信州遠山郷・霜月まつりへ Part3

つむじかぜ162号より


「今回のメルマガで南信州の遠山郷のことを取り上げられましたが、すぐ隣の遠州に住んでいた者としてうれしく思います。」というメールを静岡市にお住まいの方から戴きました。嬉しいお便りありがとうございます。

霜月祭りは、愛知、静岡、長野の県境部「三遠南信」地域で、別名「花祭り」とか「冬祭り」という名称で今も行われています。ですから、遠州にも大いに関係ありなのです。この地域は、どこも山深いところですが、昔から人の交流が盛んで、経済的にも文化的にも行政的な区割りとは関係なく一体だったと想像できます。祭りの内容はとてもよく似ています。是非、下記のホームページをご参照下さい。
→ 参考:飯田市ホームページ「遠山霜月まつり」

さて、私たち一行は、12/1(土)朝の10時半に中立集落にある稲荷神社に行きました。下栗の里の中腹にある宿から一時間ほど歩いて行きました。ちなみに、この宿は、宮崎駿監督の定宿になっています。霜月祭りは「千と千尋の神隠し」のあの油屋という湯治場に八百万の神々が訪れるというお話に、大きな影響を与えたと言われているそうです。
→ 参考:信州の旅.com「日本のチロル 下栗の里 -南信州遠山郷-」

稲荷神社の本殿に入ると、村の方々の準備が終わり、祭りを始める前の食事を取ろうとされていました。私たちも、本田の床に座り、車座に加わって食事を頂きました。朝ごはんからまだ間もなくて、皆さんとても食べられる状態ではありませんでしたが、今日はお祭りだからと村の人たちの輪に入っていただきました。この祭りは、とにかく、休んでは酒を飲みます。朝から、やかんで燗酒が注がれ湯飲みで飲みます。食事は、朝から女衆が用意した煮物とか、奴豆腐、味噌味の焼きおにぎりなどです。そして、何故か、焼き秋刀魚が一人一匹ずつ新聞紙に載せられて配られていました。何でも、由来があるんじゃないかと思い、どうして秋刀魚なんですかとお尋ねすると、「昔からさ。安いからね」とちょっと肩透かしを食いましたが、由来を気にするのは外者だけで、村の方々は、慣わしで自然に行っているんだとおもいます。

本来、霜月祭りは、夕方から始まって朝方まで行うのですが、この地区では、それでは大変だからと、時間をずらして昼から始めるように最近変わったそうです。でも、中身は省略できない。と力説しておられました。祭りへのこだわりがどなたも強いのです。もちろん、こんな最初から見学しようなどという酔狂な見物人は、私たちだけでした。

さあ、これから、夜中まで、祭りは続きます。
(つづく)

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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