新シリーズ始まる！
ロケットで宇宙にまで活動域を広げている人類がいまだ到達できない過酷な環境「地殻深部～マントル」。そこにはどんな岩石があり、どんな地質学的な環境があり、今何が起こっているのか？案内者の専門分野でもある「地球深部の謎に迫る・地殻とマントル」シリーズ。1年に１，２回のペースでこのテーマを様々な場所で展開・深堀していきます。
第1回目は、丹後半島の南に位置する鬼伝説で有名な大江山、しかし、地質学の分野では、とても古い時代の日本列島に関するたくさんの情報を秘めた山として知られています。近畿北部地域は古い時代の地質体が南から北へと系統的に古くなる年代を示しながら帯状に分布しています。大江山岩体と呼ばれる巨大な山塊は超苦鉄質と呼ばれる密度の高い岩石から構成されています。その重い岩石はどこから来て、どのように大江山を形作ったのか、解説します。
橄欖岩、蛇紋岩など地殻の浅い部分には存在しない岩石の露出を観察し、地殻深部からメッセージを読み取ります。
鬼伝説に草原、美しい稜線歩き、初夏の明るい太陽の下、少し遠くへ冒険気分の地質学の旅です。
～ジオ・ワード～
オフィオライト プレート 断面 古生代 蛇紋岩 橄欖岩 高圧型変成作用
※詳しくは当日の解説で！
～行程～
大江駅<タクシー分乗>大江山の家(9:45)→野球場(10:20)→鍋塚西ピーク(11:30)→鍋塚(12:10) 昼食休憩 (12:50)→鍋塚と鳩ガ峰の鞍部(13:30)→鳩ガ峰(14:10)→大江山(千丈ガ岳)(14:50)→鬼嶽稲荷(15:30)<タクシー分乗>大江駅
【歩行：5時間 標高差累積：上り約700m 下り約350m】★★
※注 歩行の目安（★マーク）の基準
★ 通常のウォーキングができる方なら十分参加可能
★★ 一般的なハイキング程度（距離とコース難度の両方を検討）
★★★ やや体力と技量が必要で、少し登山の経験がある人に適している（同上）
固い石も柔らかく解説
田中 宙 （たなか ちゅう）
1968年生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。地球惑星科学専攻。主にフィールド調査をベースに地殻とマントル境界の物質科学を研究。現在、株式会社アカデミック・ブレインズ、シニア・ディレクターとして、基礎科学系を中心にアウトリーチと呼ばれる「最先端の研究成果を社会へフィードバックする仕事」に取り組んでいる。一方でフィールド経験を生かし、関西エリアの各地山域でネイチャーガイドとしても活躍。日本地形学連合正会員。
