「薬漬け」のカイラス添乗

9月の5連休に設定した、チベット最大の聖地カイラス山(チベット名:カンリンポチェ)を訪れるツアーに添乗員として同行してきました。旅行中は非常に天候に恵まれ、ラサからアリへの国内線からはヒマラヤの白い峰々がズラリと並び、着陸間際にはカイラス山の北壁が遠望できました。西チベットへ着いてからも連日晴天で、マナサロワール湖やランガク・ツォ越しのカイラス山も楽しめ、カイラス山の北壁は神々しいばかりに輝いていました。
我々がカイラス巡礼を終えて、チベット自治区のアリ空港からラサ、そして上海へと飛ぶ日から天候が急変し、2日前に訪れたカイラス山周辺では50㎝もの雪が降り入山規制がされたとのこと。運にも恵まれたツアーでした。

日程の中盤からは連日4~5,000mの標高で活動する過酷なツアーでは添乗員自身も体調管理が重要になります。私自身、若いころのように体力任せで乗り切るには厳しくなってきました。そこで、滞在中様々な薬やグッズのお助けを借りるようになりました。

高山病の予防薬といえば「ダイアモックス」。毎回添乗前に、かかりつけ医に相談して処方してもらっています。予防薬としては、「1回半錠を朝夕2回」なのですが、早めに順応をしてしまいたい身としては、高所到着直後2日ほどは夜寝る前に1錠飲むことにしています。当然、利尿効果も強くなり夜起きることも増えますが順応は進みやすくなります。また、きれいなトイレのあるホテルで出た分の水分をしっかり補給できる場合にかぎります(※)。

また、私は若いころの暴飲暴食が祟ったのか「逆流性食道炎」の持病があります。強いストレスがかかる高所添乗では余計に胃酸過多になりがちです。さらに、ダイアモックスは胃に負担をかける薬なので、胃酸を抑える薬や消化剤も欠かせません。

さらに、高所では乾燥対策も必須です。ラサはともかく西チベットはまるで砂漠のように乾燥していて、吹く風には大量の砂ぼこりが混じっています。私にはアレルギー性鼻炎の持病もあるので、乾燥や埃は大敵です。アレルギーの薬もしっかり飲みつつ、マスクや「龍角散のど飴」、のどスプレーなどでしっかりガード。寝る時はマスクを軽く濡らして、お手製の「濡れマスク」にすることもあります。

さらに最近気に入っているのが市販の「鼻うがい」(商品名:ハナノアなど)。成分はほぼ「生理食塩水」なのですが、香料も入っていてさわやかな風味がします。毎晩ホテルに戻って「鼻うがい」をすると、鼻腔内から大量の血まみれになった埃や汚れの塊が流れ出てきます。自分の体内から出てきたものなのに時に「ウヒャー」と叫んでしまいます。粘膜系が弱い方には非常にお勧め。洗浄液がなくなっても、キッチンで少量の塩をもらえば食塩水でも代用が可能です。これを使い始めてから鼻詰まりが解消されて喉を痛めることも減りました。

これらに加えて最近高くなり始めた血圧の薬も忘れずに飲まなくてはなりません。高所では、血液の濃度が濃くなり心筋梗塞や脳出血などのリスクが高まります。血圧はしっかりコントロールする必要があります。遺伝もありますが普段の不摂生を反省です。

さらに寒くなって体が冷えれば葛根湯も。血流を良くしてくれるので高山病予防にも効果が期待できます。

薬は食前、食後、就寝前など飲むタイミングもバラバラなので、ポケットには常に今日飲む分の薬を小さなジップロックに入れていました。時には「食前の薬だけど食後に飲んでもいいか」と独り言ちながら、様々な薬を一気に流し込む日々が続いていたのです。

そんな「薬漬け」とも言える高所添乗でしたが、ツアーを終えてお客様に厳しい大自然とチベットの文化遺産を堪能していただけた今となっては、それらの薬やグッズもかけがえのない旅の相棒だったと感じています。

左:大量の薬/右:カイラス北壁前にて

(※高山病の症状が強く出た場合はダイアモックスを1錠摂取することをお勧めしていますので容量は越えていません。処方した医師、薬剤師にも相談しています。ただし、あくまで私個人の例なので、皆さんは通常の医師の処方量をお守りください)

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コメント一覧

旅行中は大変お世話になりました。 お天気に恵まれた素晴らしいツアーになりましたね。 中村さんの仏教解説のお陰で、西チベットの仏教がよく理解できました。 ラサの小さなお寺も印象的でした。 薬漬けとはつゆ知らず、買い物の通訳をお願いするなど酷使してしまい、申し訳ありませんでした。 次回は青藏鉄道でラサを訪問したいと思います。

梅ちゃん2026.10.02 10:29 am

いえいえ、「薬漬け」でしたが(だったから?)、私の体調は問題ありませんでした。ご心配いただき、ありがとうございます。 とはいえすべてが「平地同様」とはいかないので皆様のご期待ほど動き回れなかったかも知れません。特に酸素不足で頭が回らない、言葉が出てこないことでご迷惑をおかけした点もあるかと思います。 酸素って偉大ですね(笑) 青蔵鉄道、是非ご乗車ください。

スタッフの声2026.10.02 12:04 pm

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