ネパール大地震 現地からの臨時報告(第2号)

*風のメルマガ「つむじかぜ」号外より転載

ボダナート


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NKT(NEPAL KAZE TRAVEL)の事務所からダルバール広場は、歩いて20分ほどである。今回の地震で何度もダルバール広場の寺院が崩れる様子がテレビで流れた。世界遺産であり、現在も人々が普通に集い祈りを捧げるネパール人の憩いの場である。

私は、ネパールについたら早々にダルバール広場に行こうと思っていたので、この日(5/5)、早速、NKTのスタッフたちとこのダルバール広場を見に行くことにした。彼らも、地震が起きてからは行っていなかったから全員で行くことにした。[参照:カトマンズ盆地MAP]

NKTを出て、通りを右に進み、カトマンズで最も古い建物がならぶアサン、インドラチョークを抜けてダルバール広場に抜けた。意外である。私もスタッフたちも、このあたりは家が古いからすっかり地震にやられたかと思っていた。ところが、傾いたり崩れていたりする家が数件あるが殆どは以前と変わらない。

商店もすでに店を開いて営業を初めている。クルタを売る店も、金などの貴金属を扱う店も、結構、お客様が入っていた。そんな場合か、と思われるかもしれないが、普段と変わらない様子が私は無性に嬉しかった。

ダルバール広場は、報道された通り大きな被害が出ていた。シヴァ寺院、ナラヤン寺院、カスタマンダプ寺院は土台を残して、殆ど崩れてしまっていた。きっと階段状になっている土台部分には大勢の人々が座って佇んでいたに違いない。ネパール人のデートスポットでもあった筈だ。まさに、その姿が、このダルバール広場の象徴になっていただけに惨い。ただ、クマリの館も、カーラ・バイラブもタレジュ寺院もなんら被害を受けることなく、すっくと建っていた。特に、カーラ・バイラブは、「地震がなんだ」と怒っているかのようだ。実にいい姿だ。いつもは、おどろおどろしく感じるあの像がとても頼もしく見えた。

もちろん修復するには何年もかかるだろう。しばらくの間は、痛々しい姿を見ながら観光をすることになるが、それでも、観光を再開することは可能だと感じた。

翌日、再び、NKTのスタッフたちと、カトマンズ市内にあるネパール最大の仏塔ボダナートとカトマンズの街を見渡せてモンキーテンプルと称されるスワヤンブナート寺院、そしてカトマンズから30分ほどで行ける古都パタンを視察した。

ボダナートは、わずかにひびが入ったものの健在。パタンは、Twitterなどの画像では全滅したかと思われたが、二つの寺院は倒壊したもののその他はちゃんと建っており安堵。パタンの街も、一部で崩れた家もあるが、ほとんどは影響を受けずに済んでいた。このパタンに住んでいるガイドのキランも来てくれたが、飲み水の配給に遅れがあるものの、電気も回復しすっかり元の生活を取り戻しているそうだ。

一方、スワヤンブナート寺院は、入場をストップしていた。ラジェシュが、日本から調査に来たのだと警備している警官に私を紹介し、なんとか入れてもらうことに成功した。中に入って、急ぎ足で階段を上がり、スワヤンブナート寺院の象徴・目玉の仏塔まで行って驚いた。仏塔以外、周囲の建物は、殆どが崩れてしまっていた。

ラジェシュもホムもみんな声が出ない。あまり広くはない敷地に所狭しとレンガと瓦礫が散乱している。ネパール軍が瓦礫の撤去作業をしていたが、しばらくは、観光を再開するのは無理だろうと感じた。スワヤンブナート寺院から望むカトマンズの街は、いくつかテントが見えるものの、一見、何事もなかったかのように目の前に広がっていた。地震で火事が起きなかったのは不幸中の幸いだ。もし火事が起きていたら、カトマンズの姿も一変していただろう。

地震発生は、現地時間の昼12時頃だったから昼食時だと思われるかもしれないが、実は、ネパールの昼食は14時から15時くらいで、スナックなどの軽食で済ます。だから火を使わない時間帯だったから火事にならなかったのだろう。曜日も幸いした。4/25は、土曜日(日本の日曜日に当たる)だったから、学校も休みで、こどもが校舎倒壊の犠牲にならずに済んだ。

明日は、もう一つの古都バクタプルとカトマンズから2時間弱で行けてヒマラヤが眺望できるナガルコットに行く。バクタプルは古いのでかなり被害が出ているという。ナガルコットへ行けば、途中の村の様子もわかるだろう。

(つづく)

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