初場所観戦

大相撲の2026年の初場所は新大関安青錦の連覇で幕を閉じました。
中日を迎えるまでは両横綱が新鋭の義ノ富士に敗れたものの1敗をキープし、上位陣も安定していたのですが、中日、9日目と両横綱がまさかの連敗。大の里に至っては先場所痛めた左肩の故障の影響か3連敗を喫して優勝戦線から脱落。新大関の安青錦、元大関の霧島、いよいよ覚醒した?「大器」熱海富士、優勝経験もある伏兵・阿炎、地獄から這い上がってきた元大関・朝乃山らによる大混戦となりましたが、最後は優勝決定戦で安青錦が意地を見せて、勢いに乗る熱海富士に逆転勝ち、と盛り上がった場所でした。

さて、そんな初場所でしたが、縁があって7日目のチケット(2階の椅子席)を入手することができたので、国技館での生観戦は初めてという父親を連れて久々に「現場」観戦をしてきました。桝席にずっと座っているのはちょっと厳しいという老人には椅子席のほうがよいそうです。

午後2時ごろに両国駅に着くと、相撲を見に来た観客ですでに賑わっています。駅前のコンビニに入ると、着物姿の力士も買い物をしています。鬢付け油のいい匂いが漂ってきて気分が上がります。ちょうど幕内力士が入場する頃合いなのか、力士の名前が書かれた幟が並んでいる入場口付近には御贔屓の力士を一目見ようとファンが人垣を作っています。これだけで気分が高揚してきます。

場内に入って気付いたのは外国人の多さです。2階席(椅子席)の3分の1くらいは外国人?という感じでした。英語の話せるガイドさんが少人数のグループを率いて、場内を説明しています。外国の方は購買意欲も高いようで、Tシャツやタオルなどのお土産物もドシドシ購入し、1杯800円もする割高の生ビールをグイグイ飲み、つまみのお寿司や焼き鳥を楽しんでいました。円安でとても割安に感じられるのでしょう。インバウンドの盛り上がりをここでも見せつけられるようでした。
その他にも、ご家族連れの姿も多く、子供たちがかわいい声で「ほーしょーりゅー」「おおのさとー」などと力士に声をかける様子にはほっこりさせられました。

ただ、まだ中日前ということもあってか、外国人が多いからか、土俵上の勝負の行方にはあまり興味がない方も多く、緊張感が高まっている幕内の好取組の直前でも周囲とのおしゃべりが止まらず、行司の「まったなし」の声がかかっても、場内のざわざわした雰囲気が静まりません。勝負の前の「水を打ったような」静けさが感じられず、非常に残念でした。
最近、立ち合いの直前、しきりに入った場面での大声でのコールや、取り直しを求めての手拍子など、観客の観戦マナーが問題になっていますが「これか」と実感しました。

しかし、これは本当に観客の問題なのでしょうか?
これほど多くの外国人の観客や、相撲にあまり関心のなかった新しい層の観客が観戦しているのに、場内に外国語はもちろん日本語でも観戦マナーを呼びかける工夫はほとんどありません。(入場口で観戦マナーを書いたパンフレットは配布されていましたが…。)

テニスのサーブ前や、ゴルフでパットを打つ前には係員が静かにするように札を上げて注意を促します。野球場でもファールボールに注意するように絶えず放送がかかります。大相撲でも取組が時間いっぱいになったら静かにするように場内放送などで呼びかけたり、「Quiet」の札を掲げるとか、工夫できないものでしょうか? 力士の集中力を奪い危険ですし、場内の盛り上がりも覚めてしまいます。
また、際どい勝負の際にも、大型モニターもないのでリプレイ見られません。勝負審判の親方の説明も必ずしも明瞭ではないので、細かいところは後でニュースやネットで確認が必要です。AMラジオで場内解説も聞けるのでラジオを持ち込めば、解説は聞けるのですが、せっかく現場にいるのですから、臨場感を大切にして欲しいものです。

大相撲は取組前の「仕切り」と呼ばれる所作の時間が長く、他のスポーツ観戦に比べて、実際にプレーしてる時間が短いので、家族や友人と、お弁当を食べたりお酒を飲んだりしながらノンビリ楽しめる雰囲気も魅力のひとつです。騒がしい場内放送や、大型スクリーンの設置は、その良さを半減させるという話も理解できます。

伝統的な大相撲の良さも残しつつ、現在抱えている問題を上手に解決する、言い換えると古いファンを大切にしつつ、新しいファンも取り込む。どの業界でも直面する問題だと思います。相撲協会には難しい選択が迫られているのだと思いますが、是非とも改善をお願いしたいものです。

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