年金支給

「報告書は受け取らないからもうない」。どこをどうひねったらこんな結論になるのか。そもそも、年金だけで暮らせるなどと思っている人がいるのだろうか。二階建て、三階建てで、潤沢に老後資金を賄う年金等をもらえるならともかく、そうでない多くの人々は、年金では足りないとみな思っているに違いない。

長年年金を積んでも、通常、月額18万円ほどが限界である。付加給付がついたとしても20万そこそこ。これで夫婦二人で暮らせと言われても、なかなかきつい。暮らせなくはないが、つつましやかな暮らしになるだろう。それでも年金がなければ、死ぬまで働くか、生活保護を受けるしかなくなる。病気をしたらどうなるのか。心配は尽きない。

今は、昔のように、家族や親せきで支え合うなどということはなくなった。しかし、介護離職、すなわち、親の介護のために仕事を辞めて親の年金で暮らすというケースが増えている。8050問題なども話題になっているが、とても他人事とは思えない。

一方で、*在職老齢年金の支給停止の見直し、ないしは廃止が話題となっている。何故、年金の資金が不足しているのに、こんなことをするのか。これを実施すると一兆円以上財源が必要だという。それでも、今までは年金を受けとる側だった高齢者に、もっと働いてもらい、支えらる側から支える側に回ってもらえば、労働力不足への対応もできるし、年金の資金もかえって増えるかもしれないというのである。

定年制は、そもそもが合法的な首切り。ヨーロッパなどでは定年制はないそうだが、いよいよ、日本もそうなっていくようだ。悪いことではないが、どうやって働く人生から身を引くのか。定年制は、人生の区切りとして存在してきた側面もあるが、それがなくなれば、自分で区切りをつけるしかない。

世の中の基準がころころ変わり、考え方も180度変わる。到底、気持ちが追いつかない。人間の価値観とは、かくも状況に左右されるものなのかと、半分呆れて傍観している。さあ、どうするか。思案のしどころである。

*在職老齢年金の支給停止:年金がもらえるようになっても、64歳までは年金と給料の合計が28万円(65歳以上では47万円)を超えると減額され、一定の額に達すると年金を支給させない仕組み。

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