第331話 ハバブ ~神降ろし~ チベット医・アムチ小川の「ヒマラヤの宝探し」
北インド・ダラムサラの街に早朝、「ボォー、ボォー」というギャリン(チベッタン・ホルン)の重低音が鳴り響いた。それはネチュン寺(第57話)においてクテンによる神降ろし儀式が行われる合図。護法尊ネチュンが降臨するお方をク […]
北インド・ダラムサラの街に早朝、「ボォー、ボォー」というギャリン(チベッタン・ホルン)の重低音が鳴り響いた。それはネチュン寺(第57話)においてクテンによる神降ろし儀式が行われる合図。護法尊ネチュンが降臨するお方をク […]
メンツィカン在学中から「俺はもともと暦法学に興味などなかった。卒業したらコンピュータ関係の仕事に就きたいんだ」と言っていた通り、卒業課題である2024年の暦法カレンダーを提出すると、5年間の学業には一切執着せず、さっさと […]
興味深い映像をユーチューブに見つけた。それはメンツィカン学生チメが暗誦試験ギュ・スム(第289話コルワ ~聴聞者~)に挑むドキュメンタリーフィルム「The Tibetan Medical Oral Examination […]
10年に及ぶ学びを終え、いよいよ明日、北インド・ダラムサラを離れて日本へ帰る2009年4月10日、僕はメンツィカン(チベット医学暦法大学)職員室にお別れのあいさつに訪れた。すると別れ際、チュペル校長が真剣な顔で「オガワ、 […]
作家、上橋菜穂子さんの自伝エッセイ『物語ること、生きること』のなかに興味深い記述をみつけた。それは上橋さんがオーストラリアに留学していたときのこと。アボリジニ出身の学生たちはカンニングをすることに抵抗がないことに当初は驚 […]
紅茶キノコ、納豆、ココアブームなど健康法に対する日本人の熱狂性は高度経済成長以降の現象かと思いこんでいたら然に非ず、意外と歴史が深かった。たとえば1680年ころ、海外から輸入されるミイラが万病に効くとして大ブームになり「 […]
長野県内のいくつかの小学校では、5月になると全校をあげてヨモギ摘みが行われる。平成28年、その中の一つの小学校で取材をさせてもらい、まずは保護者への配布文書を見せていただいた。タイトルに「ヨモギ採りのお願い」とある。 野 […]
日本最高ランクの「くすりびと」(第102話)として僕が尊敬しているAさん、たぶん65歳くらい、の家は代々薬草採取を生業としてきた。キハダ、黄連、木通、ヨモギなど多種の薬草を全国各地で採取し、それは漢方薬の原料や野草茶の […]
隣の竹やぶに生える15mほどの大木の伐採を頼まれた。「ウルシかもしれないから気をつけて」といわれたので、注意して観察すると、なるほど羽状複葉(注1)の形態と樹皮の様相から推察するとウルシである。安易に伐採すればかぶれてし […]
ダラムサラにて 「チベット医学(注1)をもっと積極的に日本に広めないのですか」という質問を受けるたびにちょっと困ってしまう。そもそも「広める」という能動的行為がきわめてチベット的ではないような気がしていたのだが、なるほど […]
談笑するメンツィカン学生 2006年 チベット人と談笑する筆者 2019年12月 どんな言語であれ、文化の相違によって通訳が難しい単語はあるが「趣味は何ですか、」という日本語をチベット人に通訳するのは簡単そうで難しかった […]
はじめてデリー空港に降り立った1999年1月9日の深夜。乗り込んだタクシーにそのまま連れ回され、到着したのは予約していたホテルとは全く別のホテル。さらに「いま、デリーでは大きな国際会議が開催されていて、多くのホテルで急な […]