添乗員報告記●バックパッカー養成講座?!
南米パタゴニア14日間

執筆●小林勝久(東京本社)

パイネ国立公園にて
パイネ国立公園にて

南米最南端のパタゴニア。チリ・アルゼンチン両国にまたがるこの地域は、日本から一番遠い場所。今回はパイネ国立公園を歩いてきました。大阪府ほどの広さの中に切り立った見事な岩山、雪を抱いた美しい山、青々と輝く氷河までパタゴニアの魅力が凝縮されている今回のツアー普通 のツアーではありません!ガイドがいっさい付かず、一人旅経験者の小林が添乗員兼ガイドとなり、グループを引き連れて案内するその名も「南米パタゴニアバックパッカープラン」、果たしてこの非常識(?)なツアーの行方はいかに……。

▼1〜2日目
約28時間のなが〜いフライトの末はるばるやってきたチリの首都サンチャゴはパタゴニアバックパッカーツアーのスタート地点。ガイドは付かないこのツアー。さ〜て、どうなることやら。

▼3〜4日目
サンチャゴで一息ついた翌日はいよいよパタゴニアへ。国内線とバスを乗り継いでプエルトナタレスへ到着。この町での宿は「HOSPEDAJE(オスペダッヘ)」と呼ばれる民宿みたいなところ。あえてこのような宿を使うにもこのツアーの売りの一つです。無事チェックインが済み、欧米人のバックパッカーと共にアットホームな宿でくつろぐ我々でした。翌日は予備日とトレッキング前の休息日でフリータイム。でも、実はこの日参加メンバーのHさんのウン十回目のバースデイ、こっそり仕込みをし、夕食の最後に盛大にお祝いをし、皆さんで盛り上がりました。

▼5〜7日目
朝、目が覚めると雨の音。何となく嫌な予感。でも、希望を持っていざパイネへ出発しました。が! 国立公園入り口から広がった風景にびっくり仰天、なんと初日に泊まる山小屋までの道が洪水ですっかり無くなっていました。ここ数日間続いた雨で川が氾濫してしまったとのことです。でも、ここから先はホテルから来た特別仕様の車で難なく渡り、やっとのことで山小屋へ到着。結局この日は雨がひどくなり、初日の日帰りトレッキングの目的地にはたどり着けずあえなく断念。なんとなく嫌な流れに私も心配が募ってきましたが、そんな心配をよそに皆さんは悪天候も楽しんでいるようで、なんとも頼もしいメンバーだと思いました。
翌日は見事に晴れ、私も皆さんも心のボルテージも上がりいざトレッキングのスタート。あいにく風が強く、パタゴニア名物の強風が吹き荒れなかなか簡単にはいきません。ただ、雨が降らなかったため、川の水が減り、ほぼ問題なくトレッキングを出来たのは幸いでした。角のような形をしたクエルノスがばっちり見え、広くて眺めの良い小屋でゆったりと過ごしながら夜は更けていきました。
朝方、大きな音で目が醒めました。そうです、またまた雨が降ってしまいました。でも先に進まないわけにはいきませんので、リスクを避けるため、ブラジル人、アメリカ人のトレッカー達と協力して歩くことにしました。昨日下見した大きめの川は全くその姿を変え、かなりの濁流になっていました。途方にくれていたところ、別グループのイギリス人がなんとか渡れそうなルートを発見、そこで私たちもそこを通ることにしましたが、渡れるとはいえ、簡単にはいきません。まずは荷物を先に連携して向こう岸まで渡し、その後から順番に人を渡して行きました。ガイドがいないだけにすごく緊張が走りましたが、なんとか渡り終えたときの安堵感はなんともいえないものでした。私も皆さんもかなり疲れましたが、なんとかこの日の目的地ペオエ小屋へ。難所をクリア出来たせいか、この日飲んだまずいお酒もおいしく思えたほどでした。

▼8〜9日目
いよいよ最後の見どころグレイ氷河へ。晴れたので道の状態も良くとても快調なペースで進みました。歩き続けること約4時間半、グレイ小屋に到着。小屋からさらに1時間ほど歩くともうそこはグレイ氷河がすぐそばに。心ゆくまで青々と輝くグレイ氷河を楽しみました。最終日は同じ道を戻り、船でペオエ湖を渡り、対岸へ。ここでトレッキングは無事終了ですが、まだパイネは終わりません!
今度は帰り道からの見事なパイネの眺めの数々。特に今日はパイネタワーが完ぺきに見え、みんな大満足! 雨にはやられましたけど、振り返ってみれば、素晴らしい眺めをみることが出来ました。プエルトナタレスに着いてからは、カニ料理においしいチリワインとピスコサワー。トレッキングの無事終了を祝って、乾杯!

▼10日目
今日はパタゴニアのもうひとつの目玉ペリトモレノ観光です。この氷河はアルゼンチンにあるのですが、実は国境を越えて日帰りで行くことも出来るのです。チリから走ること約6時間、カーブを曲がった先に現れた、青々と輝く氷河に圧倒! まずボートに乗り氷河クルーズのスタートです。青く大きな氷壁が目の前に迫ってきます。興奮さめやらぬ内に船を降り、展望台へ。ここからはじっくり氷河を見学。時折”ベキッ”と氷河に亀裂が走る音が響きます。が、なかなか崩れてくれません。待てど待てど崩れません。出発の時間が迫ってきて、もうそろそろ戻ろうかと思った瞬間でした。大きな轟音とともに氷河が崩れました。あまりのタイミングの良さと迫力にみんな大きな声をあげて拍手喝さい!
大満足のまま帰路につきました。

▼11〜14日目
パタゴニアから戻った私たちは最後のサンチャゴでは中央市場でシーフードを再び食べ思い思いに買い物を楽しみました。そして、またもや約28時間の長旅の末、無事成田へ戻ってきました。

 今回はガイドがつかず、行き当たりばったり的な要素が多い特殊なツアーにかかわらず、企画の趣旨を理解していただいた参加者の皆さんのご協力もあり、楽しくツアーを終えることができ大変嬉しく思っています。自分が一人旅をしている時に思いついたツアー企画が4年後に実現出来き、ある意味夢のようです。これも風の旅行社という土壌とトラブルも楽しんでくれる暖かい参加者の皆さまのおかげと思っています。この場を借りて改めて感謝致します。

※風・通信No.16(2003秋号)より抜粋

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