関根秋雄さんが講師として同行し、解説する南インドの旅
インド西海岸のゴア(現在パナジ)は、16世紀の大航海時代には、スパイス貿易でポルトガルの繁栄をもたらした港町です。ゴアを拠点に多くのボルトガル商人やキリスト教宣教師が、西ガーツ山脈を越えインド内陸部にあった王国まで出かけていきました。その王国の名をヴィジャヤナガル王国といい、その都がハンピです。インドの歴史上、最後のヒンドゥー王国として14世紀から17世紀まで強大な勢力を誇った王国でした。この国は“忘れられた王国”と称され、都ハンピは長きにわたり小さな寒村に過ぎませんでした。しかし、現在ではその壮大な遺跡群と特異な岩石群の風景が世界的に注目され、1986年世界文化遺産に登録されたのです。
このツアー最大の見所は、まだ日本人には知られていないヴィジャヤナガルの都ハンピ遺跡をポルトガル人と同じルートで西ガーツ山脈を越えハンピ遺跡を目指し、1日かけてかつて繁栄した都市の痕跡を見学します。
ツアー第2の見所は、6世紀から8世紀にかけてデカン高原を舞台に繁栄したチャールキヤ王国の都バーダーミの訪問です。この町の周辺には、バーダーミ石窟や世界遺産パッタダカルのヒンドゥー教寺院群、さらには美しいヒンドゥー彫刻で知られるアイホーレ遺跡など、日本人が訪れることも稀れな遺跡群を見学します。
今回のツアーは、これまで日本からのツアーでは訪れたことのないデカン高原南部の地を中心に、その特異な自然景観とともに堪能する魅力溢れるデカン・南インドの旅です。
南アジアの歴史と芸術を解説
関根 秋雄 (せきね あきお)
1946年東京に生まれる。中央大学大学院博士課程を修了し、都立高校の世界史の教師として38年間在職。同時に2000年から中央大学文学部東洋史学科の非常勤講師として、南アジア史・東南アジア史を担当し2017年3月末に定年を迎え退職。現在は、栃木県野木町に在住し、野木町国際交流協会理事及び相模原市を中心に活動する「インドシナ難民の明日を考える会(CICR)」副代表として、国際ボランティア活動を行う一方、「のぎ・歴史を歩こう会」を主宰し、街歩き、城めぐり等の活動を行っている。
主な著書
・『日本とのつながりで見るアジア4―東南アジアⅡ―』(岩崎書店 2003年)
・『世界史授業プリント―「世界史新聞」を生かす』(地歴社 2008年)
・『世界史授業シナリオ―黒板を大劇場に変身させるMPメソッド―』(地歴社 2012年)
・共著は歴史教育者協議会編の『知っておきたいシリーズ』(青木書店)に多数執筆
・翻訳 共著『アジア・美の様式(上・下)』(連合出版 1989年)