青の都と隊商都市をめぐる ウズベキスタンの見どころ8選

シルクロードのハイライトといえば、まずウズベキスタンの名を挙げる方も多いのではないでしょうか。「青の都」サマルカンド、レンガ色の旧市街が残るブハラ、砂漠に浮かぶ隊商都市ヒヴァ。ティムール帝国が築いた壮麗なイスラム建築の数々は、いまも往時の輝きを失っていません。
オアシスからオアシスへ、隊商が幾世紀にもわたって行き交った道をたどりながら、ウズベキスタンの見どころ8選をご紹介します。

1. サマルカンド レギスタン広場

サマルカンドのレギスタン広場
3つのマドラサが向かい合うレギスタン広場
写真:Ekrem Canli(CC BY-SA 3.0) / 出典

「青の都」サマルカンドの象徴、レギスタン広場。ウルグベク・マドラサ(1420年)、シェルドル・マドラサ(1636年)、ティラカリ・マドラサ(1660年)という3つの神学校が、広場を囲むようにコの字に並び立ちます。

青の濃淡で描かれたタイル装飾、幾何学模様、天に伸びるミナレット。シェルドル・マドラサの正面を飾る、イスラム美術では珍しい虎と太陽の意匠も見逃せません。夕暮れどきにはライトアップされ、昼とはまた違った幻想的な表情を見せてくれます。

かつてはキャラバンが荷を降ろす広場(レギスタンは「砂地」の意)でしたが、いまや中央アジアで最も美しい建築群のひとつとして、世界中の旅人を魅了しています。

2. サマルカンド グル・エミル廟

グル・エミル廟
ティムール一族が眠るグル・エミル廟
写真:შალვა მინდაძე 11(CC BY-SA 4.0) / 出典

「支配者の墓」を意味するグル・エミル廟は、中央アジアに一大帝国を築いた英雄ティムールと、その一族が眠る霊廟です。青いリブ状のドームは高さ約38m、遠くからでもひときわ目を引く存在感を放ちます。

内部を覆う黄金の装飾には、実に3kg以上の金が使われたと伝わります。中央に置かれたティムールの墓石は、黒緑色の軟玉(ネフライト)製。荘厳な空間に差し込む光が、金と青のタイルを静かに照らし出します。

この廟の美しいドームの意匠は、のちにインドのタージ・マハルにも影響を与えたといわれ、ティムール建築の到達点のひとつに数えられています。

3. サマルカンド シャーヒ・ズィンダ廟群

シャーヒ・ズィンダ廟群
タイル装飾の回廊が続くシャーヒ・ズィンダ廟群
写真:Ezma Kampir(CC BY-SA 4.0) / 出典

「生ける王の墓」を意味するシャーヒ・ズィンダは、預言者ムハンマドの従兄弟クサム・イブン・アッバースの墓を起源とする廟群です。11世紀から19世紀にかけて建てられた大小の霊廟が、細い参道の両側にひしめき合うように並びます。

一歩足を踏み入れれば、青・水色・白の幾何学模様や植物文様に覆われたタイル装飾のトンネル。歩を進めるごとに意匠の異なる建物が次々と現れ、まるで青いタイルの万華鏡の中を歩いているかのようです。

地元の人々が今も祈りを捧げる、信仰の続く聖地でもあります。観光地でありながら漂う静謐な空気が、この場所ならではの魅力です。

4. ブハラ ポイ・カラン建築群

ポイ・カラン建築群
カラーン・ミナレットとモスクが並ぶポイ・カラン
写真:Maksimsokolov(CC BY-SA 4.0) / 出典

ブハラ旧市街の中心に立つポイ・カラン(「偉大なる者の足元」の意)は、高さ約46mのカラーン・ミナレットを中心に、カラーン・モスクとミル・アラブ・マドラサが向き合う建築群です。

12世紀に建てられたミナレットは、あのチンギス・ハンの軍勢による破壊すら免れた、ブハラで最も古い建造物のひとつ。かつては旅人の道しるべであると同時に、処刑の場としても使われた歴史を持ちます。

隣接するカラーン・モスクは、中央アジア屈指の規模を誇るモスク。中庭に足を踏み入れると、千年近い時を超えて積み重ねられた祈りの重みを感じずにはいられません。

5. ブハラ アルク城

ブハラのアルク城
歴代ハンの居城だったアルク城
写真:RK(CC BY-SA 4.0) / 出典

ブハラ発祥の地とされる高台に築かれたアルク城は、5世紀頃にその起源をさかのぼるとされる城塞です。歴代のハン(君主)の居城として使われ、現在の姿は主に18世紀以降に再建されたものです。

チンギス・ハンの侵攻をはじめ、幾度もの破壊と再建を繰り返してきた歴史を持ち、城壁の内側にはかつての王宮跡や、戴冠式が行われたモスクなどが残ります。現在は博物館として公開され、ブハラ・ハン国の栄華を伝える品々を見ることができます。

高い日干しレンガの城壁越しに沈む夕日は、ブハラ旧市街随一の眺めともいわれます。

6. ブハラ ラビハウズ

ブハラのラビハウズ
池の周りに人々が集うラビハウズ
写真:Humoyun Mehridinov(CC BY-SA 4.0) / 出典

「池のほとり」を意味するラビハウズは、17世紀初頭に整備された、ブハラの旧市街に今も残る貴重な溜め池(ハウズ)を中心とした広場です。周囲には桑の古木が枝を広げ、木陰にはお茶を楽しむ人々の姿が絶えません。

池を囲むように、ナディール・ディヴァンベギ・マドラサやハナカ(修行場)といった歴史的建造物が立ち並びます。マドラサの正面を飾る、太陽に向かって飛ぶ二羽の鳳凰の意匠も、イスラム建築としては珍しいユニークな見どころです。

広場の一角には、中央アジアの民話に登場する知恵者「ナスレッディン・ホジャ」のユーモラスな像も。旧市街散策の締めくくりに立ち寄りたい、憩いの空間です。

7. ヒヴァ イチャン・カラ

ヒヴァのイチャン・カラ
城壁に囲まれた「屋根のない博物館」イチャン・カラ
写真:Ekrem Canli(CC BY-SA 3.0) / 出典

キジルクム砂漠のオアシス都市ヒヴァ。その旧市街イチャン・カラは、高さ8〜10mの日干しレンガの城壁にぐるりと囲まれた、まるごと世界遺産の「屋根のない博物館」です。1990年、旧ソ連圏で初めて世界遺産に登録されました。

城壁の内側には、50以上の歴史的建造物と250軒を超える伝統家屋が密集し、宮殿、マドラサ、モスク、ミナレットが迷路のような路地に沿って軒を連ねます。中でも未完のまま残るカルタ・ミナル(緑色のタイルに覆われたずんぐりとしたミナレット)は、ヒヴァのシンボルとして知られています。

ラクダの隊商が行き交った時代そのままの街並みは、日没後、ライトアップされるとより一層幻想的な表情を見せます。

8. タシケント ハズラティ・イマーム複合施設

ハズラティ・イマーム複合施設のミナレット
タシケントの信仰の中心ハズラティ・イマーム
写真:Bernard Gagnon(CC0) / 出典

ウズベキスタンの首都タシケントの旧市街に、この街の信仰の中心地ハズラティ・イマーム複合施設があります。16世紀に活躍した学者イマームの墓所を核に、マドラサやモスク、そしてイスラム研究所が集まる一画です。

ここに納められた「オスマン・コーラン」は、7世紀に記されたとされる世界最古級のコーランの写本のひとつ。血痕が残ることでも知られる貴重な聖典で、専用の展示室で厳重に保管・公開されています。

サマルカンド・ブハラ・ヒヴァの隊商都市を巡った旅の最後に、あるいは旅の始まりに、ウズベキスタンのもうひとつの顔である「現代の首都」を感じられるスポットです。

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