添乗報告記

添乗報告記●踊って体感!シルクロードの魅力

 
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ドラーン・ムカムの演奏と踊り

コース:踊るシルクロード6日間
2010年9月9日~9月14日 文●中台雅子(東京本社)

ウイグル音楽研究者:鷲尾惟子さんとの出会いから生まれた、全く新しい切り口のシルクロード特別企画ツアー。シルクロードといえば、遺跡や歴史的名所を訪れるツアーが主流ですが、「音楽と踊り」を通してシルクロードを覗いてみたら・・・人々の暮らしや文化をもっと身近に感じられます。 でも、ただ踊りや音楽を鑑賞するのでは物足りません。今回、ツアーに同行して下さった鷲尾さんは、ウイグル自治区に何度も足を運ばれ、カシュガルを「第二の故郷」と呼びます。そんな、鷲尾さん同行のツアーだから、人々との触れあいが随所にある、盛りだくさんのウイグル6日間となりました。

エイティガール・モスク ローズ祭の大礼拝

1日目、羽田空港を出発しカシュガルに到着したのは夜。翌朝ホテルを出発し初めて「とうとうシルクロードの地へ到着したんだ!」と実感が沸いてきます。そして、この日は、ウイグル人にとって一年のうちでとても重要な日、イスラム教のラマダン(断食)明けのお祭り「ローズ祭」にあたり、各地のイスラム教徒たちが一斉にカシュガルのエイティガール・モスクに集ります。

私達も朝の礼拝の時間にあわせ、エイティガール寺院へ向かいました。周りを見渡すと、片手にお祈り用の絨毯を持ったウイグル人たちが急ぎ足で歩いていきます。寺院に到着した頃には、寺院前の広場だけでなく周りの道路も人・人・人!で埋め尽くされていました。厳かな空気の中、エイティガール・モスクから流れるアザーン(礼拝への呼びかけ)の声は、寺院周辺に響きわたり、その場を共有している人々を一体化するようです。私もお客様も、礼拝の人々の邪魔にならないように道路の端からそっと様子を眺め、その厳粛な雰囲気に浸っていました。

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エイティガール・モスク
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ラマダン明け 大勢の人が礼拝にやってくる

30分ほどの礼拝が終わると、ウイグル人の顔は先ほどの緊張した表情から一変。皆ホッとした朗らかな顔つきで友人・家族と歓談しながら寺院から出てきます。寺院の周辺には、カワープ(シシカバブ)やウイグル風餃子など屋台が並び出し、賑わいます。
年に一度ラマダン明けにしか見られない、エイティガール寺院の大礼拝に感動し、踊るシルクロードツアーはスタートしました。


踊って 笑って 繋がる心

今回のツアーの感想は、「とにかく踊った」に尽きます! ツアーに参加した方々はそれぞれ、音楽や踊り、シルクロード好き。鷲尾さんが口火を切って踊りだすと、皆さん、自然に踊りに参加。ウイグル人と日本人が踊りと音楽で繋がり一つの輪になります。

ローズ祭の日、民家を訪れウイグル料理を頂くという予定だけだったのですが…、急遽、鷲尾さんのサプライズ企画で、鷲尾さん友人のウイグル音楽演奏家を民家に呼んでくれました!演奏にやってきてくれたウイグル人二人はプロの弦楽器奏者。彼らが奏でる音色は本当に見事。「ラワープ」という三味線のような音色と、たった二弦で多様な渋みのある音を出す「ドタール」、二つの弦楽器を演奏してくれました。力いっぱい、汗をかきながら全身全霊で演奏してくれた二人に私達も心動かされ、鷲尾さんが踊りだすと、見ているだけじゃもったいないと言わんばかりに、皆で踊りに参加!初日の夜から大いに盛り上がりました。

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ウイグル弦楽器奏者たち
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職人街の楽器屋に並ぶウイグル弦楽器

演奏者の一人は、翌日、私達のホテルに現れ、「いつも演奏すると、お客さんはただ聞いているだけ。こんなにノリ良く踊ってくれるなんて!昨夜は私達も皆さんと一緒になって楽しみました。ありがとう」とメッセージを伝えにわざわざホテルまでやって来てくれたのです。言葉ではなく、音楽と踊りで一緒の時間を共有し心通わせる、そんな貴重な時間を過ごした一夜でした。


ウイグル音楽の水先案内人

「ウイグルの踊りってどうやって踊るの?」日本ではなかなか馴染みがないので、少し戸惑ってしまうかもしれませんが、大丈夫です!現地の人と実践の踊りに入る前に、鷲尾さんが音楽と踊りについて教えてくれます。大学の博士課程でウイグル音楽の研究をされている鷲尾さん。ウイグル音楽についてなら何でもござれ!と精通されていますが、旅行中、私たちにわかり易く音楽と踊りについて解説してくれました。

カシュガルから車で約5時間移動し訪れたメルケト村は、ウイグル文化が色濃く残る南新疆の村。ここは、ウイグル古典音楽のムカムの中でも独特の節回しとリズムが特徴の「ドラーン・ムカム」が盛んで、村人の奏でる生の音楽を聴きに行こうと訪れました。また、この村では冬の農閑期に村人たちが描く、豊かな色彩と素朴なタッチの「農民画」も有名です。

農民画を見に展示場に着くと、ラマダン明けのお祭りのため、展示部屋の鍵を管理している人が見つからない、と突然のハプニング。展示部屋の前には、メルケトの村人が描いた見事な「ドラーンのマシュラップ(メルケト地方の“ドラーン”音楽と踊りの村人の集い)」の絵が掲げられていました。躍動感あふれる絵の前で、待ち時間も有効活用。絵に描かれているドラーンの踊りを、鷲尾さんと一緒に踊りの実践です。

メルケトの公園を訪れると、ドラーン・ムカム歌舞団の銅像を発見!そして、ここでも、銅像をパートナーに、鷲尾さんが踊りの女型と男型の基礎をご披露してくれました。

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マシュラップの農民画
(クリックで拡大)
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公園でウイグルダンスのレクチャー

そして、その日の夜、実際に農民が奏でるドラーン・ムカム音楽を鑑賞しました。ダップ(ウイグルの太鼓)のビートに合わせたドラーンの生演奏と歌を聞いて、その迫力に皆さん大興奮。素晴らしい音楽があれば、もちろん踊ります!農民画を前に、銅像を前に練習した成果があり、皆さん、とても上手に音楽に乗って踊りを楽しんでいらっしゃいました。

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ドラーン・ムカムの生演奏
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ダップを演奏したくてしょうがない男の子


撮影:武井 敦子様


音楽と踊りを通してウイグル人と触れ合う

メルケトを発ち、ヤルカンドの町に立ち寄ると、ちょうどまさに始まろうとしていた地元のマシュラップ(ウイグル音楽と踊りの集い)に遭遇!実は、もしかしたら日曜日なのでマシュラップが開かれるかもという情報を聞いていましたが、場所や時間はわからなかったので、少しでも見ることができればラッキーと考えていたのですが、大勢の村人が集まりちょうど始まろうとしていたマシュラップだったのです。

ツアー4日目になり、すっかり踊りも板についてきた皆さん、積極的に村人の踊りの輪に入っていきました。言葉が通じなくても、アイコンタクトと笑顔で通じ合えるのです。踊った後の「あ~、楽しかった!」という皆さんの清清しい笑顔がとても印象的でした。音楽と踊りを通してウイグル人たちとのふれあった6日間。遺跡や観光名所を訪れるだけでは感じられない、シルクロードの魅力をたっぷり体感したツアーとなりました。

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ヤルカンドのマシュラップ
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自分流に楽しく踊ろう♪