添乗報告記

添乗報告記●モロッコ サハラ砂漠の学校で子どもたちの教育支援を行う活動10日間(2012年8月)

 

2012年8月26日(日)〜9月4日(火) 文●竹嶋 友

今春立ち上げた、KAZEの新ブランド「学生スタディーツアー」(略称・学スタ)の新企画コース「モロッコ サハラ砂漠の学校で子どもたちの教育支援を行う活動」の報告です。サハラ砂漠で暮らすベルベル人の小さな村ハミリア(KHAMLIA)。その村の学校からの要請を受け、村の子どもたちに教育支援(日本語の授業)を行い、村人との交流をしてきました。
気温40℃を超える、8月の灼熱のサハラでの活動はどんな様子だったのか、ぜひご覧下さい!


DAY1 まずは、飛行機でドバイへ!


期待と不安を胸に、成田空港に全員集合。事前説明会で顔を会わせた人もいるので、集合時点で和気藹々とした雰囲気です。これから10日間を同じ目的を持って共に過ごしていく仲間。「何があっても我々はチーム。一心同体ですから、安心して下さい!」

いよいよ乗継地ドバイへ向け出発。しばし日本とお別れです
いよいよ乗継地ドバイへ向け出発。しばし日本とお別れです
ドバイ→カサブランカへの機内は、雰囲気が急にアラブな感じに
ドバイ→カサブランカへの機内は、雰囲気が急にアラブな感じに



成田→ドバイへは搭乗約11時間、乗り継いでドバイ→カサブランカ(モロッコ)までは約8時間半のフライト。アフリカ北西部にある目的地のモロッコまでは、丸一日がかりの遠い道のりです。乗継地ドバイの待ち時間には、搭乗口付近で車座で座り、全員でこれからの日程の流れを確認し、準備すべきものや準備できるものを話し合いました。うん、いいチームになりそうです。


DAY2 飛行機を乗継ぎ、ようやくモロッコ到着


モロッコの玄関口カザブランカに到着。ガイド・ラシッドの出迎えを受け、車に乗り込みサハラ砂漠に行く途中の経由地、フェズへ向かいます。約4時間の陸路移動では、途中喫茶店でのミントティータイムをはさみつつ、車内でのラシッドのイスラム文化のレクチャーを聞きつつ、車窓に流れるモロッコのダイナミックな景色を「おおー、スゲー!」と楽しみつつ、早くもこれからの旅への期待に胸が高鳴ります。

やっと着いた~。まずはモロッコの定番ミントティーの淹れ方をマスターしましょう
やっと着いた~。まずはモロッコの定番ミントティーの淹れ方をマスターしましょう
フェズのホテル到着後は早速活動の準備。持ってきたものみんな出せして、うーむ、何ができるかアイディアを出し合う
フェズのホテル到着後は早速活動の準備。持ってきたものみんな出して、うーむ、何ができるかアイディアを出し合う



フェズ到着後には、部屋に集まり全員が持ってきた道具や食料品をベッドに並べ、「これとこれがあるなら、何ができる」とか「日本語を教えるなら、劇みたいにする? それとも教材っぽいものつくろうか」など、2日後の教育支援活動に向け色んなアイディアが出てきます。


DAY3 フェズの旧市街からいざ、サハラ砂漠へ!


サハラ砂漠への経由地といえど、フェズはいわずと知れた世界遺産の旧市街を擁する魅力的な街。朝の清々しい空気の中、フェズの旧市街を散策します。迷路のような細い路地に、お店や人や動物が溢れ、様々な香りに包まれる空気に、ついつい時間を忘れて「ちょっと、私あっちの店に…」となってしまう事も。そこは一心同体の我がチーム。「んじゃ、私も…、俺も」となってしまうのですが、添乗員の「砂漠行けなくなるよ(苦笑)」という目線を察してくれる、なんともチームワークの良い一行なのでした。

朝食後に世界遺産フェズの旧市街を散策。
おっと、路地はロバも通行します
朝食後に世界遺産フェズの旧市街を散策。
おっと、路地はロバも通行します
旧市街の路地や建物内には猫がたくさんいます
旧市街の路地や建物内には猫がたくさんいます


砂漠の砂に備えてMYターバンを買いました
砂漠の砂に備えてMYターバンを買いました
部屋に集まって明日使う手作り教材の最終仕上げ
部屋に集まって明日使う手作り教材の最終仕上げ



旧市街を一通り歩き回った後は、今夜から必要であろうターバンを調達に、織物工房へ。色とりどりの織物がズラッと並び、女性はついつい「ああ、この織物は私の部屋にぴったり♪」とわき道にそれたくなってしまいます(苦笑)。「MYターバンを買いに来た」というミッションを思い出し、全員好きな色のターバンを手に、いよいよ砂漠へ向け出発。
峠を越え、オアシスを超え、車を走らせること約9時間。空が暗くなり始めた頃、サハラ砂漠の中にあるロッジに到着。明日からいよいよ学校での活動が始まります。


DAY4 活動地・ハミリア村にてご対面、教育支援活動開始


さあ、今日はいよいよ活動の日です。全員でがんばって準備した教材や授業プログラムに、学校の子どもたちがどんな反応を見せるか楽しみです。全員、緊張からくるものなのか朝からテンションが高く、少しソワソワしている感じも見受けられました。宿舎のロッジから車で約40分、ハミリア村に到着。村人の出迎えを受け、ベルベル人のソウルミュージック「ギナワ」で歓迎して下さいました。

砂漠と朝日をバックに深呼吸砂漠と朝日をバックに深呼吸
ハミリア村に入村! 民族音楽ギナワで歓迎して下さいましたハミリア村に入村! 民族音楽ギナワで歓迎して下さいました


畑など村のすみずみを案内してくれました畑など村のすみずみを案内してくれました
45℃近くまで上がる昼間は休憩の為の時間45℃近くまで上がる昼間は休憩の為の時間



歓迎のギナワ演奏の後は、支援学校ハミリアの先生のお一人が村の案内をしてくれました。先生から差し出されたナツメヤシの実にみんな最初は「え? このまま食べるの?」と戸惑っている感じでしたが、食べた後は予想以上のおいしさに感動する一幕も。
真夏のモロッコで特にこの場所サハラ砂漠は、最高気温が40℃を軽く超える日が多く、昼間に活動するのは我々も子どもたちも避けたほうがよいということもあり、日差しを避け体を休めます。一旦宿舎のロッジ戻ると、涼しげなプールが我々を誘うかのようにキラキラと煌めき…となると、飛び込まないわけがありません。
ザッパーーーン!!

涼しくなった夕方から、再び車でカムリア村の学校へ。いよいよ教室で子どもたちとご対面! アラビア語を交えた自己紹介の後は、手作りの「50音表」を使って日本語の授業を開始。練習の成果もあり、「発音の練習」や「自分の名前を日本語で書いてみよう」などを教える姿は、まるで本物の新任の先生のよう。初めて「見て」「書いて」の日本語に、学校の子どもたちはとても興味を持ってくれたようで、楽しそうに且つ積極的に授業に参加してくれました。明日の授業までに、ちゃんと宿題やってきてね!

いよいよ活動地の学校へ。手作り50音表が活躍!いよいよ活動地の学校へ。手作り50音表が活躍!
はじめてのひらがな、上手に書けてましたはじめてのひらがな、上手に書けてました


今夜泊まる村のテントで楽器を教えてもらう今夜泊まる村のテントで楽器を教えてもらう
星空のもとで眠る幸せ星空のもとで眠る幸せ



その日宿泊する砂漠の中のハミリア村のベルベル式のテントは、程よい疲労感と初めての日本語授業を終えた充実感で包まれていました。学校の先生や、歓迎式でギナワを演奏してくれた村人たちが我々のテントまで来てくれ、夕食の準備をしてくれています。近所の女性たちが、かまどを使った「ベルベル式パンの焼き方」を見せてくれ、さらに暗闇の中でギナワの演奏会が始まり、みんなを巻き込んでのダンスが始まり、その後、伝統楽器も触らせてくれました。とても楽しい時間であったの同時に、村の人々が全員で我々を迎えてくれる安心感と安らぎに包まれる夜でした。昼間の暑さが嘘のような、夜の心地よく涼しい砂漠で、男性陣はテントの中には入らずに、星空のもとで眠りに落ちるのでした。。。


DAY5 活動2日目&日本食文化を体験


朝食は村の集会場というか広場の座敷で頂きました。午前中の涼しい時間に、子どもたちが待つ学校へ。子どもたちは2日目にもなると我々に慣れ、すぐに親しげに寄ってきてくれます。
「昨日の宿題はやりましたかー?」
昨夜の授業で出した「家に帰ってから家族の名前も紙にひらがなで書いてくる」という宿題をほぼ全員の子がやってきてくれていました。答え合わせの後、今日の授業「数字の読み方」を行いました。子どもたちは100(ヒャク)が300になると(ビャク)になる、というのが少し難しかったようでした。

村の広場の一角で朝食村の広場の一角で朝食
昨日の宿題やったかなー?昨日の宿題やったかなー?


家の土壁ってこうやって塗るんかぁ家の土壁ってこうやって塗るんかぁ
校長先生のお宅でおいしい昼食をご馳走になりました校長先生のお宅でおいしい昼食をご馳走になりました



無事2回目の授業を終えたあと、昼食は校長先生の自宅でいただける事になりました。家の中に入ると、料理をしているお母さんや、家の修理(壁塗り)をしている男性、居間で寝転がっているおじさんなど、一般家庭の暮らしが垣間見え、当たり前の光景なのかもしれませんが、とてもおもしろいですね。校長先生家族全員とおいしいタジンやパン、ミントティなどをたくさん頂き、ん~もうおなかいっぱい。ご馳走さまでした!

学校で行う最後の授業は、これまた子どもたちは経験がない「日本の食文化」の授業。日本から持ち込んだ食材に現地調達の野菜などを合わせて、「野菜かき揚げ天ぷらそば」・「みそ汁」を作ることにしました。校長先生のお宅の台所を借りて早速調理にかかります。女性陣を中心に男性陣は揚げ物や海苔を刻むなど、チームワークを発揮してなれない台所でも手際よくつくることができました。出来上がった料理を持って学校へ行くと、子どもたちは見たことがない料理に興味津々。料理の説明や箸の使い方を説明した後、先生や村人も含めみんなで食べました。
子どもたちや学校の反応は…? それはご想像にお任せします(笑)。

日本のようには行かないけど、成せばなる!日本のようには行かないけど、成せばなる!
箸もそばも初めて!箸もそばも初めて!


校庭で遊ぼうぜー!校庭で遊ぼうぜー!
お世話になったアズィズ先生とお世話になったアズィズ先生と


いよいよ、お別れのとき。皆さんは子どもたちと校庭で楽しそうに遊んでいるので、なかなか私も「そろそろ行くよー」と切り出せない気持ちになりました。そして、校庭で行われた「お別れ会」では、先生自ら即興で作詞・作曲された「ありがとうの歌」を、子どもたちや先生全員で輪になって手をつなぎ、歌ってくれました。
私たちからはチームリーダーを務めてくれた男性から感謝の言葉と、私たち全員から授業で使った手作り「50音表」や、竹とんぼ、紙風船、折り紙など日本から持ってきた伝統的な遊び道具を送りました。
また、この場所でみんなと会えますように・・・。


DAY6 サハラ砂漠よさらば! カスバ街道をひた走る


砂丘から見る朝陽は言葉で表現できない美しさ砂丘から見る朝陽は言葉で表現できない美しさ
街は、ナトリウムライトの優しい光で迎えてくれました街は、ナトリウムライトの優しい光で迎えてくれました



この日は早朝から気合の早起きです。理由は、そうラクダに乗って砂丘を上り、朝陽を見たいから!
というわけで、眠い身体を奮い立たせ06:00前に集合し、ラクダに揺られ、日の出が見やすい大きな砂丘の頂上へ。そこから見た景色は、もう言葉で表現するのも野暮なくらい美しいものでした。
思い出深きサハラ砂漠を後にし、車でワルザザードを目指します。途中、断崖に囲まれたドドラ渓谷を訪れ、ミントティーと川遊びでしばしの休憩。
夜、ワルザザード到着後、ホテル近くにある眺めの良いレストランへ。このレストランはウサギとラクダの肉を使った伝統料理タジンが名物で「今日ラクダ乗ったばかりなのにー」と言いつつも、ありがたく、おいしいお肉を頂く一行でした。


DAY7 喧騒の街マラケシュに到着


この日はマラケシュまで一気に車移動をする日ですが、途中に寄るべき場所があります。アトラス山脈の麓にあり、「アラビアのロレンス」をはじめ、数々の映画の舞台となった世界遺産アイト・ベン・ハドゥです。かつての要塞としての名残りを確かめながら、自分の足で、時にはラバの力も借りて上り、頂上の見張り台からの眺めを満喫しました。

数々の映画の舞台になった世界遺産アイト・ベン・ハッドゥ数々の映画の舞台になった世界遺産アイト・ベン・ハッドゥ
馬…じゃなくて、ロバ…でもなくて、ラバに乗る!馬…じゃなくて、ロバ…でもなくて、ラバに乗る!



アイト・ベン・ハッドゥを後にし、マラケシュへの道のりはアトラス山脈を越える車で約4時間の道のりです。
マラケシュ到着後、新市街で食料品(自分たち食べる用&お土産用)などの買出しを済ませ、今晩の夕食フナ広場の屋台へ。夜のフナ広場は相変わらずの活気溢れる場所で、我々もハリラ(トマトベースのスープ)や魚のフライ、ブロシェット(肉の串焼き)などをたいらげました。おいしかった~。
夕食後は旧市街を馬車で散策。女性陣はお姫様気分、前に乗った男性陣は王子様気分を味わおうと思っていましたが、馬車をあやつるおじさんのきわめて冗談好きな性格により、紳士淑女をもくろんでいた私たちの計画は崩れ去り、笑い声溢れる騒がしいファンキー男女一団へと変わるのでした。
この日からの宿泊は、人々の暮らしの息吹を感じやすい旧市街の中のリアド。マラケシュではゆっくり2連泊です。

人の声や楽器の音や車のクラクションや色々な音が混ざりあう夜のフナ広場。人を吸い込むような魅力がある場所です人の声や楽器の音や車のクラクションや色々な音が混ざりあう夜のフナ広場。人を吸い込むような魅力がある場所です
さて、屋台でメシ食おうか。14番で食べる?さて、屋台でメシ食おうか。14番で食べる?


新市街のスーパーで買出し新市街のスーパーで買出し
何だかみんなモロッコにすっかり慣れてリラックス何だかみんなモロッコにすっかり慣れてリラックス



DAY8 マラケシュ滞在 思い思いに旧市街散策


この日は、待ち遠しかった丸一日マラケシュ観光の日。みなさん、両替も済ませ雑貨購入へ向けて臨戦体制です(笑)。
午前中は、迷路のような旧市街の土地勘をつかむためにガイドと一緒に歩き、午後は自由行動。革製品、ジュラバ(伝統衣装)、ランプシェード、陶器、アルガンオイル、バラ製品などのお店巡りや女性陣はハンマム(モロッコ式サウナ風呂)で疲れた体を癒すなど、思い思いの時間(主に買い物)を過ごしました。※集合場所のリアドで待つ男性陣の前に、リアドに戻ってきた女性陣の両手には大きな買い物袋がぶらさがっていたことは言うまでもありません(笑)

アラビア文字で自分の名前を書いてもらうアラビア文字で自分の名前を書いてもらう
靴屋さん、前に来ちゃ私が写らないよ(苦笑)靴屋さん、前に来ちゃ私が写らないよ(苦笑)


何杯飲んだだろう、美味しいオレンジジュース何杯飲んだだろう、美味しいオレンジジュース
旅で感じたことを語り合う夜旅で感じたことを語り合う夜



モロッコ滞在最後の夜は、夕食を食べながら今回の旅の感想や思い出を全員で語らいました。今回モロッコを初めて訪れたみなさんの感想の中で、やはり一番印象に残ったのはサハラ砂漠ハミリア村での活動だったようです。「砂漠に帰りたい!」そんな声もあがるほどでした。いよいよ明日モロッコを発ちます。


DAY9 名残惜しいけど…モロッコを出発 → DAY10 帰国。仲間との別れ


また、いつか会えるといいね。(サザエさんのタラちゃんのようなしゃべり方が特徴のガイド・ラシッド)また、いつか会えるといいね。(サザエさんのタラちゃんのようなしゃべり方が特徴のガイド・ラシッド)

いよいよ出発の日。空港へ向かう車内では、「1人1つのおもしろ話大会」なるものが開催され、それぞれとっておきのネタを披露し合いながら楽しい時間を過ごしました。8日間私たちのお世話をしてくれたガイドのラシッドとは空港でお別れです。女性の1人からは「何だかまた会える気がする」とおっしゃっていました。一人ひとり抱擁をして別れを告げます。私たちが見えなくなるまで手を振っていたラシッドの笑顔が印象的でした。



旅を終えて…


今夏、風の学スタに初めて登場した「モロッコ」の新企画コース。他コース「ペルー」、「モンゴル」、「ネパール」、「国内」などと同様に、人を成長させる“出会い”や、表面上のことをさらっと見るだけではなく現地の人々と共に過ごす時間を大切に考え、企画しました。風の学スタの旅は、観光目的ではなく、同じ目的(活動や作業など)を持つ仲間と旅をすることの楽しさが詰まっています。今回の旅では、初企画にはつきものの、ちょっとしたハプニングもみなさんのチームワークに助けられ、かえって思い出深い出来事になり、予想以上に内容と思い出が濃い旅となりました。みなさんありがとうございました!

「旅は人を成長させる」といいますが、若い世代の方はもちろん「風の学スタ」の趣旨に賛同いただいた社会人の方にも参加いただいています。観光とは一味違った自分を成長させる旅、ぜひご自身で確かめてみて下さい。

活動地・支援学校ハミリア(KHAMLIA)の子どもや先生たちと。シャッターを切ろうとすると、全員ふざけあってなかなか揃わず、何回もシャッターを切ることになりました(笑)活動地・支援学校ハミリア(KHAMLIA)の子どもや先生たちと。
シャッターを切ろうとすると、全員ふざけあってなかなか揃わず、何回もシャッターを切ることになりました(笑)