
コンドルが舞う赤茶けた大地、イメージする「アンデス」だけがペルーではありません。ペルーの地形は COSTA(コスタ 海岸・砂漠地帯)、SIERRA(シエラ アンデス山岳地帯)、SELVA(セルバ ジャングル地帯)の3つに分かれ、それぞれの大地で培われた異なる自然と文化が多様なペルーの魅力を形成しています。3つのエリアを知れば、ペルーの面白さもグッと広がります。
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-コスタ- 海岸・砂漠地帯

太平洋に面した海岸地帯の大部分は、圧倒される広大な砂漠の大地。南から流れる寒流(フンボルト海流)の影響で年間を通して殆ど雨が降らないので、ナスカ時代(紀元前後〜紀元後7世紀)に描かれた地上絵も今に残ります。砂漠の大地に栄えた古代文明は、雨季、アンデスに降った雨によってできる川の流域や、湧き水でできたオアシス周辺に発祥しました。そして、現代も国民の半数以上がこのエリアに暮らします。


太平洋に面したコスタの代表都市である首都リマは植民地時代にスペイン人によって建設された街。現在もコスタには白人、メスティーソ(先住民と白人の混血)の人口が多くを占めます。黒人文化も浸透し、音楽や舞踊にも影響を与えました。又、明治時代にペルーの地を踏んだ日本人の子孫が今もコスタに住んでいます。


アロス・コン・マリスコス
(魚介類がいっぱいのチャーハン)

セビーチェ
(レモンで和えた海鮮マリネ)
豊富な魚介類が取れることから、新鮮なシーフード料理がたくさん。マリネ、海鮮スープ、フライやチャーハンなどペルー風アレンジが効いた味は地ビールにも良くあいます。
-シエラ- アンデス山岳地帯

標高3,000mを越す大地に、農作物を育て生活を営む人々が暮らします。高地であっても赤道に近い低緯度地帯に位置するため、気候は比較的温暖で、富士山ほどの標高にも都市が形成されています。インカ帝国はこのアンデスの地を中心に繁栄し、かつて帝国の首都だったクスコ周辺には、今でも伝統的なアンデスの文化が色濃く残っています。
代表的な都市 … マチュピチュ、クスコ、聖なる谷、アレキパ・コルカ渓谷、チチカカ湖、ワラス


シエラではスペイン語の他に先住民の言葉を話す人が多くいます。チチカカ湖周辺ではアイマラ語、クスコ周辺ではインカの公用語だったケチュア語が今でも話されています。


アンティクーチョ・デ・コラソン
(牛肉のハツの炭火焼)

パパ・アラ・ワンカイーナ
(クリーミーなソースがかかったジャガイモの前菜料理)
トウモロコシ、ジャガイモの原産地で、市場に行くと日本では見られない多岐にわたる品種に驚きます。肉料理が主流で、香辛料を上手く使った味付けが食欲をそそります。
-セルバ- ジャングル地帯

アンデス山脈の東斜面からボリビア、ブラジルへと続く大地は、ペルー国土の半分以上を占めるジャングル地帯。高温多湿の低地熱帯ジャングルから、霧が発生しやすく雲霧林と呼ばれる高地ジャングルまで、その環境は幅広く、多種のフルーツやコーヒーなどはこの地で育ちペルー各地にもたらされます。手付かずの自然も多く残され、ペルー南部のマヌー国立公園には、公園内だけで約15,000種の植物、800種以上の鳥類など、類を抜く生物多様性を有しています。
代表的な都市 … プエルトマルドナード、マヌー、イキトス


山の民のインカ帝国は、その大きな環境の違いからセルバには殆ど勢力を伸ばすことができなかったと言います。勇敢な部族と言われるアシャニンカ族や、泥染めが有名なシピポ族など多数の民族集団がいます。


プラタノ・フリート
(甘くないバナナのフライ)

フアネス
(ビハオの葉で作った蒸し料理)
シエラのジャガイモの代わりに、セルバで主食として食べられるのはユカ芋とバナナ。ビハオと呼ばれる葉っぱでくるんだ蒸しご飯フアネスは名物料理の一つ。