラン湖へ


民族衣装のウイピル
とてもカラフルで目が
細かく、どれも美しい!

今日の午前中はアンティグアの市内観光です。アンティグアはスペインのコロニアルタウン。かつては首都でしたが、度重なる地震で主要な建物が破壊され、首都はグアテマラシティーに移されました。今でも廃墟となった教会が数多く残っています。コロニアル建築や石畳があり均整の取れた静かで美しい街ですが、点在する廃墟がどこか物悲しさを漂わせます。
まずは十字架の丘という場所に行って、アンティグアの街を一望します。その後、メルセー教会、中央公園、カテドラル、サンフランシスコ教会等を観光します。
午後は世界一美しいといわれるアティトラン湖の湖畔にあるパナハッチェルという街に移動します。移動途中の山道にどこから出てきたのか村の子供たちが並んでいて手を振ってきます。手を振られたからには振り返すのが人の常。最初は楽しく手を振り返していました。ところが、次から次へと子供が出てきてみんな手を振るのでさすがに手を振るのも疲れてきました(笑)。
パナハッチェルに到着し、早速サンタンデールという目抜き通りに繰り出します。この通りは約800mの距離の間に民族衣装のウイピルや、織物で作られたポーチ等の小物類、グアテマラで良く見かけるハンモック、木彫りの置物等の様々なお店が連なっていて、いろんなお店に立ち寄っていたら100m進むのに 30分もかかってしまいます(笑)。特にここでは湖畔の近くに住む先住民の人々が作る織物や刺繍の布製品がたくさん揃っています。これらはとても色使いがカラフルで、さらに模様がとても細かく、他の国ではなかなか見られないような美しいものです。特に女性の方はみなさん目移りしていろんなお店を覗き込んでいらっしゃいました。


古都アンティグアの中心にある
カテドラル

動物を模した不思議な木彫りの
仮面も良く見かけます


1/2(水)
アティトラン湖の湖畔の村をボートで巡り、民家を訪問して感動!


ウイピルを来た添乗員
通称・ピンク鈴木

今日の午前中はアティトラン湖の近くの村をボートで訪ねます。アティトラン湖の周りには富士山とそっくりな火山がいくつか並んでいます。湖畔にはのどかな村が点在しており、ボートに乗っている間も湖畔で洗濯をしていたり、小さなボートで魚釣りをしている村人を見かけました。まずはサンタ・カタリーナ・パロポという村を訪れます。ここは村人が鮮やかな青いウイピルを着ているので有名です。ここの村では男性もかわいらしい模様の織物のズボンを履いています。次にサン・アントニオ・パロポという村を訪れます。高台にある教会まで登り、そこからアティトラン湖を一望します。帰りに織物のお店に立ち寄り、お客さんと一緒にウイピルに着替えてコスプレ写真を撮りました。どちらの村も素朴な村人の生活を身近に見ることができます。
午後はアンティグアに戻ります。その途中でアグアスカリエンテという村に立ち寄り、織物を作っている民家を訪問します。民家では90歳になるおばあちゃんが数十年前に織ったという大切そうに取ってあるウイピルを見せていただきました。数十年前に織られた物とは思えないほど美しく、その質の高さが伺えます。アンティグアに帰ってみるとなんと街中が停電に。グアテマラでは停電が良く起こります。夕食はろうそくの明かりで食べましたが、暗くて何を食べているか口に入れないと分からないというなかなか面白い経験ができました。


ボートに乗って村巡りに出発

サンタカタリーナパロポに住む
おばあちゃんとその孫娘
今でも昔ながらの方法で
織物を織っています


1/3(木)

ついに!今回のハイライトのティカル遺跡へ!


ティカル遺跡のシンボル
第一神殿を見上げる

ついにこの日は今回のツアーのハイライトと言えるティカル遺跡を訪れます。ここはマヤ文明最大の都市遺跡です。ジャングルの中にあり、30mもの高い木々の中に遺跡が埋もれています。まず、ティカル遺跡のシンボルとも言える1号神殿と2号神殿のある広場へ向かいます。木々の間から神殿が見えた瞬間には一同から歓声の声が上がります。軋む木の階段を登って2号神殿に登ります。下が丸見えなので高所恐怖症の方はご用心。特に下りが怖いです。一番の眺めは4号神殿の上から見る景色。見渡す限りに広がるジャングルの中にピラミットがチョコンと頭を出しています。なんとも幻想的な景色。ここは階段が新しくしっかりしているのでそれほど怖い思いをせずに登れます。
また、この遺跡は世界遺産ですが、文化と自然の複合遺産という珍しい場所なのです。遺跡の中を歩いている間も珍しい動植物を観察できます。ピラミットを見学している途中で、「あっ、あそこに鳥がいる!」、「あっ、こっちは猿!」という声が上がり、即席の動物観察会が始まります。今回はクモザル、ホエザル、オオハシ、コウライウグイス、カササギ、コンドル、ハキリアリ等、たくさんの動物を見ることができました。
ティカルで現在発掘されているのは全体の15%くらいで、残りの85%は埋もれたままです。遺跡の中を歩いている間もピラミットが埋もれている小高い丘がいくつもあります。今はうっそうとしたジャングルですが、10世紀まではここに巨大都市があったです。この都市はいったいどれほどの栄華を誇っていたのか、思いを馳せずにはいられません。と同時に、数百年の間に都市を完全に覆ってしまった自然の勢いのすごさも感じました。

この国はマヤの遺跡が一番の魅力です。どの遺跡に行ってもここに都市文明があったのかと思うと感慨深い思いにさせられます。そして静かで美しいコロニアルの古都アンティグア、また、美しいアティトラン湖と素朴な湖畔の村々と、様々な魅力を持っているグアテマラ。素朴で、のんびりとしていて、心が落ち着く国です。