添乗報告記

添乗報告記●元ペルー在住・KAZEスタッフと行く マチュピチュ・ナスカ9日間

 

2013年8月24日~2013年9月1日 
文●中台雅子(東京本社)

インカ帝国の古都「クスコ」この街に4年半暮らしていたスタッフが同行する特別企画ツアー
インカ帝国の古都「クスコ」この街に4年半
暮らしていたスタッフが同行する特別企画ツアー

「ペルーに旅立とう!」と決めた9年前、周りの人に「ほら、マチュピチュがある所だよ」と言ってもまだピンとこない人がほとんどでした。それが、今や「一生に一度は訪れてみたい世界遺産」としてすっかり認知度が高くなったマチュピチュ。そして、「宇宙人が描いたの?」とも言われる、砂漠の大地に描かれた巨大なナスカの地上絵も、人気の見どころとして有名です。このペルーの2大人気スポットを、ペルー在住経験がある私がお連れするという特別企画ツアー。もちろん、ただ有名観光地を訪れるだけでは終わりませんよ。実際にペルーに4年半暮らして、私が感じたペルーの魅力を伝える旅にしたいと色々こだわり企画を含めました。

人気の「マチュピチュ遺跡」と「ナスカの地上絵」の実際のツアーの様子、そして、在住経験者がお勧めするペルーの魅力とこだわり企画についてレポートします。


nanbei_tenjo011 人気の見どころ ~マチュピチュ遺跡とナスカの地上絵~ nanbei_tenjo011


nanbei_tenjo011 荒涼とした砂漠の大地を走りぬける
ツアー2日目、国際線の玄関口であり首都であるリマの街を出発し、車で一路イカへ向かいます。昨夜は長いフライトを経て深夜にリマに到着したので、車窓から見える景色を見てようやくペルーに到着したことを実感します。リマはショッピングモールや高いビルが建ち並ぶ近代都市。一見するとどこかの都会と変わらないような街並みにも見えますが、しばらく車を走らせると、剥き出しになった砂漠の大地が所々に見えてきます。そう、この大都会は砂漠に作られた都市なのです!

初めてペルーに上陸した日本人移民は今から114年前に、リマから約130km離れた海岸に辿り着きました。今でもリマを中心に多くの日系人が暮らしています。当初、農業を生業に生活を始めた日本人たち。雨の降らない砂漠の大地での暮らしは容易ではなかったでしょう。現在、石碑が建つ「セロ・アスール海岸」は、1899年(明治32年)に初の日本人移民船「さくら丸」が到着した場所で、道中に立ち寄ることできます。日本とペルーの「つながり」を感じることができる場所です。

初めてペルーに上陸した日本人移民が上陸した海岸
初めてペルーに上陸した日本人移民が上陸した海岸
セロ・アスールの石碑前で説明するガイドのフェルナンドセロ・アスールの石碑前で説明するガイドのフェルナンド



車は更に南下します。アンデス山岳地帯が乾季で晴天率が高いこの時期、海岸・砂漠地帯では、海流の影響を受け曇天や霧が発生しやすい気候が特徴的です。霧が濃いとフライトが遅れることもあるため、翌日の遊覧を少し心配していたのですが、セロ・アスール海岸での青空を見て一安心。しかし…、その安心も束の間、「霧?!」と声を上げた私に「いえ、これは砂嵐です」と答えたのは隣に座っているガイド・フェルナンド。フェルナンドによると、この規模の砂嵐は、5、6年ぶりとのこと。目の前の視界は遮られ、思いもよらない自然現象にびっくりしました。今年は日本でも異常気象の兆候がみられましたが、ここペルーでも気候の異変が起こっているのかもしれません。

リマから一路、イカへ移動
リマから一路、イカへ移動
晴天から一転、砂嵐に襲われる晴天から一転、砂嵐に襲われる





nanbei_tenjo011 ナスカの地上絵遊覧
翌朝のナスカの地上絵遊覧は…、無事飛ぶことができました!朝はまだすっきりしない空模様で少し遅延もありましたが、私たちの飛行機は飛んでくれました。しかし、私たちが空港に帰着した頃、砂嵐が再開。次のフライトはやむなく引き返したとのこと(間一髪でした)。

遊覧から眼下に見える景色は、果てしなく続く砂漠の大平原。その大地の西側に太平洋、東側にはアンデス山脈が見えてきます。圧倒される大自然の景色を見ていると、「ものすごい場所で空中遊覧しているんだなぁ」と感慨深くなります。サルやハチドリ、コンドルなどはっきりと地上絵を眺めることができました。

小型機の前でパイロットと一緒に記念撮影!
小型機の前でパイロットと一緒に記念撮影!
いざ、空中遊覧へ!いざ、空中遊覧へ!


東側にはアンデス山脈が見えます
東側にはアンデス山脈が見えます
巨大な地上絵(サル)
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巨大な地上絵(サル)




砂漠から一転、山岳地帯のアンデスに到着
砂漠から一転、山岳地帯のアンデスに到着

nanbei_tenjo011 ところ変わって山岳地帯のアンデスへ
ツアー4日目、空路でクスコへ、いざアンデス山岳地帯へ向かいます。クスコ空港に降り立つと、空気の質の違いを感じます。標高約3400mのアンデス山岳地帯の盆地に作られたクスコの街。しばらくすると唇がカサカサしてきて、乾燥具合がわかります。体内でも同じことが起きているので、水分補給は欠かせません。
高所1日目のこの日は、クスコより標高が下がる聖なる谷(約2800m)へ車で移動します。ウルバンバ川周辺のこの辺りはのどかな農村地帯が広がり、空気が澄んでいてとても気持ち良い場所です。「あれっ」と予想外だったのは、8月下旬、例年ならまだ乾季で青空が広がっているはずなのに…、空一面は厚い雲に覆われていました。数日前から雨が降り出したとのこと。砂漠の砂嵐に引き続き、変な天気に意表を突かれますが、しばらくすると、雲間から顔を出したアンデスの峰々が見えてきました。昨日までの荒涼とした砂漠の大地とは一転した風景に皆さんびっくりされた様子でした。




nanbei_tenjo011 空中都市マチュピチュ遺跡
翌朝、聖なる谷のオリャンタイタンボ駅から、列車に乗ってマチュピチュへ。標高は少しずつ下がり、列車は亜熱帯の森に入っていきます。乾燥した大地から、鬱蒼と茂る森林地帯へ、車窓の景色が移り変わっていきます。終着駅に到着後、バスに乗り換え、いざマチュピチュ遺跡へ。青空のマチュピチュを想像されていた方も多かったと思いますが、今回は小雨がパラつく中でマチュピチュ遺跡を見学。マチュピチュ遺跡の全貌が見渡せる見晴台で遺跡の説明をしていると、すっぽりと霧に包まれていた遺跡が、徐々に姿を現し、なんとも幻想的な光景が目の前に現れました。

展望列車(ビスタドーム)でマチュピチュへ向かいます
展望列車(ビスタドーム)でマチュピチュへ向かいます
霧に包まれたマチュピチュ遺跡霧に包まれたマチュピチュ遺跡


徐々に霧が晴れ、表情を変えるマチュピチュ
徐々に霧が晴れ、表情を変えるマチュピチュ
一巡りした頃にはすっかり雨も上がりました一巡りした頃にはすっかり雨も上がりました



快晴のマチュピチュ遺跡も素晴らしいのですが、霧に包まれた遺跡はまさに空中都市といった雰囲気です。雨天のマチュピチュは、湿り気を帯びた石の建造物の重厚感が増し、より神秘的な雰囲気に包まれるようです。一方、青空の下のマチュピチュは、空気が澄み、天空(神々が住まう世界“ハナンパチャ”)と山々(インカの人々は“アプ”と呼び崇めた)の存在がより近くに感じられ、インカの人々がこの地を聖地に選んだ理由がなんとなくわかるような気さえしてきます。天候ごとにいろいろな表情を見せてくれるのがマチュピチュ遺跡の魅力でもあります。



nanbei_tenjo011 ペルー在住経験者がみせるペルーの魅力とは? nanbei_tenjo011


nanbei_tenjo011 砂漠からアンデスへ 多様な自然とインカのルーツを辿る
ペルーの面白さ、それは一国の中に、アンデスの峰々が連なる山岳地帯、海岸地帯であり雨が降らない砂漠地帯、アマゾンジャングル地帯といった、多様な自然環境が存在すること。そして、その壮大な自然と対峙し暮らしてきた古代からの人々が、悠久の時を経て築きあげた「アンデス文明」の歴史にあると思うのです。ペルーといえば「インカ帝国」が有名ですが、インカが繁栄した時代は、紀元前から始まるアンデス文明の歴史の中では一瞬の出来事です。地上絵を描いた「ナスカ文化」は、インカより10世紀以上も前に砂漠のオアシスで繁栄しました。ナスカ文化や砂漠で栄えた文化から「インカのルーツ」を探っていくと、「ものがたり」が見えてきます。ただ有名な観光地を訪れる「点」の旅ではなく「線」でつなぐ旅というのも、今回のツアーのテーマでした。

nanbei_tenjo011 今に受け継がれるアンデスの伝統文化
いにしえから受け継がれるアンデスの伝統文化はクスコ周辺の山岳地帯に今も息づいています。特に、都市部から離れたアンデスの田舎に色濃く残り、言葉(インカ時代の言語 ケチュア語)と共に文化や知恵が伝承されています。そんなアンデスの文化に触れていただく体験要素もツアーに組み入れました。

まずは、祈祷師による儀式(セレモニー)の体験です。日本と季節が反対のペルーでは、8月は冬、そして農閑期の季節にあたります。アンデスの厳しい自然と共に暮らす田舎の人々は、農作物は自然の神々からの恵みと考え、種植え前の8月に一年の豊作を祈願し、祈祷師を通して大地の神(パチャママ)へ儀式を行います。皆さんにも昔から続くアンデスの習慣を体験してもらいました。

山奥のケロ村から来てくれた祈祷師
山奥のケロ村から来てくれた祈祷師
厳かな雰囲気の中、祈祷師の祈りのことば(ケチュア語)が響く厳かな雰囲気の中、祈祷師の
祈りのことば(ケチュア語)が響く


また、聖なる谷ではアマル村という山間部の小さな村を訪ねました。アマル村は織物が有名で、今でも伝統的手法による草木染や手織物が伝承されています。この村では、村人が一丸となって観光に携わり(ヴィレッジ・ツーリズム)、派手な観光アトラクションで人を呼ぶのではなく、受け継がれる伝統文化を伝えることでゲストを迎えています。

村に到着したら、まずは伝統衣装に着替えて…、写真撮影だけでは終わりません!衣装を着たまま薬草を探しに畑へ繰り出したり、村人から染色や織物作りを教わったり、皆さん「アンデスの民」になりきりました。

  • アンデスの山間にあるアマル村
  • 村人に伝統衣装を着せてもらいます
  • 衣装を着て畑へ繰り出します
  • 薬草や染色の材料を採取
  • コカの葉を捧げて大地の神へ祈ります
  • 羊の毛刈りを体験!
  • 毛糸を紡ぐ 簡単そうに見えて結構難しいんです
  • 器用に織る村人の手さばきに関心





nanbei_tenjo011 美味!ペルーの豊かな食文化
最近、世界の一流シェフからも注目されているペルー料理。ツアー参加者の皆さんからも「こんなに美味しいとは思わなかった」「日本人の口に合いますね」という声が飛び交いました。ペルー料理は、古代からアンデスに受け継がれてきた食文化に移民が持ち込んだ様々な大陸の食文化が織り交ざり、更に、海、山、ジャングルと地域によって異なる様々な食材を利用しているので、とてもバラエティーに富んでいます。

「豊かな食文化を味わってもらう」も、今回の旅のテーマでしたので、皆さんにもお勧めのペルー料理を楽しんでいただきました。旅の前半は海岸地方でシーフード料理を堪能していただきます。

絶品のシーフード料理
絶品のシーフード料理
ムール貝の前菜
ムール貝の前菜
好評!ホタテのチーズのせ
好評!ホタテのチーズのせ


乾燥ジャガイモを使ったとろーりスープ
乾燥ジャガイモを使ったとろーりスープ
キヌアチャーハンとステーキ
キヌアチャーハンとステーキ
ジャガイモの素朴な味が楽しめる「アンデス風焼き芋(ワティア)」
ジャガイモの素朴な味が楽しめる
「アンデス風焼き芋(ワティア)」
アマル村のお母さんたちの手作り料理美味しかった~
アマル村のお母さんたちの
手作り料理美味しかった~
多種のじゃがいもをチーズや唐辛子ソースと一緒に味わいます
多種のじゃがいもをチーズや
唐辛子ソースと一緒に味わいます
市場を訪れペルーの食文化に触れる
市場を訪れペルーの食文化に触れる

色とりどりの唐辛子はペルー料理に欠かせません
色とりどりの唐辛子は
ペルー料理に欠かせません

アンデスでは、栄養価が高く宇宙食としても利用されている雑穀の「キヌア」や、原産国ならではの多種のじゃがいも、紫とうもろこしのジュースなど、日本では見られないような食材の料理が並びます。

観光用のレストランではなく、地元のペルー人に人気のレストランを訪れたり、アマル村では素朴なアンデスの伝統食をご用意したり、「これぞペルー料理」といった食事を楽しんで頂きました。


*  *  *

マチュピチュ遺跡が有名になったことで、すっかり人気の観光地となったペルー。ですが、テレビでよく見る「マチュピチュ遺跡」の景色を確かめに行くだけの旅では、見えてこないものがあります。その背景にある壮大なる大自然、そしてその自然の中で人々が築き上げてきた歴史に触れることで、本当の奥深いペルーの魅力を味わうことができると私は思っています。今回のツアーでは、在住経験のある添乗員がその魅力に触れるきっかけをコーディネートいたしましたが、特別企画以外の「1組限定・ふたりだけの旅(毎日出発が可能)」では、現地の日本語ガイドが、味わい深いペルーの魅力に触れる旅へご案内しています。地球の裏側に位置するペルー、なかなか気軽に行けない旅先ではありますが、皆さんにもいつかその魅力に触れて頂きたいと思っております。

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