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風のツアーや講座に欠かせない各方面の専門家や各地に精通
した達人の皆さんに自分のフィールドの魅力を語っていただく連載の第12弾。
今回は、年末年始に催行した風カルチャークラブのコスタリカツアーに講師として同行、日本国内でも自然の楽しさ不思議さを伝えるべく、週末には各地で観察会を催している藤本和典さんに軍隊を持たず、自然保護と教育に力をいれるコスタリカの魅力について語っていただきます。
憧れの熱帯雨林
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| 写真中央が藤本先生 |
子供の頃から、ジャングルにあこがれいつか行きたいと思いつづけていたのですが、コスタリカにはまってしまったのはそのせいでしょうか、なんと20回も行ってしまったのです。戦争を放棄して軍隊を持たない、永世非武装中立を世界で最初に実現した国でもあります。1502年にコロンブスが発見、そのためお金はコロンと単位
にまで使われて、コロンブスはとても敬愛されています。
コスタリカ自然観察のポイントは、自然保護区・国立公園は人数制限があり、場合によってはガイドが付いていかないと入場が出来ないことにあります。私はいつも同じガイドに全行程お願いしています、ガイドによっては、欧米人向きで日本人には合わないガイドもいましたが、現地の方は大部分が日本に親近感を持っていて、スペイン系白人の国ですが、ラテン系よりシャイで日本人気質に近い人が多いです。
ベストシーズンは、乾期の12〜4月頃までですが、雨期もそれほどの雨量ではなく昆虫やウミガメの産卵など多様に楽しめます。
平和と自然保護の国コスタリカ
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| 故・手塚治虫氏の「火の鳥」のモデルと言われているケツァール |
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| ヤドクガエルが足に! |
最近は、テレビ番組などでも紹介される機会も多くなりましたが、まだまだ正確なコスタリカの位
置は知られていないのではないでしょうか。私も友人のすすめで初めての訪問は、まず地図で確かめてからの出発でした。周囲の国を考えると平和国で民主主義を続けてきたのが奇跡のように思えますが、コミュニケーションが大切と教育と社会の仕組みが子供の頃より自然に学ぶ環境にあるのがとてもうらやましいかぎりでした。かつて発展途上国であった日本が、すこし前に途上国になった国から教えられることが多くて、自然好きでジャングルの生物をもとめに行くと、いつもなんて平和なんだろうと、日本いや世界の現状を見ると“コスタリカに学べ”と言いたくなります。
この国は、資源もなくコーヒーとバナナが主な産業でしたが、最近はコンピューター部品メーカーのインテルが進出してきて、平和国家と民主主義の維持にいたく感動して、税金をコスタリカに入れたのです。このインテルの関連資金が多く入ったため、外貨獲得高はエコツーリズムによる観光やバナナ・コーヒーによる金額を越えて、インテル資金が一番になったのです。
現在まで20カ国近くの国々で、特に自然豊かな環境を持ち生物の多い、そして宿泊や衛生面
さらに安全を考えて、自費で下見をした後、結果を見てからツアーを実施してきました。そのため、現地訪問が一回ではすまない国もありますが、コスタリカはそういうことからも一番の国と評価しています。
コスタリカの方にお聞きしたのですが、政府観光省がなんとか日本からのお客様を増やしたいと、大手旅行会社の役員クラスを何人か招待したそうです。自然保護区や国立公園などを巡る視察です。首都のサンホセに帰ってきて彼らは、「なんだサファリは出来ないのか!」と一言。予算をやりくりしてのこの試みは実を結ばなかったとのことで、とてもがっかりしていました。後に、日本に国連を通
してやってきた担当の方には、マスでの観光より少人数滞在型の自然解説をともなった現地ガイドでツアーを受入れてほしい、そのための日本語がわかるガイドの養成が必要とお願いしました。
それとともに、コスタリカではホームステイさせながらの、短期留学でスペイン語を習得するツアーも日本から出ているので、ぜひコスタリカ政府主導で自然解説ガイド養成の日本人向け専門学校の設立をお願いしたのですが、いつかスタートできることを願っています。
国土の25パーセント以上が保全地域といわれていますが、実際現地に行ってみると、私設の保護区が各所にあり、小規模ながらホテルやレストランの敷地がそのままサンクチュアリ*
で、庭を散歩しての自然観察で何十種類の美しい蝶や鳥に出会えてしまいます。もちろんゾウやキリンはいませんが、世界で一番美しいといわれるモルフォ蝶が目の前を飛んでいたり、ホエザルの声に驚かされたりと、牧場をそのまま熱帯雨林に作り変えて、開発・伐採と正反対に保護し植林して、訪れる自然好きの人々からの収入で生活しているのです。
エコツーリズム発祥の地として、ほぼ毎年2回、かれこれ16年近くに渡り訪問するなか、少しずつホテルの数が増えたりと変化していますが、いつまでも世界の自然好きが一生に一度は行きたい国と言われて、行ってくれる。そんな国であってほしいと願っています。
*編注)サンクチュアリ:聖域、神聖な場所。人の立ち入りを制限し、野生動物や自然生態系が守られている場所を指すのにも使われる。
※風・通信No26(2006年春号)より転載
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