崎尾均先生の植物学講座 植物と森林の不思議を探る・海外編 第1部:世界の気候と生物
世界には多様な生態系が分布し、そこには様々な生物が生息している。森林や草原などの陸上生態系には地球の歴史の中で最も進化した動物や植物など多くの生物が分布している。これらの生物の分布は,地域の気候によってほぼ決められているが、歴史的には地球規模での大陸移動と気候変動が大きく影響を与えてきた。このような視点から、私が実際に訪れた海外の自然について紹介する。
第2部:世界の気候と生物。
※全8回の講座です。
《配信形式》ZOOM 見逃し配信も予定しています。
《参加費》3,300円/回 全4回一括申込の場合:12,000円
《見逃し配信公開期間》全回共通:2026年8月22日(土)迄
《各講座の内容》
第5回 6月17日(水) 世界の気候と生物(4):熱帯編2 マダガスカル
アフリカ大陸の東に位置するマダガスカル島は独特の生物が進化したことで知られている。西部の乾燥地帯にはバオバブを含め乾燥に適応した植物が分布し、東部の雨量の多い地域には熱帯雨林が広がっている。また、キツネザル、カメレオンなど独特の動物も進化してきた。これらの森林や生物の多様性とともに、開発によって拡大してきたユーカリの人工林についても紹介する。
第6回 7月01日(水) 世界の気候と生物(5):オーストラリア編2
オーストラリアの西海岸は世界的な生物多様性のホットスポットとして知られ、砂地に発達した背の低い硬葉樹林(クウォンガン)が広がっている。ここの植物は栄養分の乏しい砂質土壌に適応しており、森林火災の時に更新する植物が多いのが特徴である。一方、メルボルンの南に位置するタスマニア島の森林は、オーストラリア大陸本土とは大きく異なり、冷温帯雨林が発達しているのが最大の特徴でる。ナンキョクブナや古代の針葉樹などゴンドワナ大陸の面影を強く残している。
第7回 7月15日(水) 世界の気候と生物(6):中国編1 雲南省
中国雲南省の麗江(れいこう)や老君山(ろうくんざん)を含む北西部は、世界的な生物多様性のホットスポットとして知られている。この地域は,ヒマラヤ山脈の東端にあたる「横断山脈」の一部であり、峻険な地形と劇的な標高差が、多様な森林相と植物相を育んでいる。標高の上昇とともに、雲南松などのマツ類や常緑のカシ・ナラ類からモミやトウヒ類の亜高山針葉樹林へと変化している。また,かつてプラントハンターたちによって欧米に紹介され、世界の園芸文化に大きな影響を与えたシャクナゲやサクラソウなどの高山植物も豊富である。
第8回 7月22日(水) 世界の気候と生物(7):ヨーロッパ編1 ジョージアなど
コーカサス山脈の懐に抱かれたジョージア(旧グルジア)の森林は、西部の湿潤な亜熱帯性気候から、東部の乾燥した大陸性気候、そして高山帯まで、極めて多様な垂直分布と「第三紀遺存種」の宝庫である点が最大の特徴である。河川沿いの堆積地や湿った土壌には、ヨーロッパでは絶滅したコーカサスケヤキやコーカサスサワグルミが、下流域の河岸にはグルチノーザハンノキが分布している。これらの樹木がいかに氷河期を生き抜いてきたかを紹介する。

佐渡島,只見の森に精通する植物専門家
崎尾 均 (さきお ひとし)
Botanical Academy 代表、新潟大学名誉教授(新潟大学佐渡自然共生科学センターフェロー)
大阪府出身、埼玉県の林業職を経て、2008年から新潟大学佐渡演習林教授に,2021年退職後、Botanical Academyを設立。博士(理学)、専門は森林生態学、特に水辺の樹木の生活史や保全について研究。現在も佐渡島、屋久島、秩父、只見、富士山をフィールドとして研究。森林や植物に関してセミナーや講義、自然ガイドやサイエンス・カフェなど情報発信を行なう。 NHKドキュメンタリー「伝説の超巨大杉を追う」、「ダーウィンが来た!」、「石丸謙二郎の山カフェ」などに出演。環境水俣賞、尾瀬賞、生態学会大島賞、日本森林学会賞など受賞。著書に「水辺の樹木誌」(東大出版会)、「樹に咲く花−山渓ハンディ図鑑」(山と渓谷社/共著)、「ここがすごい!水辺の樹木 生態・防災・保全と再生」(築地書館)
ホームページhttps://riparian-forest.jimdofree.com





