梅雨真っただ中の季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
当社ではヒマラヤトレッキング(ハイキング)ツアーを数多く取り扱っていますが、遊覧飛行で眺めるだけではなく、自らの足で歩きながら「一生に一度は世界最高峰エベレスト(8,848m)を自分の目で見てみたい」と思われる方も多いのではないでしょうか。
時々、「ヒマラヤへ行けばエベレストが見られるのですよね?」とご質問をいただくことがあります。しかし、ヒマラヤ山脈は東西約2,400kmにも及ぶ広大な山岳地帯ですので、訪れるエリアによって見える山は全く異なります。ヒマラヤへ行ったからといって、エベレストが見られるわけではないのです。
さて、エベレストを望める場所はいくつもありますが、その中でも比較的訪れやすく、ネパールを代表する山岳民族「シェルパ族」の故郷として知られる“ナムチェバザール”は、ぜひ訪れていただきたい場所の一つです。登山やヒマラヤにご興味のある方なら、「シェルパ」という響きに何となく憧れを感じる方も多いのではないでしょうか。
世界中の登山家を支えてきたシェルパ族が暮らす標高3,440mに位置するこの村は、クーンブ地方最大の集落です。古くからチベットとの交易で栄え、現在では世界中の登山家・トレッカーが集まるエベレスト街道の中心地として有名です。富士山より少し低い標高ですが、すり鉢状に広がる村にはロッジやレストラン、ベーカリー、アウトドアショップ、お土産店などが所狭しと並び、高所とは思えないほどの活気があります。おまけに銀行や学校、医療施設まで整っており、「山奥の村」というよりも“山岳都市”といった雰囲気です。初めて訪れる方は、その発展ぶりに驚かれることでしょう。

標高3,440mに位置するエベレスト街道最大の集落ナムチェバザール
エベレスト街道の玄関口・ルクラ空港へ
ナムチェバザールへは、まず国内線でルクラへ飛びます。以前はカトマンズ空港から直接ルクラへ向かうのが一般的でしたが、カトマンズ空港は国際線と国内線が共用する滑走路が1本しかなく、近年は航空需要が高まり慢性的な混雑が発生しています。
そのため現在は渋滞を緩和する目的で、ルクラ便の多くが、カトマンズから車で約5~6時間東に位置するラメチャップ空港発着へ変更されています。
ルクラ空港は標高約2,840mに位置し、正式名称はテンジン・ヒラリー空港です。エベレスト初登頂を成し遂げたテンジン・ノルゲイとエドモンド・ヒラリー卿の名前に由来しています。
山肌を切り開いて造られた全長約500mの短い滑走路を持ち、「世界で最もスリリングな空港の一つ」として知られています。着陸時には、機窓いっぱいに山々が目の前に迫り、「本当にここへ降りるのだろうか」と思ってしまうほどの迫力があります。さらに山岳地帯特有の気流の影響で機体が大きく揺れることもあり、何度利用しても緊張するフライトです。そして離陸時には、短い滑走路から谷へ向かって一気に飛び立ちます。その瞬間は思わず息をのみ、「世界で最もスリリングな空港の一つ」と呼ばれる理由を実感することでしょう。
余談ですが、私はルクラへ向かうツアーに同行する際は、日本出発前に近所の神社へお参りし、安全祈願をするのが恒例となっています(笑)。

世界屈指の山岳空港として知られるルクラ空港

離陸時は思わず「早く飛び立ってくれ!」と祈りたくなります
いよいよナムチェバザールへ
無事?にルクラに到着すると、いよいよトレッキングのスタートです。通常2日ほどでナムチェバザールへ到着します。道中では色鮮やかな五色の祈願旗タルチョーやマニ石や仏塔が現れ、ヒマラヤならではの文化にも触れることができます。ドゥードゥ・コシ川に架かる吊り橋を何度か渡りながら歩き、天気が良ければ、所々で聖山クンビラ(5,761m)やクスム・カングル(6,367m)などの美しい峰々が姿を見せはじめ、元気をもらうと同時にヒマラヤの世界へ足を踏み入れた実感が湧いてきます。そして到着直前には、標高差約600mの急登が待ち構えています。この試練を乗り越えると、ようやくナムチェバザールです。

マニ石、仏塔、タルチョー。ヒマラヤならではの風景

ドゥードゥ・コシに架かる吊り橋

ナムチェの村から眺める、美しく険しいタムセルク峰
エベレストビューホテルへの日帰りトレッキング
通常、ナムチェバザールでは高度順応を兼ねて2泊することが一般的です。
その滞在時間を利用して訪れたいのが、村の背後にある展望地「アーミーキャンプ」です。ここからはエベレストをはじめ、ローツェやアマダブラムなどの名峰を望むことができ、「いよいよエベレスト街道に来たな」と実感できる絶景ポイントです。
そして私が特におすすめしたいのが、標高3,880mに建つ「エベレストビューホテル」への往復トレッキングです。ナムチェから片道約2時間ほどの行程ですが、登山道を登るにつれて森林限界を越え、視界が一気に開けます。アマダブラム(6,812m)やタムセルク(6,623m)など、ヒマラヤを代表する名峰が次々と姿を現し、歩いているだけでも楽しめます。

森林限界を越えると、ヒマラヤの大展望が広がります

気分は最高!標高約3,720mのシャンボチェでピース!

タムセルク峰の上に浮かぶ不思議なレンズ雲。まるで“UFO”のようです

エベレスト(左奥)とローツェ、ヌプツェ、アマダブラム(右手前)の壮大なパノラマ

目の前にはエベレストが!
そしてホテルに到着すると、世界最高峰エベレストをはじめ、ローツェ(8,516m)やヌプツェ(7,861m)などの壮大な山並みが目の前に広がります。このホテルは1971年に日本人によって建設され、かつて「世界で最も標高の高いホテル」として知られていました。現在も世界中の旅行者が訪れる人気のホテルです。
テラスで温かい紅茶やコーヒーを楽しみながら、ゆったりと景色を眺めて過ごします。ヒマラヤの澄み切った空気の中、世界最高峰を眺めながら過ごす時間は、まさに至福のひとときです。宿泊をしなくても、ここまで訪れるだけでエベレスト街道の魅力を味わうことができます。

標高3,880mに建つエベレストビューホテル

ホテルのテラスで温かい飲み物を片手にエベレストを眺める贅沢な時間

ズームで迫る世界最高峰エベレスト

朝日に染まるエベレスト
エベレストが「最も美しく」見られると言われる展望地カラパタールやエベレストを含む8,000m峰4座を望むことができるゴーキョ、さらには、エベレストベースキャンプまで足を延ばすには、長い日程と標高5,000mを超えるため、かなりの体力が必要になります。しかし、ナムチェバザールとエベレストビューホテルまでであれば、比較的短い日程でもその魅力を味わうことができます。(※ただし、ルクラ便は山岳飛行のため天候に左右されやすく、欠航となることもあります。そのため、日程には予備日を設けることをおすすめします。)
当社では、エベレスト街道を歩く企画がいくつかございますが、ご要望に合わせてお客様だけのプランを作ることも可能です。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
復路ヘリ利用でエベレストの展望台を目指す
エベレスト街道の裏銀座へ
エベレストに大接近する冒険旅行
エベレストBCも訪れる カラパタール登頂トレッキング20日間





