withコロナへの覚悟

弊社のスタッフが、先週、陽性者になった。通勤以外は、お客様のところへ行く用事で少々遠出したが、電車移動だったし外での飲食もしていない。同居している家族も、しばらく旅行に出かけていて会っていないからどこで感染したかさっぱり思いつかないという。

これでは、普通の風邪にかかるようなもので、風邪のようなコロナウイルスは常に身の回りに存在しているが、体調が悪く免疫性が落ちたとか、寝冷えしたなどといった原因で罹患するのと変わらないように思えてくる。

第7波は、先行していた欧米の状態からして、やってくるのは時間の問題だったといわれている。第6波までは、行動制限をして流行の波を低く抑え医療崩壊を防ぐのが最善の策といわれたが、第7波では、行動制限をしないでピークアウトを待つ方針を政府は取った。即ち、社会経済活動に制限をかけないという大転換をしたことになる。

しかし、一方で2類相当を維持したために、インフルエンザのようにどの病院でも治療が受けられる状態にはならず、発熱外来はパンクし、コロナに限らず何らかの病気で具合が悪くても医療にアクセスできないという悲惨な事態も起きている。早く5類にしてall医療でコロナにあたるべきだという吉村大阪府知事らの意見も受け入れられず、医療機関の逼迫の程度は、第6波とそれほど変わらない状態まで来ているようだが、ひたすらピークアウトを待っている。これでも大丈夫だという何らか根拠があってのことなのだろうが、私にはよく解らない。

欧米では、当初は厳しいロックダウンをしたが、ワクチン接種で高齢者の重症化率が下がり死亡率が下がると、一挙にwithコロナに方向転換しマスクの義務化も外してしまった。つまり、withコロナとは、感染者が増えてもいいと考えるのが前提である。欧米は、矛盾したまま放置することは許されないのだろう、日本は、withコロナといいながら、感染者が増えるのは否という矛盾したやり方を取っている。日本らしいといえばそれまでだが、いつまでもこの矛盾を続けられるはずがない。

確かに、インフルエンザに比べると治療薬はまだ不十分だし、死亡者も相当数は出る。後遺症の問題もある。命が一番大事だという主張が通りやすい。しかし、最終的にコロナを乗り切りコロナ以外も含めて人命第一に考えるなら、インフルエンザと同様、症状が出たらいつでも容易に近所の医療機関で受診可能な態勢に移行しないと、他の疾病者への治療にも大きな影響がでてしまうし、コロナ重傷者への治療にも支障をきたすことになる。

結局、弊社のスタッフも、医療機関での治療は受けられず自宅待機。結構な発熱があり不安も募ったようだが、山を越え来週には会社に来られそうで安堵した。しかし、この国で治療が受けられないとは改めて驚いた。
日本も、withコロナを正面から受容する覚悟すべきではなかろうか。私たちは、海外旅行の仕事が立ち行かないという事情もあるが、私たちの命の問題としてそう思う。

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