出張報告記●四姑娘山ホーストレッキング(2018年9月)

出張ツアー名 ●四姑娘山ホーストレッキング
2018年8月30日(木)~9月6日(木) 
文・写真 ● 川上哲朗(東京本社)

四川省の成都から車で4時間ほど走ると、ヒマラヤ東端の横断山脈に属する四姑娘山(スークーニャンシャン・6,250m)の威容が姿を表します。山麓にはアルプスを思わせる雄大な山岳風景が広がっており、夏はブルーポピーなどのフラワーウォッチングを、秋はカラマツの黄葉を楽しむことができるスポットとして、中国国内および全世界に向けて目下売出し中の名勝地です。

ここへは日帰りハイキング目当てで訪れる観光客が多いですが、ハイカーが大挙して訪れるエリアの一歩先まで足を伸ばし、「山中にキャンプを設営して朝夕の静かな景観を楽しむ」乗馬ツアーを作るのが今回の出張テーマ。旅は四姑娘山麓にギャロン・チベット族が暮らす日隆(リロン・3,160m)が基点となります。


ラマ寺から見る四姑娘山ラマ寺から見る四姑娘山

シャトルバスに乗って15分、ラマ寺というチベット仏教寺院(若干乱暴なネーミングに感じますが、現地でも昔からそう呼ばれているそうです)で、道中の相棒となるお馬さんと合流しました。ビックリしたのが、あてがわれた馬にハミ(馬の口に含ませる馬具。これによって人間から指示を伝える)が付いていなかったこと。モンゴルの草原ででならした私ですが、30分前に現地ガイドへ伝えた「ちゃちゃっと下見したいから、なるべく強い馬にしてね!」という言葉を後悔しました。


ハミがない!ハミがない!

しかし、ガイドは「日隆の馬は優しいから平気!」と 取り付く島もありません。根拠がない割に自信たっぷりの声に押され、渋々と馬にまたがってみると…。どうでしょう。確かにちょっとバランスを変えてやるだけで、向きや速度を自在に操れます。秋から春まで草原に放牧されるため、ともすればハミの痛みで無理やり指示をしないといけない「半野生」の馬もいるモンゴルに対し、民家の一階にある厩で家族と共に一生を過ごす日隆の馬は、自然に人間との信頼関係が築かれるのかもしれませんね。


基本、常歩(なみあし)です基本、常歩(なみあし)です

トレイルは氷河に端を発する渓流に沿って付けられており、大きな岩がゴロゴロするアップダウンが連続します。ただし、1頭1頭ごとに馬の飼い主さんが手綱を引いてくれますので、乗馬が初めての方でも問題なくご参加可能です。徒歩用のコースと乗馬用のコースが分かれているため、歩行者に気兼ねなくホーストレッキングを楽しめる点もGoodでした。




道中、立ち枯れした水没林、エメラルドグリーンの水をたたえる湖沼、樹齢数百年と思われる樹林、そして氷河を抱く高峰と、圧巻の絶景が連続します。“上高地のスケールを倍にした感じ”を想像してもらうと分かりやすいでしょうか。実際、四姑娘山の標高は穂高連峰の実に2倍近くです!


大迫力の氷河と垂壁が眼前に大迫力の氷河と垂壁が眼前に

馬に乗る事5~6時間、テントを設営する木騾子の草原(約3,600m)に到着です。下見時(9月上旬)はキャンプ地周辺に草原が広がっていましたが、6~7月にはエーデルワイス、シオガマ、サクラソウ、クサジンチョウゲ、トラノオなどが一面のお花畑を形成します。また、9月中旬以降は冠雪した岩峰と黄葉のコントラストがフォトジェニックな景観を作り出します。


日隆の花畑(イメージ)日隆の花畑(イメージ)

例によってこのキャンプサイトを上高地に例えるならば、徳沢や横尾といった所でしょうか。ほとんどの観光客は途中で引き換えしており、特に夕方から朝方にかけては「ほぼ貸切」状態で大迫力の四姑娘山と対峙できます。今回も我々以外に宿泊する人は皆無であり、深夜にテントを舐めにきたヤクの鼻息で起こされたっきり、明るくなるまで静かにぐっすり眠ることができました。


中央に清流が流れるキャンプサイト中央に清流が流れるキャンプサイト

馬好きにも高山植物ハカセにもインスタグラマーにもお勧めしたい「四姑娘山ホーストレッキング」。ぜひ、どなたも気軽にご参加ください!



<ツアーはこちら!>

チベット人ガイド同行 ギャロン地方を馬で行く

四姑娘山 ホーストレッキング5日間

出発日設定2020/06/05(金)~2020/10/16(金)
ご旅行代金278,000円~299,000円
出発地東京、大阪、名古屋、福岡、札幌
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