港での水際対策

全国旅行支援が10/11から始まるが、県によって対応が分かれ、既存予約への適用についてもバラつきが出ている。しかも、旅行会社で決めることもできるので、旅行会社の中には、システム改修が間に合わず、既存予約への適用は止めて新規予約のみにするところも出そうだと聞いている。旅行会社でバラつきがでれば、消費者からのクレームは旅行会社に向けられる。そうした事態は何とか避けたい。

そもそも、全国支援に旅行会社が参加するには各県へ参加申請が必要だが、10/6の朝11時時点でもまだ10県ほどしか申請できない。他の県は準備中のままである。週明けにはサービスが始まるのにこれではやりようがない。そんな事情で、明確なことが申し上げられない状態だが、弊社も10/11までには何らかのご案内をしたいと考えている。もう少しお待ちいただきたい。

さて、10/11から、水際対策も大幅に緩和される。しかし、驚いたことに港で外国船を迎えるときの検疫は何も変わっていない。あのコロナ禍が始まった時のダイヤモンド・プリンセス号の感染騒動から2年半が過ぎたが、今に至っても、一人でも船内感染者が出ると港に接岸できず、検疫官が乗り込み約5時間近く検査に時間がかかるというのである。これでは、事実上、感染者が出てしまうとクルーズが続行できない。

これは未知の感染症に対する原則的な検疫の仕組みだが、コロナは、もはやそれほど恐怖する感染症ではなかろう。どうしても、私たちの目線は航空路線での出入国に集中してきたが、まさか、海港は検疫方法の緩和がなされず、10/11以降も変わらないとは夢にも思わなかった。

昨日、10/5も日本旅行業協会(JATA)で改善要望に出かけた。こちらの申し出の趣旨は理解してくれたが、何せ時間がない。何故なら今月は、2023年の外国クルーズ船の配船決定のデッドラインとなっているからだ。もし、ここで日本政府が、海港での検疫の緩和策を発表しないなら、来年は1隻すら海外クルーズ船は日本に来なくなる。その損失額は1300~1500億円。一旦、日本配船がとまれば、数年は日本に外国クルーズ船が来ないという事態も考えられる。クルーズを扱う会社は、大手以外に小規模でも専門店が多い。一年間、外国船の仕事ができなったら大打撃である。

弊社でもダイヤモンド・プリンセス号を扱っている。外国のクルーズ船に乗られた方ならお分かりと思うが、例えば横浜から出発して次の目的地が仙台であっても、横浜での乗船時にパスポートが必要になる。要するに乗船=出国ということになる。逆に仙台で下船するときは、下船=入国となり検疫が必要になる。その後の日本の港は国内扱いになるが、この仕組み自体も時代錯誤な感じがする。

一旦、検疫に壁ができると、出入国管理上の出入国手続き以上にハードルが高くなることを、コロナ禍で私たちは嫌というほど思い知らされた。港は、何もかもが旧態依然としているなどといわれるが、トップダウンで決めていただくしかないようだ。

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