牛丼チェーン店

*風のメルマガ「つむじかぜ」700号より転載

最近の牛丼チェーン店は、定食屋に近くなってきた。牛丼を単品で注文する人は少なく、大抵はセットメニューを注文している。それだけ品数を増やして需要に応えようということなのだろう。客の立場としては、選択数が増えて大歓迎だろうが、店員は、仕事が煩雑になって大変だろうなと常々感じていた。

先日、ある牛丼チェーン店に入ったら、なかなか注文を取りに来ないので、何やっているんだ、と少々苛立って奥を覗き込むと、店員が一人しかいないではないか。朝早いからだうろが、どうやって客の注文をこなすのかとじっと注視してしまった。

ご飯はしゃもじで盛るのではなく、冷水機のような機械があって、コップの代わりに丼を置き、ボタンを押すとご飯がぱらぱらと落ちてくる。「自動ご飯盛り機」とでもいうのだろうか。

朝食メニューには、ハムエッグ定食とか焼き鮭定食のようなそれなりに調理しなくてはならないものもある。一人じゃあ調理もできまい、と思っていたら、調理をしている様子はないのにちゃんと定食が出てくる。暖めるだけでできてしまうようだ。

問題は、誰が食べ終わった後の食器を下げて誰が洗うかだ。10人ほどの客が既に入っていて、次々と入れ替わっていく。ところが、その店員は、食器を滞ることなく下げる。但し、洗うことはできず、新しいお客の注文に対応するので手がいっぱいの様子だった。洗わなくてもある程度の人数は対応できる食器の数が用意されているのだろう。

そんな様子を見せられた私は、「ご注文は何にされますか」と目の前に来た店員に、つい「牛丼並み」と答えてしまった。朝から牛丼など食べたくなかったのだが、これが一番簡単で食器数も少ないから洗うのも簡単。そんな配慮をついついしてしまった。

たまたまローテーションが上手く組めなかったのか、なにが原因かは分からないが、ワンオペはいかん。トラブルに全く対応できない。過去にも、ワンオペで責められた牛丼チェーン店があったが、それでも続いているということは、人の確保が益々逼迫しているのかもしれない。

このメルマガも今日で700号。150号からこのコラムを書き始めたので550話書いたことになります。お読みいただいている皆様に大感謝です。続けられるだけ続けます。

どうぞ宜しくお願いいたします。


★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。


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