―福島県・飯舘村の”環境”を、講師の矢野淳さんと三澤浩昭先生、田尾陽一さんに聞きながら、私たちの未来について考える旅です―
「いいたて環境ミュージアムツアー」は、参加者の皆さまを「多様な環境の探索者」に見立て、放射線の謎、土壌の再生、動植物の生命、森林の息吹、さらには宇宙の鼓動まで、五感を通じて飯舘村の多彩な環境を体感する新しいエコツーリズムです。
この飯舘の地を観測し続けている観測者たちが皆さまをご案内します。
飯舘村で育まれた食材を使用した創作料理や郷土料理のフルコース、飯舘牛を自分で選ぶ豪華な宴もツアーの魅力のひとつ。
視覚、味覚、聴覚、触覚を総動員して、村全体を「いきる博物館」として楽しむ二泊三日の環境探索ツアーです。
※【図図倉庫】https://www.zuttosoko.com/
2011年、福島第一原発事故の影響で全村避難になった福島県飯舘村。村の中心地にあったホームセンターも営業を停止します。
それから10年、廃屋となっていた1000平米の建屋を舞台に、村民・研究者・ボランティア・アーティストが集まり、分野横断の環境ラボ「図図倉庫」プロジェクトが始動しました。
ここに訪れる様々な人々の手で作り上げていく、場づくりもまた飯舘村の未来に向けた実験の一つです。
※長泥地区
長泥地区は飯舘村の中で唯一2023年5月まで避難指示解除が長引いた村内最南端の地区です。村内の除染によって出た除去土壌を再生資材化し盛土する事業を環境省が行なっています。
本ツアーでは、世界の人々が共に考えなければならない原発事故後の大地の現実課題や、飯舘村の土の環境のこれからに触れることができる場所としてご案内します。
※比曽の石切場跡
比曽の石切場跡は、かつて飯舘村の主要産業であった石材産業の跡を見ることができます。かつての村の人々が山の環境を読みながら石を切り出し作った林道を、石材と水路の跡を辿りながら歩いていくと石切によってできた小さな湖にたどりつきます。村民の自然と共存する生き方と、その歴史によってできた風景を感じながら歩く探索路です。
「ふくしま再生の会」理事長
田尾 陽一 (たお よういち)
(特定非営利活動法人「ふくしま再生の会」理事長) 1941年神奈川県生まれ。元物理研究者。東大大学院物理専攻修士課程修了(高エネルギー加速器物理学)。IT企業の経営や社会システムデザインの研究など多岐にわたる活動ののち、福島県飯舘村に移住している。若者の力、シニアの経験を集め世界の被災地「ふくしま」の再生を目指す”自然と生活の再生に集う「ふくしま再生の会」”開設。著書に『飯舘村からの挑戦 自然との共生をめざして ちくま新書』がある。
東北大学准教授
三澤 浩昭 (みさわ ひろあき)
(東北大大学院理学研究科 准教授 博士(理学) 附属惑星プラズマ・大気研究センター 惑星電波観測研究部(惑星電波物理学分野)) ○研究テーマ 太陽活動が活発化すると出現する、人類の宇宙・高空活動に危険を及ぼす高エネルギー粒子放出現象について、その特徴や早期警戒方法について、地上からの太陽電波観測に基づき研究しています。 ○研究キーワード 太陽プラズマ物理学 / 宇宙天気 / 惑星磁気圏物理学 / 電波観測
「ふくしま再生の会」
矢野 淳 (やの じゅん)
(株式会社MARBLiNG代表取締役) 東京都出身。 2011年に認定NPO法人ふくしま再生の会を飯舘村村民と協働で立ち上げた父・田尾陽一の影響で、高校生のころから飯舘村にかかわり続ける。 2020年、東京藝術大学建築科卒業。 現在は飯舘村と東京の二拠点で活動し、2021年に合同会社MARBLiNGを共同代表として設立(2024年に株式化)。飯舘村のホームセンター跡地に、村の人と共に飯館の資源を利用して作りあげた環境づくりの秘密基地「図図倉庫(ズットソーコ)」を企画運営・空間プロデュースしている。
飯舘村で起こっている様々な環境への研究や取り組みを読み解き伝えるための活動を行っている。