旧友

つむじかぜ247号より


9月6日の日曜日に、何人かで連れ立って大学時代の友人の墓参りに行くことになった。3月には別の友人が、くも膜下出血で亡くなったばかりだから、50歳を超えるとこういうことも増えてくるのかと改めて思う。

彼は、大学時代に新聞部に所属していて、卒業と同時に朝日新聞社に勤めた位だから優秀であった。しかし、不器用だったのか、それとも記者より編集の方が向いていたのかは分からないが、雑誌「太陽」の編集部にいた。身長は、180cm近くあったと思う。がっちりした体躯をしていたが、ヌボーっとしていて、何時も低い声でボソボソと話していた。

私が旅行の仕事をするようになってからも、何度か、航空券の問合せを受けたことがあるが滅多に会うことはなかった。人柄は、朴訥として生真面目さを感じさせるなかなかの好漢であった。私は、結構、彼と話すのが好きだった。

そんな彼が、7月に自ら命を絶った。てっきり今も朝日新聞社にいると思っていたら、とっくに辞めてある会社で編集の仕事をしていたらしい。偶然にも彼と同じ会社に所属する編集者と最近一緒に仕事をしていて、彼の死を知った。直前まで、ごく普通に会社にも来ていたというから衝動的だったのかもしれない。

独り身で、一緒に暮らしている人もいなかったので、普段の生活の様子もあまり分からず、職場での様子をあれこれ聞いただけだが、朝日新聞社を辞めたころから行き詰っていたらしい。きっと、彼には、生き難い世界だったのだと思う。現実とあるべき理想世界の狭間で耐え切れなくなったのかそれとも、自分の心を他人に開示することができず、鬱屈としてしまったのか、今となっては分からない。

せめて、彼の体に合わせて大きな花束でも持って墓を参り、線香も、一杯あげてこようと思う。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

シェアする