倉敷の美観地区

*風のメルマガ「つむじかぜ」712号より転載

倉敷の美観地区へ行ってきた。岡山は2回目だが、前回は、岡山駅の近くで行なわれたJICAの研修会の講師として招かれ日帰りしたので、美観地区には行けずに終わってしまった。こんどこそ行けると楽しみにしていたら、なんと岡山では5年ぶりの雪ということで、まるで日本海沿岸の街に来たような雰囲気だった。車を使って観光する予定だったが、雪の影響で電車と徒歩での移動となった。

岡山駅から倉敷駅まで20分ほど、さらに徒歩10分ほどで美観地区に到着した。美観地区といえば、大原美術館である。以前から行ってみたかったので楽しみにしていたが、雪のために1時間ほどしか見学時間が取れなかった。門を潜って入館すると、いきなり印象派をはじめとした名画が続く本館がある。ここから回るのがいいというので30分ほど使ってしまったが、それではとても足りない。後は、駆け足のように別館、民芸館などをまわり、あっという間に1時間が経過してしまった。大原孫三郎と児島虎次郎なくしてこの美術館はなかったわけだが、こういうものは、廃れるということがない。この地区に残った古い街並みと共に、貴重な永遠の財産である。昔の人は凄い。

今回、案内してくれた岡山ご出身のA氏の生家も訪れた。というより、今回は、これがメイン。岡山駅から車で30分弱。 今は営業していないが、古い商家でまさに立派な古民家。今はちょっとしたイベントスペースのようになっている。そこにA氏が若かりしころ使っていたであろうステレオが置いてあって、LP版のレコードを掛けてくれた。チリチリと多少ノイズが混じるレコードで懐かしい曲を聴きながら、コーヒーをいれて、黍団子などをつまんで、男5人でゆったりした一時を過ごした。

“畑にはわさび菜などもあって、無農薬だからちぎってそのまま食べられる”というので、畑に行ってみた。「そうか、そのまま食べられるんだ。それが無農薬だ」こんな当たり前のことも、普段は思いつかない。味が濃くて旨い。香りが違う。夜は、A氏の友人が脱サラして自宅でやっているというレストランに行き、岡山のワインなど飲みながらこれまたゆったりした時間を過ごした。旅は、案内人で変わる。A氏のお陰で心に残る旅ができた。大感謝である。

★弊社代表取締役原優二の「風の向くまま、気の向くまま」は弊社メールマガジン「つむじかぜ」にて好評連載中です。

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