シャウエンを訪れる! モロッコ周遊10日間(2013年10月)


青の街・シャウエンで

コース名:サハラ砂漠から大西洋へモロッコ周遊10日間
2013年10月18日(金)〜10月27日(日) 
写真・文●平野 靖

今回のモロッコは日程ちょっぴり延長バージョンで、シャウエンとティトゥアンにも足を延ばしましたよ。
参加者の皆さんに伺っても、「シャウエンが入っているから」という方が多かったですね。
モロッコはアフリカ大陸、決して近くはありません。エミレーツ航空でドバイ乗り継ぎ。フライト時間は片道合計20時間を超えますが、機内エンターテイメント好きとしては寝るヒマがありません。

★モロッコの地図はこちら

2日目 カサブランカ〜マラケシュ


モロッコ支店のガイド
トゥフィックがお出迎え

カサブランカ空港到着後、今回のガイド・トゥフィックと無事合流。空港ビルを出たら、日本の残暑とは一味違うギラギラの太陽に出迎えられてマラケシュへ出発。しかし移動に使ったメルセデスのUVカットガラスが良かったのか、大して日焼けはしておりませんのでご安心を。国土は日本の1.2倍、高速道路や鉄道も整備されていて、移動も比較的容易に感じられます。移動途中で立寄ったサービスエリアで今回初のミントティータイム。高いところからカップに注ぐのが美味しい淹れ方なのだとか。だいぶ飛び散りますけどね。ミントも砂糖もたっぷり入っているので、長旅で疲れた体にシナジー効果です。スーパーマーケットにも立寄りました。重要な使命はお酒の入手。モロッコはイスラムの国なので、大きなホテルや外国人が利用しそうなレストランでしかアルコールを見かけません。今回は夜の砂漠でワインを開けるぞと決めていたので、ラクダのイラストが描かれた白ワインを入手。
さらに車を走らせてようやくマラケシュのフナ広場に到着。モロッコの代表的な観光地ですから、多くの地元民や観光客でごった返しています。ちなみに昔からフナ広場で遊んでいるトゥフィックのようなモロッコ人は「フナっ子」というそうです(トゥフィック談)。ほんとかな?
今回宿泊するのはフナ広場近くの「リアド」。スーツケースは荷物運びのおじさんに頼んで、リアドまで歩いて向かいます。迷宮のような小道を抜けていきますから、迷うと2度と戻ってこれない雰囲気です。小道に並ぶドアのひとつを開けてもらいリアドの中に入ると、なんとも素敵な中庭が。中庭の美しさに感心しているヒマもなく、夜のフナ広場へと散策へ出かけました。


開放感あるリアドの中庭

寝室はこんな感じ(一例)

ステンドグラスのような窓


3日目 マラケシュ

本日もきれいな快晴。リアドの中庭で朝食をいただいて、マラケシュ市内の観光へ。まず初めに宮殿を工芸博物館にしたというダール・シ・サイドへ。続いて訪れたのは50年位前まで神学校として使われていたベン・ユーセフ・マドラサ。その後、スーク(市場)でバブーシュ(モロッコの革スリッパ)購入巡りへ。このバブーシュ、デザインや値段も様々で選ぶにはかなり悩むと思われます。実際、今回は1時間あまりバブーシュ選びに熱中していました。


リアドの朝食(オレンジジュースが美味)

民族衣装を着て解説中のトゥフィック
(ベン・ユーセフ・マドラサにて)


昼食後は自由行動。リアドに帰るのもよし、買い物や散策を続けるもよしです。夜はフナ広場に集合して、ベリーダンスのショーがあるレストランへ。ベリーダンスはダンスの途中からダンサーがテーブルを巡るのですが、案の定からまれました。

4日目 アイト・ベン・ハッドゥ〜ワルザザード

車でティシュカ峠を越えてワルザザードへ向かいます。途中、アルガンオイルの店にも立寄りました。アルガンというアカテツ科の木の実から搾取される油のことです。化粧品用途以外にも食用があると説明を聞いて「なるほどねー」と一同感心。
その後、ベルベル人が築いた要塞であり世界遺産のアイト・ベン・ハッドゥへ。遠景もなかなかの迫力ですが、せっかくなら中に入って登ってみようということに。しかし、猛烈な強風で目を開けていられません。特にコンタクトレンズを使用する方は、ゴーグルを持参するとどこかで必ず役に立つと思います。
なんとか強風にも負けずに頂上からの雄大な景色を薄目で確認できました。


アイト・ベン・ハッドゥ頂上付近からの眺め


5日目 トドラ渓谷〜メルズーガ


ターバン巻きます

今日はメルズーガという砂漠に近い町まで行き、ラクダに乗ってサハラ砂漠を目指します。途中、両側から高い岩壁が迫り来るトドラ峡谷にも立ち寄りました。
メルズーガ到着が少し遅くなったので、ロッジ到着後あわただしく準備をして、ラクダに「乗車」。砂漠の途中で夕陽観賞となりました。先導のベルベル人ガイドはとても目がいいのか、真っ暗な砂漠の中でもライトも点けずにすたすた歩いていきます。

すっかり夜になったところでキャンプ到着。夕食後はベルベル人スタッフが民族音楽演奏と歌を聴かせてくれました。夜空を見上げれば月も出ていて、ようやく「月の砂漠」の景色が現れてきました。初日に買い込んだワインで乾杯もしましたよ。
いつもは冷え込む砂漠キャンプですが、思いのほか暖かくて拍子抜け。日中は砂嵐だったそうで、テントの中のマットは砂だらけでしたが、寒い思いをすることなく寝ることができました。

6日目 メルズーガ〜フェズ

今日はフェズを目指して車での移動距離が長いので、早朝(夜明け前)出発です。朝日も途中の砂漠で観賞しました。我々が朝日を見ている間に先導のベルベル人ガイドはメッカの方角に向かってお祈りをしています。その敬謙さには感心してしまいました。


サハラ砂漠で夜明け待ち

朝日を浴びながら砂漠を往くラクダ隊


メルズーガのロッジに戻り、これまたあわただしく朝食を摂り、シャワーで砂を洗い流して出発です。
この日の移動距離は500km超え! 途中、イフレンという街で休憩。車を降りるとかなり涼しく、街並みがスイスのようです。聞けば標高が1700m近くあり、近くにスキー場もあるリゾート地だそうです。モロッコの意外な一面です。
日も暮れた頃にフェズに到着。この日の宿泊のレ・メリニドは、高台にありフェズ市街が見渡せていい眺めです。

7日目 フェズ〜シャウエン


フェズの超路地裏潜入(狭すぎ)

午前中は展望台や陶器工房、神学校、モスクなどメディナの中を彷徨うように散策します。
なめし皮工房にも行きました。けっこう大掛かりな手工業の風景を建物の上から見学するのですが、すごい臭いです。どんな臭いかはご想像にお任せします。工房の人が入り口でミントの束を「ガスマスク!」と言いながら渡してくれますが、気休め程度。しかし勉強になりました!

なめし皮工房
なめし皮工房(果たしてその臭いは?)
(クリックで拡大)
黄昏どきの街並みを見下ろして
黄昏どきのフェズの街並み
(クリックで拡大)


昼食後はいよいよ青の街シャウエンに向かいます。フェズからシャウエンまでは約4時間、夕方に到着です。メディナ内部には車が入れませんので、坂道を歩いてリアドへ向かいます。
夕食後はまだ周辺のお店が開いているので、冷やかし。。。と、思っていたら、皆さんの買い物スイッチがオンになってしまいました。…買い過ぎ!

8日目 シャウエン〜ラバト

午前中はシャウエンを散策します。どうやったらこんなメルヘン的な街並みができるのか感心するところですが、女性は確実にテンション上がりますね。死ぬまでに行きたい場所的な感じで紹介されていたりしますが、なるほど納得。生きててよかったです。
どこをどう歩いても青と白の壁とオレンジの屋根が続いているので、一人で歩くと迷いそうです。一通り散策し終えたら、広場のカフェでミントティーを飲んで寛ぎました。


青い街

建物ごとに青さが微妙に違う

看板だってもちろん青


昼前にシャウエンを出発して、モロッコのアンダルシアと呼ばれるティトゥアンまでは1時間ちょっと。わずか1時間余りの移動で、街並みがガラリと違います。城壁の街並みはすっかりスペインです。ここがアフリカ大陸であることを忘れそうになりました。

その後、ラバトへと向かいます。ちなみにラバトはモロッコの首都です。カサブランカが首都ではありませんのでご注意を。ラバトへ向かう途中の高速道路で大西洋が見えてきます。意外と大西洋を見る機会が少ないのでテンション上がります。しかしラバト到着時にはすっかり夜に。夕食は大西洋沿いのレストランで、てんこ盛りのシーフードフライ&スープをいただきました。また、食べ過ぎた。


ティトゥアン

シーフードフライ盛


9日目 ラバト~カサブランカ

朝食後、ウダイヤのカスバへ。庭園や美しい街並みを散策します。海が見えるテラスで、最後のミントティーを飲んでカサブランカへ出発。空港でチェックイン後、ガイドのトゥフィックとお別れして、搭乗口へ。
なぜか、なかなか搭乗の案内がありません。ほどなくして、しばらく飛行機は飛ばないという旨のアナウンスがありました。結局、4時間遅れで出発。

10日目(おまけ) ドバイ

成田行きは間に合わないけど、羽田行きに乗せてくれないかな~と、淡い期待を抱きつつドバイに到着すると、あっさり空港近くのホテルに案内されてしまいました。
1日延泊決定です。
外はモロッコ以上に暑いんですが、これも何かのチャンスとばかりに元気なメンバーで、市内循環バスに乗って、ドバイ市内を見てきました。


種類豊富で毎日食べても飽きないタジン

最後はドバイのおまけがついてしまいましたが、それもまたよい思い出になりました。
景色よし、食べてよし、買ってよしのモロッコ。
スーツケースとカメラの記録メディアは大きめがいいかもしれませんよ。
ついつい食べ過ぎるので胃腸薬もお忘れなく!


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