今週の日曜日、久しぶりに“芝居”(&舞踏)を見た。
以前に見たのは3年前、東日本大震災で最も震源地に近い金華山黄金山神社での、風の旅行社が主催する復興支援ツアーを現地で差配してくれた山形県最上町在住の押切珠喜さんたちが主催する劇団「野戦の月」のアナーキーなテント芝居だった。芝居の会場は「水性」という中野の新井のお薬師さん(梅照院・薬王寺)の参道、薬師あいロードの中ほどにある30名ほどしか収容できない小さな空間だった。
一緒に見に行ったのは昨年10月に開催した「遠野物語」のツアーに参加した、赤坂憲雄先生以下、6名である。芝居のタイトルが「グッド、バーニング」、作・演出は益山貴司さん、出演が益山寛司さんと高田静流(しずる)さんの二人芝居である。この高田静流さんが赤坂先生の大学時代のゼミ生で、とくに舞踏がすばらしいとの評判があり、それでは見に行かなくてはと期待して参加した。この芝居は4月上旬から計14回も公演していたのだが、どの回も満員であったと聞いた。

グッド、バーニング台本
この芝居は2025年3月11日に発生した、「高田馬場ライバー刺殺事件」という白昼の路上でライブ配信中の女性が刺殺されるという、衝撃的な事件をモチーフにしている。この作品のあらすじを当日に配られたチラシから引用しておく。「・・・配信アプリで人気の女性ライバー『赤毛のan』は、度々アンチの『黒髪のダイアナ』に粘着され炎上していた。そんな彼女を応援している、うだつの上がらない中年男、七也(しちや)はanの炎上に心を痛めていた。ある日、七也は彼女を励ますために思い切って三十万円ものお金を投げ銭する。すると七也の元に『会えませんか?』というanからのDMが届き、―――」、さてどうなるかはご想像にお任せする。

狭い会場であったがスマホかアイフォンを使った臨場感あふれる映像を駆使しながら演技が進んでいき、一人で何役もこなす役者にただただ驚いた。フィナーレの踊りも見事であった。静流さんを調べるとモダンダンスの名手で様々な舞台やミュージックビデオにもダンサーとして活躍している。まさに評判どうりの芝居であった。
ところで、聞きなれない言葉がこの芝居にはでてきた。「ライバー(Liver)である。調べると「ライブ配信(生放送)を行う人」とある。さらに「ライブ(Live)」に「~する人(-er)」を組み合わせた和製英語だそうだ。YouTubeでの配信者(YouTuber)と区別して、特にリアルタイム配信をメインに活動する人たちを指す、とのこと。いずれにせよ仮想空間の出来事であるが、高田馬場の事件は初めて現実に直面した当事者たちがいる。考えてみると、僕たちはかぎりなく仮想空間と現実の世界との境目が見えない世界にいる。世の中の出来事はだんだんと現実から遠ざかっていくのだろうか、、、。
そうだ、たまには芝居や踊りを”ライブ”で見に行こう!