添乗報告記●「トルコ石の湖」ヤムドク湖も訪れる 青蔵鉄道で行く 遙かなる聖都ラサ7日間(2019年4月)

添乗ツアー名 ●「トルコ石の湖」ヤムドク湖も訪れる 青蔵鉄道で行く 遙かなる聖都ラサ7日間
2019年4月28日(日)~5月4日(土) 
文・写真 ● 川崎洋一(大阪支店)

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風の旅行社でも人気のコース。チベット高原を縦断する「青蔵鉄道」でチベットの中心地ラサに入り、ラサの見所をめぐったあと飛行機でヒマラヤの東端を見下して成都に飛び、1泊後、日本に戻る7日間です。今回は「いつもは一人旅が多いんです」というお客様も多く、列車移動中は、お客様同士情報交換する時間もたっぷりあるので、旅行中にいろんな旅の話しも飛び交うワールドワイドな旅になりました。

中国の新たな洗礼

改革開放路線が進む前の中国では、サービスの意識が低く、お店に行っても「売ってやる」という態度が一般的で「没有(メイヨウ)=ないの意味」というつれない言葉にカルチャーショックを受けてました。最近は、新手の洗礼が現われました。(中国に限ったことでもないのですが)辺境地域での治安対策として検問、手荷物検査や入国時の指紋登録など面倒な手続きが増えています。今回も入国手前で指紋登録の手続きに面をくらい時間を取られました。時間に余裕があればなんてこともないのですが、乗継のある旅ではドキドキします。

チベット圏の入口・西寧

西寧は、ラサなどのある「チベット自治区」とは別の「青海省」という行政区分に属してますが、ゲルク派の開祖ツォンカパやダライラマ14世の生誕の地であり、青海湖に近い峠は唐の時代、文成公主がチベットに降嫁した折り、唐に別れを告げた場所であり、歴史、文化的にはチベット文化圏に属しています。
今回は、今年もともとあった建物の隣りに新築された「チベット医薬博物館」を訪れました。

600mに及ぶ大タンカ

必見は幅600mに及ぶ大タンカ。仏画の一大巨編で、その大きさに驚かされただけでなく、前半はチベット人の誕生説話や歴代の王様の話、後半はチベット仏教の各宗派の高僧の紹介、チベットの民俗や習慣、名所旧跡などが描かれており、その日の午後訪れたツォンカパ生誕地に立てられたタール寺でのガイド解説にも役立つ、格好のテキストでもありました。
ゲルク派の聖地タール寺の八大仏塔

春のタール寺はライラックと杏の花がちょうど見ごろであいにくの曇り空でしたが、心が和みました。

タール寺に咲いていた杏の花 ライラックの花
タール寺に咲いていた杏の花

ライラックの花

青蔵鉄道でラサへ

この日の鉄道は夜20:30発。夕食時、この日誕生日を迎えたお客様を参加者全員でお祝いした後、なごやかなムードで西寧駅へ。ものものしい荷物検査を通りすぎると、田舎駅とタカをくくっていたら度肝と抜かれる立派な構内。出発時間になってプラットホームへ誘導されると、これまた広~いホーム。みなさんの歓声がコダマします!出発までの時間繰り広げられる撮影タイム。

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乗り込んだのは一等車両、4人1部屋のコンパートメント。ふとんも清潔。窓もまずまずのきれいさ。16名のお客様はあちこちに分散するも、それぞれのコンパートメントでいろいろな出会いを楽しまれてます。西寧から子連れでラサへ向かう一家。ラサ出身だったのでしょうか、まだ言葉もおぼつかない子どもも高山病に苛まれることなく元気に列車の中を動き回っています。日本や海外からのバックパッカーもいました。

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一夜明けると、列車はちょうどココシリ自然保護区を走っていました。平成最後の朝日を浴びて、右に左にチベットノロバやチベットカモシカ、ヤクなどが現われます。時間になったのでみんなで食堂車へ。車窓の雪山や野生動物を目で追いながら朝食です。但し標高は4,000m。みなさんの食欲も控えめです。しかし、メニューの1つ、ヨーグルトは、遊牧の土地柄とても美味しく、買い足して飲まれた方もいらっしゃったほど。その後も、しゃべったり、笑ったり、撮ったり、深呼吸をしたりを繰り返して、午後16:57、ラサ駅到着。ホテルまでの道中、バスの車窓からポタラ宮が見えたときは歓声があがりました。

充実のラサ観光

ラサ観光1日目は、令和元年の初日5月1日。巡礼者に混ざって、磨崖仏の描かれた巡礼地まで亀のような速さで歩きます。高所初日の行動はゆっくりゆっくり。熱心に五体投地を繰り返すチベット人たちを真似たいと思いながらまだ順応は十分ではありません。続いてダライラマ7世~14世の夏の別荘だったノルブリンカへ。ちょうどこの日は陽射しもあたたかくチベット人のリンカ(ピクニック)の家族も見かけました。ラサで最も緑のある場所。日本からポーンとラサに来ていれば、さほど緑を意識しないのですが、1泊2日青蔵鉄道で荒涼とした世界を見てきた私たちには違う色とりどりの花木が植えられた楽園のように見えてきます。

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さて、この日の昼食はチベット人の民家でチベット家庭料理を体験です。そぼくなチベットすいとん(「バトゥー」)や携行可能なツァンパと定番のバター茶。すいとんは食べやすいと好評、ツァンパ、バター茶は苦戦しながらもチベット人に挑戦。さらにそこでは民族衣装のコスプレを体験。想定外に自分も巻き込まれ、えらい騒ぎになって、大撮影大会となりました。
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その後、問答で知られるセラ寺へ。ここでは1.5m四方もある砂マンダラを見ることもできました。

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写真好きの方が多かったので夜は、ポタラ宮のライトアップを見に行くことに。かつてラサの城内と城外を分けていた仏塔を前にポタラを仰ぐ絶好のビューポイントでみなさん、思い思いのポタラ宮をカメラやスマホに収めてらっしゃいました。

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翌日は皆さん念願のポタラ宮登頂?です。高さ100mを越す巨大宮殿ですから、入口にたどり着くまでに2,3回休憩が必要です。みなさんもこの日のために体調を整えてきました。前日は大行列だったと話しを聞いていたので覚悟していきましたが、幸い、さほどの劇混みではなく通常くらいのペースで観光できました。ポタラから望む周囲の殺伐とした山の風景、宮殿内の数え切れない仏像、金、サンゴ、トルコ石などで飾られた玉座、立体マンダラ、1,300年前に作られたポタラ宮のオリジナル部分、ダライラマ5世の巨大霊塔など見所をぐるっとめぐって放心状態で下山。高度順応もクリアしてポタラ宮を踏破できたことにみなさん達成感と満足感でいっぱいです。
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さあ、こうなったらあとは心残りなく旅の記念にお買い物タイムへと突入です。大昭寺を囲むバルコルでフリータイム。人気はマニ車、手芸品、タンカなど。それとご家族や職場へのお茶、お菓子など。みなさん、目の付け所が個性的かつ先鋭的でその戦利品の数々に、驚嘆するばかりでした。
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今回、マニ車がスーパーで「お買い得!」みたいに売られてるのを見てびっくりしました。

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今回はみなさん体調がよかったので、予定以外のスポットや買い物タイムも組み入れて見ました。ちょっとハードになってしまったかもしれませんが、楽しんでいただいていれば幸いです。


< 今回同行したツアー >

「トルコ石の湖」ヤムドク湖も訪れる

青蔵鉄道で行く 遙かなる聖都ラサ7日間

6名催行日本語ガイド早割

世界最高所を走る青蔵鉄道で聖都ラサへ向かい、ラサの主な観光地のほか地元の巡礼地も訪れます。さらにラサ郊外の民家を訪問して家庭料理を頂き、日常生活も垣間見ます。「トルコ石の湖」ヤムドク湖も訪れます。
出発日設定2024/05/16(木)~2024/10/17(木)
ご旅行代金508,000円~548,000円
出発地東京・大阪・名古屋、東京(羽田)発

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