ホレズム文化とカラ・カルパックの大地

以下の記事は2003年夏に発行した風・通信No.15から転載したものです。最新の情報についてはお問合せ下さい。

多くの風リピーターの間で注目されている国ウズベキスタン。世界遺産のブハラやサマルカンドは有名ですが、ちょっとそれらは横において、日本ではまだ知られていない場所をご紹介しましょう。

カラ・カルパック共和国

ウズベキスタンの東・中央部の12の行政区とは別に、西部にはカラ・カルパックという自治共和国があります。「カラ」とは黒、「カルパック」とは中央アジア独特の帽子を意味し、このあたりに住む民族がかぶっていた帽子に由来します。他のウズベキスタンとは民族、言語、文化、国旗までも異なる独自のものを持ち、今でも遊牧生活を送る人もたくさん住んでいるところです。「街中が博物館」と例えられるヒヴァの街から、さらに西に行った地方をさしますが、ここから先はあまりガイドブックにも詳細が記されていません。私も行くまでは、いったい何が存在するのかよくわからないままでした。でも行ってビックリ、単に何もない田舎だけではなく、ここに隠れたウズベキスタンの魅力が詰まっていたのでした。

砂漠に点在する古代都市遺跡群への誘い


砂漠のど真ん中にトプラクカラ

ヒヴァから北西へ車をキジルクム砂漠地帯の中へと進めると、大きな土壁の城壁が見えてきました。このあたりの砂漠地帯には、広く古代都市の城址跡が点在しているのです。この地は昔、ウルゲンチを中心としたホレズム王国が栄えていました。日本の縄文時代には、既に高い文化を持ったと言われる古代王国です。乾燥地帯のために、紀元前から数世紀にわたり作られ、砂漠にうずもれるように消えていったいくつもの古代都市の片鱗が、数百平方キロにも渡って今も横たわっているのです。


見事な城壁が残る
グルドゥルスン・カラ

中でも代表的な遺跡であるトプラク・カラは紀元前2〜3世紀頃に作られ、一時はホレズムの首都として栄えました。ここから数々の塑像や壁画が出土されており、中国シルクロードの仏教寺院との関連も現在調査中だとのこと。ホレズム文字が記された羊皮紙、貨幣などもここから出土しました。他にも紀元前4〜1世紀に栄え、現在は円形の城壁が残るコイ・グルルガン・カラや、3つの街と宮殿跡がある広さ9000平方メートルのアヤズ・カラ、トプラク・カラの要塞地として作られ、そこまでの地下通路があったと言われるキジル・カラなどなど、その数は無数に近いものがあります。世界遺産にも登録されていないので知名度もなく、保存状態も決して良くはありませんが、灼熱の太陽にさらされながらも、歴史のロマンを広大な大地に感じる事ができる世界的にも貴重なところなのです。

砂漠の中での楽しい体験


ユルタキャンプでは
現地の家族がお出迎え
(photo by K.Yamaguchi)

キジルクム砂漠では、古代都市遺跡をめぐるだけでなく、他にも楽しい体験もできます。ウズベクのみならず、中央アジアの広範囲に渡って、放牧生活を主とする遊牧民達が今でも暮らしています。もともと北の騎馬民族が伝えた伝統的な住居「ユルタ」は、風通信読者の皆さんにはよくご存知のモンゴルの「ゲル」と同じものです。アヤズ・カラ近くの湖周辺には、外国人も宿泊できるツーリストユルタキャンプがあります。丸いユルタの中に絨毯と布団がしかれ、水シャワーしか浴びれない質素なものですが、どこまでも広がる褐色の世界の中、天と地との間から太陽が浮き沈みし、満天の星を十分満喫することができます。昼間はラクダに乗って湖まで散歩に出かけたり、湖で遊んだりと、ちょっと童心に戻った気分にもなれる体験ができるのです。時にラクダに乗って城址を訪れたりも可能ですが、特に夏場の日中は温度がかなり高くなりますので、日よけ対策はばっちりと行う事をお忘れなく。

今、アラル海は遠くへ  船の墓場横たわる世界


待ち人来る
(photo by A. HIROTSU)

カラ・カルパックの一番北にあるアラル海は、世界第4位の大きさを誇っていましたが、ソ連時代に始った綿花産業推進のための灌漑工事などで、注ぎ込む水が大幅に少なくなったために、現在はかなり早い速度で縮小化が進んでいます。ある科学者によると、2010年代にはこの地図上から消えるとも言われています。 1970年代までは、アラル海最大の港町として栄え、缶詰め工場などがいくつもあった街モイナックは、今や海岸から100km以上も離れてしまいました。モイナックの郊外は貝殻や塩に覆われた砂漠地帯と化し、当時活躍した船が、まるで「墓場」に追いやられたように今も横たわっています。縮小に伴う環境悪化や植生変動など、数々の問題も抱えるアラル海。実は事情によりアラル海までは行くことができませんが、昔栄えたこの港町を見ることで、自然環境をめぐる深刻さに対峙することができます。

他にも様々な魅力がありますが、限られた紙面では語り尽くせません。また歴史を感じるヒヴァやサマルカンドなども一緒に訪れる事で、ウズベキスタンの懐の深さを存分に感じる事ができます。ぜひ、次の旅の計画は、ウズベキスタンへ。

※弊社ではカラ・カルパックや、アラル海(モイナックなどがあるウズベキスタン側)周辺エリアへのご旅行も取り扱っています。ご希望にあわせてオーダーメイドしますので、ぜひお問い合せ下さい。

※風・通信NO.15(2003年夏号)より転載


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