アゼルバイジャン

文明の十字路を旅する

アゼルバイジャンは、東西を結ぶシルクロード、南(アラビア、イラン)から北(ロシア、欧州)への交易路が交わる十字路です。古くからシルクロード交易で栄えるとともに、ペルシア、トルコ、モンゴル、ティムール、ロシアなどの大国の侵略を受け続けてきた歴史があります。今も、国内に多くの民族を抱え、隣国に異教(キリスト教)の国がある、イスラム教が大多数の国です。しかし、70年におよぶ共産主義時代を過ごしたこともあり、お酒や女性の服装などについても規律が緩やかで、ストレスを感じることなく旅行できます。

アゼルバイジャンも訪れる コーカサス周遊ツアー

ハチュカル&ラバシュ作りも体験

コーカサス3カ国周遊 9日間

出発日設定2020/06/13(土)~2020/09/19(土)
ご旅行代金401,000円~503,000円
出発地東京、大阪、名古屋
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ツアー


悠久のシルクロード大走破【第8弾】

アゼルバイジャン・ジョージア・アルメニア カスピ海から黒海へ コーカサス3カ国大横断12日間

出発日設定2020/06/19(金)~2020/09/11(金)
ご旅行代金515,000円~559,000円
出発地東京、大阪
sr-sp-gs-08 sr-sp-gs-08

ツアー

コーカサス
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アゼルバイジャンってどんな国?

コーカサス山脈の南に位置するコーカサス3か国の1つ。ほかの2国と違うのは、アゼルバイジャンだけが国民のほとんどがイスラム教徒であるということ。国旗には「三日月と星」が描かれています。
しかし、ソ連の1共和国時代を過ごしたこともあり、お酒や女性の服装などについても規律が緩やかで、私たちもほとんどストレスを感じることなく旅行できます。

北海道ほどの大きさで、1日で横断できてしまいます。9割以上がアゼルバイジャン人で公用語はトルコ語に近いアゼルバイジャン語です。
小さな国なのでシンプルそうに見えますが、実は複雑な歴史を抱えています。

周辺国との関係は、ジョージア、イラン、ロシア、トルコとは関係がよいが、アルメニアとは領土問題で航空機の往来もなければ、国境も開いてません。近年、石油、天然ガスなど豊富な天然資源を背景に安定した政権運営をしています。(共和制では珍しく、父の後を継いだアリエフ大統領が2003年以降3期目の任期中)

イスラム教徒の多いアゼルバイジャンですが、ワインはもちろんビールもあります。

イスラム教徒の多いアゼルバイジャンですが、ワインはもちろんビールもあります。

歴史

この地域には紀元前からアルバニア人(現在東欧にある国とは無関係)が王国を作っており、4世紀キリスト教を受容しました。6世紀、ゾロアスター教を国教とするサーサーン朝ペルシアに征服されますが、7世紀にはアルバニア人国家が復活します。しかし、その後、アラブによる征服(7~10世紀)、セルジューク朝支配(11世紀)中にイスラム化が進みます。そしてアラブ起源のイスラム教スンニ派のシルヴァンシャー王朝が独立・大国の属国化を繰り返しつつ15世紀まで延命しますが、モンゴル帝国(13~14世紀)、ティムールの侵攻(14~15世紀)でテュルク系民族が流入します。イラン北部に興ったサファヴィー朝により征服(16~17世紀)される中で、テュルク系イスラム教シーア派のアゼルバイジャン人が形成されていきました。18世紀まで半独立を保っていたコーカサスの小藩国も19世紀ロシアに併合されていきます。結果アゼルバイジャンの人が暮らす地域の南部はガージャール朝ペルシアに、北部はロシアに分割(1828年)されます。そのまま北部アゼルバイジャンがソ連に引き継がれ(1922年)、1991年ソ連解体後、独立し現在に至ります。

アゼルバイジャン人はこの地域に定住した遊牧トルコ系民族から始まりました

アゼルバイジャン人はこの地域に定住した遊牧トルコ系民族から始まりました

《こぼれ話》アゼルバイジャン人とは
本来、この地域はアゼルバイジャンとは呼ばれていませんでした。19世紀世界各地で民族意識が芽生える中で、17世紀ごろイランのサファーヴィ朝ペルシアの時代に、シーア派に改宗したイラン北部に暮らしていたチュルク(トルコ)系民族を総称してアゼルバイジャン(アゼリー)人と呼び始めたのが根拠のようです。当時ロシア領にあった現アゼルバイジャンのイスラム教徒の人々も共通の民族・宗教にあったため1918年の独立時に、「アゼルバイジャン民主共和国」を名乗ったのが国名として最初のもの。残念ながらその国はわずか2年でソ連共産党にまんまと吸収されてしまい、独立を果たした主導者たちも殺されてしまいます。その後、再び独立を獲得するのはソ連の解体後の1991年です。尚、ロシアに併合されなかったイラン北部のアゼルバイジャン人は、今もその地域に居住し続けており、イラン内に東・西アゼルバイジャン州が存在しています。

アゼルバイジャンの見どころ

①バクー

アゼルバイジャン バグー
旧市街と新しい町の姿のコントラストが楽しい町です。
かつては隊商で栄えたシルクロードの町ですが、18世紀までは内陸のシャマハが人口数万人を抱える大都市であったのに対して、バクーには5,000人程度の人口しかなかったようです。19世紀ロシアは併合後、石油に目をつけ採掘を推進。さらに19世紀後半にはバクーからトビリシや黒海に至る鉄道が敷設。ノーベル社やロスチャイルド社の活躍もあり、石油ブームでバクーは大発展しました。ソ連末期油田枯渇したかに思われましたがカスピ海油田発見で復活。現在発展中の町です。カスピ海岸沿いにはゆったりとした公園が整備され、丘の上にはフレームタワーと名付けられた3つのタワービルが、夜なると様々な光のイルミネーションで楽しませてくれます。


■旧市街(イチェリ・シャハル 世界遺産)

カスピ海に面した城壁に囲まれた町。人口5,000人と言われたロシア占領前の町は、この城内だけでした。中にはいくつかの古い建築物があり、地元の人も迷子になるといわれる路地が迷路のようにめぐっています。

旧市街:乙女の塔

12世紀築の高さ30mの旧市街のある塔。かつては海に面して建っていました。以前はここに拝火教の神殿があったそうです。また、「乙女の塔」の名前から「悲しいお姫様」の説話がありますが、「乙女」(アゼル語でクズ)という言葉にある「堅固な」や「難攻不落の」などの意味だと言われています。

結婚を拒んだ王女が塔の上から身を投げたなどの伝説も残る乙女の塔

結婚を拒んだ王女が塔の上から身を投げたなどの伝説も残る乙女の塔

旧市街:シルヴァンシャー宮殿(バクー)

15世紀、シルヴァンシャー王朝34代目のハリルラ1世が建築しました。 宮殿、丸屋根のモスク、ディワンハーネ(謁見の間)、王族の霊廟、聖者の霊廟、浴場跡、マドラサ(学校)跡など が残されています。

地震で壊滅したシャマハから遷都したシルヴァンシャー王朝は15世紀ここで復活します

地震で壊滅したシャマハから遷都したシルヴァンシャー王朝は15世紀ここで復活します

旧市街:シャマハ門

バクーの旧市街の城壁に残る、当時のキャラバン隊が通った門で12~14 世紀頃に建造されました。門の上には両脇に太陽と月を従えた牡牛の頭と、それを両側からライオンがにらむ紋章が彫られています。牛は牧民が暮らすバクーの町をライオンはその守護者を。脇の太陽と月は1日中、町を守っているの意味をもっていると言われています。

シャマハ門の上の彫られた紋章

シャマハ門の上の彫られた紋章


ヘイダル・アリエフ・センター

近未来的なフォルムが特徴の、2012年に完成した現バクー市内にある、前大統領の名前を冠した文化センター。2020年東京オリンピックの新国立競技場設計者で有名になった建築家ザハ・ハディッドさんです。

上空から見ると大統領のサインの形になっているとか

上空から見ると大統領のサインの形になっているとか

拝火教寺院(アティシュギャーフ)

バクー郊外に建つ壁に囲まれた寺院。18世紀、貿易でやってきたインド人がここに寺院を作り、宿舎兼用で生活していました。現在は博物館のようになっていて人形を使って当時の暮らしぶりを再現して楽しく見学できます。近くには地表に出た天然ガスが自然発火して燃えているヤナルダグ(燃える山)があったりして、昔の人々はそこに神秘性、神聖を感じていたのではと想像が広がります。

博物館には病気になったシーン、祈りのシーン、修行のシーンなどが見られます

博物館には病気になったシーン、祈りのシーン、修行のシーンなどが見られます

地表が燃え続ける不思議な場所ヤナルダグ

地表が燃え続ける不思議な場所ヤナルダグ

ゴブスタン(世界遺産)

バクーから南に約50㎞。踊る人、狩猟動物、戦い、闘牛、小舟、ラクダの隊商など5000~20000年前に描かれたとされる岩絵があります。ローマ時代のポンペイウスの部下が、書いた落書きが残されています。隣接する博物館や近くの泥火山も訪れます。

地殻変動でできたのか、巨石が複雑に重なり合っている場所にあり散策も楽しいです

地殻変動でできたのか、巨石が複雑に重なり合っている場所にあり散策も楽しいです

②シャマハ

かつての古都とは思えないほど静かな場所にあります

かつての古都とは思えないほど静かな場所にあります

バクーから西に約120㎞のところにある古都。かつてのシルクロードの要所でした。今はワインの産地。イエディ・グンバス廟は、ロシア占領までの18~19世紀の当地を支配していたシェマハ・ハーン家の7つの廟。4つは半壊していますが、八角形の建物の上に円形のドームを載せる建築の工夫が見られます。


《こぼれ話》シルヴァンシャー王朝
9世紀アッバース朝末期から16世紀まで続いた世界最長のイスラム王朝。当初シャマハに拠点を置くアラブ部族の王朝でしたが次第にイラン化しました。11世紀セルジューク朝に攻められ属国に。12世紀後半セルジューク朝の衰退を見るや独立。その後、隣国ジョージアやセルジューク朝の末裔王朝との間で生き残りを図ります。シャマハ大地震の後バクーに遷都。しかし13世紀以後モンゴル帝国やティムールに侵略され再び属国に。15世紀ティムール朝末期に独立を取り戻し、バクーに宮殿を建設します。しかし、最後は16世紀イランに興ったサファーヴィー朝により滅亡しました。

③ラフジュ(ラヒック)

1,000年前ペルシアから移住してきた人々が暮らす山間の村。鍛冶と絨毯などのフェルトの村。今もペルシア語に近い言葉を話しているそうです。高度が高いためバクーなどから来るとぐっと寒く感じます。

ラフジュまではこんな山道もあります

ラフジュまではこんな山道もあります

タイムスリップしたような街並みを歩きます

タイムスリップしたような街並みを歩きます

④シェキ

バクーから西に約300㎞にある町。町の起源は古いのですが18世紀のキシュ川の氾濫があるまでは、現在の町と川を挟んだ対岸に町がありました。19世紀以後、絹織物の産地として発展しました。

キャラバンサライ(世界遺産)

18~19世紀にかけてシルクロードの隊商に利用されていた宿(キャラバンサライ)。アゼルバイジャンでも最大のもので、現在、リノベーションしてホテルとして利用されています。この宿のある通りは石畳が敷き詰められ歴史的情緒が感じられます。

広い中庭があります、かつては1階に馬、2階に商人が泊ったのでしょうか?

広い中庭があります、かつては1階に馬、2階に商人が泊ったのでしょうか?

通りに沿って、小さな店が並んでいます。ウィンドゥショッピングも楽しめます。

通りに沿って、小さな店が並んでいます。ウィンドゥショッピングも楽しめます。

シェキ・ハーンの夏の宮殿(世界遺産)

18世紀後半~19世紀、この地方を治めた王の居城。小規模ながら細密画やステンドグラスなどの細工はこまやかで必見です。

2階建ての小さな建物です

2階建ての小さな建物です

内部は贅を尽くした装飾がなされています

内部は贅を尽くした装飾がなされています

アルバニア教会(12世紀)

シェキの町から約5㎞。村中の細い道を上り詰めたところにある教会。発掘作業で見つかった人骨を調べてみたら「2.5mもの巨人」サイズ。「古代ここに巨人が住んでいたとの伝説」を生んだ教会。12世紀の小さな教会。現在は小さな博物館になっていて、発掘された人骨なども見学できて面白い。

オリジナルは1世紀にさかのぼるそうです

オリジナルは1世紀にさかのぼるそうです

アゼルバイジャンへのアクセス

空路

現在、アゼルバイジャンの国際線空港はバクーです。日本からの直行便はありませんが、ドーハ(カタール航空)、ドバイ(エミレーツ航空)、イスタンブール(ターキッシュエアラインズ)などからフライトが乗り入れています。ただシーズンによってスケジュールが変わりますのでご注意下さい。
バクーへはカタール航空での乗り継ぎが最も便利です。(2020年3月調べ)

カタール航空利用の場合

東京・大阪  ドーハ  (約9時間半~11時間半)気流の関係で行きの方が1時間ほど長いです。
ドーハ  バクー (約3時間)

陸路

陸路では、ジョージアとイランからの出入国が可能です。尚、隣国のアルメニアとは領土問題で現在国境は閉鎖されていますのでご注意下さい。

アゼルバイジャンの気候と服装

北、西、南の三方を山に囲まれたアゼルバイジャン。北の大コーカサス山脈には国内最高峰ハザルジュズ山(4466m)があります。国の北西部(ジョージアとの国境)からクラ川が、南西部(イランとの国境)からはアラス川が国の中央を流れ、東のカスピ海へ注いでいます。半砂漠もあり、さまざまな気候帯を内包する国ですが、基本的に四季があり、東京あたりと似た気温です。ただ、バクーやシェキなど観光ルートに点在する都市は概して乾燥しているのと、少し朝晩の冷え込みが強い点ご注意下さい。
     
※いずれの季節も日中と夜間の気温差が激しいので、重ね着できる服をお持ち下さい。

東京の気温などと比較しながら服装をご用意下さい。大まかなイメージでは、25℃以上なら半袖でもOK。25℃を切ると長袖、20℃を切ると秋物セーターかカーディガン、15℃を切ると冬物セーターやフリース、10℃を切るとコートまたはダウン。最高気温だけでなく、最低気温も見比べ重ね着の準備をして下さい。

アゼルバイジャンの気温と降水量

最高気温(℃)  最低気温(℃)  降水量(mm)

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
バクー(標高500m)
※首都
6.7 6.3 9.9 16.7 22.4 27.4 30.6 30 25.8 19.7 17.2 9.7
1.8 1.6 3.8 8.9 14.2 19.1 21.9 22.5 18.9 13.1 11.7 4.3
23 18 24 28 23 15 8 9 18 32 33 27
ラヒジ(標高約1300m) 3.7 4.1 8.2 16.4 21.2 25.8 29.8 28.8 24.2 16.7 10.7 6.4
-3 -2.5 0.8 6.7 11.2 15.4 18.4 17.6 13.7 8.1 3.9 -0.8
33 37 61 77 92 82 50 43 46 52 39 34
シェキ(標高約500m) 4.7 5.4 9.8 17.9 22 26.2 30 28.7 25 17.8 13.5 7.5
-2 -1.3 1.9 7.4 11.9 15.9 19.1 18.4 14.6 8.8 6.2 0.5
31 46 58 74 90 84 53 51 50 82 48 28
東京(標高:約24m)
※比較用参考データ
9 10 13 18 22 24 28 30 26 20 16 11
1 2 5 10 14 18 22 24 20 14 9 4
50 72 106 130 144 176 136 149 216 194 96 54


アゼルバイジャンの基本データ

正式名称 アゼルバイジャン共和国 Republic of Azerbaijan
国旗
アゼルバイジャン国旗
首 都 バクー
人 口 約990万人(2017年)
面 積 約86,600km2(日本の約4分の1)
言 語 公用語はアゼルバイジャン語(トルコ語、トルクメニスタン語に近い)
民 族 アゼルバイジャン系(92%)、レズギン系(2%)、ロシア系(1%)、アルメニア系(1%)など
宗 教 イスラム教(シーア派が約7割、スンニ派が約3割)が90%以上。宗教の自由は保障されています。
通 貨 アゼルバイジャン・マナト ※1アゼルバイジャン・マナト≒62円(2020年3月現在)
時 差 日本時間から5時間遅れ ※夏時間(サマータイム)はありません
電 圧 220V 50Hz ※プラグはCタイプ(2つの丸穴)


<アゼルバイジャンを訪ねるツアー>

ハチュカル&ラバシュ作りも体験

コーカサス3カ国周遊 9日間

4名催行早割

2020/06/13(土) 2020/06/13(土) 2020/07/18(土) 2020/07/18(土) 2020/08/29(土) 2020/08/29(土) 2020/09/19(土) 2020/09/19(土)
ご旅行代金401,000円~503,000円

8名催行添乗員早割

2020/06/19(金) 2020/06/19(金) 2020/07/24(金) 2020/09/11(金)
ご旅行代金515,000円~559,000円