中米歴史探訪~先コロンブス時代とスペイン人入植黎明期の史跡・出土品~
中米には、コロンブスが「発見」し、スペイン人が入植する以前から、マヤをはじめ独特の文明が繁栄を極めていました。
グアテマラのティカルやキリグア、ホンジュラスのコパン、エルサルバドルの遺跡群、ベリーズの遺跡群。
今回はそれら主要な遺跡に加え、コスタリカの博物館に展示されている先コロンブス時代の出土品、ニカラグアのオメテペ島に残された線刻画や石像を見学します。
中米を太古から支配していた先住民族の文化と、中世に入植したスペイン人がもたらした文化とが交差する中米で歴史を辿ります。
ソフトタコスのような皮で具を包んだププサ、やきとりのようなピンチョなど、食文化の多様さも中米の魅力のひとつです。
パナマ
旅の始まりはパナマ。中米と南米とを結ぶ地峡を有する国で、パナマ運河の存在で広く知られています。スペインが太平洋岸に初めて入植したパナマ・ビエホ、スペイン植民地時代に築かれたカスコ・ビエホ、そしてパナマ運河のミラフローレス閘門を見ます。小栗忠順や勝海舟が渡米した際、小栗の所属していた遣米使節本隊は、太平洋側から大西洋側に移動する際、パナマ地峡を走る鉄道に乗っています。今回は閘門にて、運河を通る船を見物します。
コスタリカ
コスタリカの首都サンホセにある3つの博物館。そのうち、国立博物館には世界文化遺産に登録された「ディキスの石球のある先コロンブス期首長制集落群」から運ばれた丸い石があります。世界遺産でありながら、アクセスが困難なことで観光地から漏れてしまったディキスの石球を実際に見ることができます。また、古代遺跡から出土した土器や石像など、興味深いものが多く、コスタリカが動物や鳥、火山や温泉だけの国ではないことを教えてくれます。
ニカラグア
かつては社会主義陣営にあり、観光客は歓迎されなかった国。査証(ビザ)や強制両替も必要でした。写真撮影はほぼ禁止で、カメラは鞄にしまっておくよう誓約させられたり。しかし現在では観光にとても力を入れています。今回はニカラグア湖に浮かぶオメテペ島の線刻画のある石や、アルタグラシアの街にある儀式の衣裳をまとったとおぼしき人物の像などを見ます。モモトンボ山の噴火で滅びた入植者の集落遺跡である「レオン・ビエホ」も訪れます。
エルサルバドル
中米で唯一カリブ海に面していない国。海は太平洋だけ。かつてこの国はタオル産業で有名な国で、エルサルバドル製のタオルは高品質ともてはやされていた時代もありました。今回はエルサルバドル国内に残る3つの遺跡を訪れます。世界文化遺産に登録されたマヤ文明の集落遺跡の「ホヤ・デ・セレン遺跡」、火山灰い埋もれていた「サン・アンドレス遺跡」そして生贄伝説のある「タスマル遺跡」。規模は小さいながらも、貴重な遺跡の数々を訪れます。
ホンジュラス
動乱により、一時は国内移動もままならなかったホンジュラス。そのホンジュラスを代表する遺跡がグアテマラ国境に近い「コパン遺跡」。古典期マヤの大遺跡で、王の名前を記した神聖文字により、十六代の王がこの地を統治していたことがわかっています。7世紀の終わり、十三代国王のころ、コパンは最盛期を迎えたと考えられます。周辺を切り従え、深い浮き彫りや丸彫りの技術が生み出され、コパン独特の様式をそなえた石像等が多く作られました。
グアテマラカ
グアテマラではまず、コパンからほど近いキリグア遺跡を訪れます。ここは古典期マヤに栄えた都市の遺跡で、碑文の存在で有名です。また、ペテン湖のある密林地帯に点在するピラミッド群。その中心となるティカル遺跡を訪れます。紀元4世紀から9世紀にかけて繁栄を極めた都市遺跡です。熱帯雨林の中に築かれたティカルの都市には、最盛期は6万人もの住民がいたとか。アステカと攻防戦を繰り広げ、869年を最後に放棄されるまで、繁栄が見られます。
ベリーズ
スペイン語が飛び交う中米にあって、唯一英語が公用語のベリーズ。中世はグアテマラからカリブ海に面した部分を「借用」していたイギリスが、やがてその地域を保護領として「英領ホンジュラス」と命名。現代に入って独立させたという異色の国です。グアテマラがいまだベリーズの独立を認めたがらないのはそのような経緯があるから。このベリーズにも重要なマヤ文明の遺跡が数多く残っています。今回はカラコル遺跡を訪れ、観光します。
◆カンクン(メキシコ)
午後から夕方にかけて、カンクンで飛行機の乗り換え待ちをします。カリブ海随一の行楽地カンクンで、カリブ海を見てみましょう。ツーリスティックゾーン(観光エリア)にあるカフェに入って、本場のタコスやエンチラーダス、あるいはシーフードをつまんでみるのもよいでしょう。昼食は現地清算ですが、添乗員がお店を選び、ご案内します。カフェでは、ドリンクを片手にカリブ海に沈む夕日をみながら、旅の思い出を語り合う時間を楽しみましょう。
中米縦断バスの旅
中米では国際バスが活躍しています。
南からパナマ~コスタリカ~ニカラグア~ホンジュラス~エルサルバドル~グアテマラ・・・そしてメキシコのタパチュラまで。
一社でこのルートを運行しているのは、TICA BUS(チカ・ブース)です。
70年代~80年代のバックパッカーたちが利用していた歴史ある国際バスです。
今回は中米縦断バスの旅の第一弾としてニカラグアのマナグアからグアテマラシティに抜けるルートを販売します。
企画・同行予定添乗員
世界200カ国以上を歩いた“旅の鉄人”
立花 誠 (たちばな まこと)
風の旅行社に最初に入社したのが1996年4月。それから2003年まで在籍。その後、20年間の空白期間を経て2023年4月に風の旅行社に復帰。小学生のころ、中国文化の展覧会で翡翠の棺を見て、「日本の外の文化」に興味を持つ。初めて行った国は燐鉱石の輸出で世界屈指の裕福な国であったころのナウル共和国。それ以降、文化的なテーマを決めて海外旅行を続け、気が付いたら行っていない国はイスラエルとコソボだけに(2025年03月現在)。国内では「神話・伝説」に興味を持ち、紀伊半島や奈良、伊豆等を頻繁に訪れた。現在、風の旅行社でチベットやブータンを担当。趣味はコイン、紙幣、切手収集。好きな食べ物はダルバート、タジン(モロッコ)、シシカバブ、シャコのお寿司、ぼたん鍋。