崎尾均先生の植物学講座 植物と森林の不思議を探る・海外編 第1部:世界の気候と生物
世界には多様な生態系が分布し、そこには様々な生物が生息している。森林や草原などの陸上生態系には地球の歴史の中で最も進化した動物や植物など多くの生物が分布している。これらの生物の分布は,地域の気候によってほぼ決められているが、歴史的には地球規模での大陸移動と気候変動が大きく影響を与えてきた。このような視点から、私が実際に訪れた海外の自然について紹介する。
第1部:世界の気候と生物。
※全8回の講座です。第2部の日程は後日、お知らせいたします。
《配信形式》ZOOM 見逃し配信も予定しています。
《参加費》3,300円/回 全4回一括申込の場合:12,000円
《見逃し配信公開期間》全回共通:2026年3月27日(金)迄
《各講座の内容》
第1回 1月20日(火) 序章 歴史的な大陸移動と気候変動が生物の分布に与えた影響
オーストラリアに特有の生物が多数存在する一方で、アジア、北アメリカ、ヨーロッパには近縁の生物が分布している。さらに、ヨーロッパでは生物種が比較的少ないという特徴がある。今回は、これらの生物地理学的な謎を、大陸移動と気候変動の観点から考察する。
第2回 1月30日(金) 世界の気候と生物 (1)台湾編
台湾には亜熱帯から高山帯まで幅広い森林生態系が分布している、低地には常緑針葉樹が生い茂る一方で、標高の高い地域には亜高山帯針葉樹林が分布する。またブナ族の南限でもあり、小さな葉を持つタイワンブナが分布している。ヒノキ科の温帯性針葉樹林も見られ、タイワンヒノキやベニヒなどの巨木も知られている。
第3回 2月13日(金) 世界の気候と生物 (2)熱帯編1 マレーシア
熱帯は多様な気候帯からなり、それに適応した動植物が豊かに生息している。年間を通じて多雨な地域には熱帯雨林が、乾季を持つ地域にはサバンナなどの植生が広がっている。これらの地域は、生物多様性の宝庫であると同時に、人間活動による森林破壊や開発によって多くの生物が絶滅の危機に瀕している。今回は,マレー半島の高地林、熱帯雨林、マングローブ林などの植物や森林利用などを紹介する。
第4回 2月27日(金) 世界の気候と生物(3):オーストラリア編1
ゴンドワナ大陸から分かれたオーストラリア大陸には、北半球では見られない独自の生物が進化した。また,温暖な森林地帯から乾燥地まで様々な生態系が分布している。ユーカリやバンクシアなどの樹木は有名であるが、西部海岸に沿っては、カンゴンと呼ばれる低木林が広がっている。これらの地域に分布する生態系や植物を紹介する。
【予告】第2部:世界の気候と生物
5. 世界の気候と生物(4):アメリカ編1 イエローストーン国立公園など
6. 世界の気候と生物(5):熱帯編2 マダガスカル
7. 世界の気候と生物(6):中国編1 雲南省など
8. 世界の気候と生物(7):ヨーロッパ編1 ジョージアなど

佐渡島,只見の森に精通する植物専門家
崎尾 均 (さきお ひとし)
Botanical Academy 代表、新潟大学名誉教授(新潟大学佐渡自然共生科学センターフェロー)
大阪府出身、埼玉県の林業職を経て、2008年から新潟大学佐渡演習林教授に,2021年退職後、Botanical Academyを設立。博士(理学)、専門は森林生態学、特に水辺の樹木の生活史や保全について研究。現在も佐渡島、屋久島、秩父、只見、富士山をフィールドとして研究。森林や植物に関してセミナーや講義、自然ガイドやサイエンス・カフェなど情報発信を行なう。 NHKドキュメンタリー「伝説の超巨大杉を追う」、「ダーウィンが来た!」、「石丸謙二郎の山カフェ」などに出演。環境水俣賞、尾瀬賞、生態学会大島賞、日本森林学会賞など受賞。著書に「水辺の樹木誌」(東大出版会)、「樹に咲く花−山渓ハンディ図鑑」(山と渓谷社/共著)、「ここがすごい!水辺の樹木 生態・防災・保全と再生」(築地書館)
ホームページhttps://riparian-forest.jimdofree.com





