【バードウォッチングツアー添乗報告記】
11/12発 圧巻!伊豆沼・蕪栗沼15万羽のガン 2日間

ツアー名:圧巻!伊豆沼・蕪栗沼15万羽のガン 2日間

2016年11月12日(土)~11月13日(日) 
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)


 伊豆沼・蕪栗沼バードウォッチング 1日目

 伊豆沼・蕪栗沼バードウォッチング 1日目

晴天の中、古川駅を出発、まずはハクガン成鳥が出ている場所へ向かいます。道中、道脇には所々にマガンやオオハクチョウの群れがいます。早くも伊豆沼蕪栗沼のガンの多さを垣間見ました。「白いの、白いの…」念仏を唱えるように白いハクガンを探します。いました! 200mほど先のマガンの中に白いのが! 嘴のピンク色が見えました。ハクガンです。


ハクガンハクガン

早速観察を始めると、「ファンファンファン」と鳴きながら別のガンの群れが舞い降りてきました。なんとシジュウカラガンです! 1、2、3、4、…23、24。少なくとも24羽のシジュウカラガンです。なんてラッキーなことでしょう。ハクガンを見ている時にシジュウカラガンの群れが来るとは、怖いくらいに開始早々絶好調です。


シジュウカラガンシジュウカラガン

今度は伊豆沼方面に向かいます。まずは内沼で間近にオオハクチョウやオナガガモ。そして近くの田んぼにはタゲリの群れ。ハヤブサが狩りをし、カワセミが目の前を通過します。なかなかいい感じです。

風もなく穏やかな天気のもと、新田の野鳥観察館前でオナガガモ、ホオジロガモ、ヨシガモ、ミサゴなどを見ながらの昼食。いいひと時です。観察館の屋上からは、ミコアイサ、ノスリなどが見られました。


オオハクチョウオオハクチョウ

今度はカリガネのポイントへ。移動中を利用して、マガンの群れの中からカリガネをあっという間に見つける方法を伝授しました。あとは実践あるのみ! 現場に到着し、たくさんのマガンの中からカリガネを探します…いました! 遠いながらも結構な数がいます。10羽以上でしょうか。みなさん一同に「かわいい!」を連発。小さく濃いピンク色の嘴や黄色いアイリングがあいまってか、カリガネは本当にかわいく見えます。

結局いくつもの群れを合わせると60羽くらいはカリガネがいたようです。やはりここはカリガネのお気に入りの場所です。


カリガネカリガネ

今日のハイライトは蕪栗沼で落雁観察です。日の入りにはまだ時間があるので、しばしガン以外の鳥を観察します。ノスリ、コチョウゲンボウ、ハヤブサ、ハイタカと猛禽類もオンパレード。

そうこうしているうちに日の入り時間となり、続々とガンが帰ってきます。おびただしいガンの群れが西から東からやってきます。鉤になり竿になり、きりもみして沼へ降りていきます。一体こんなにどこにいたのかと思うほどのものすごい数です。まさに圧巻! そして西の空には水星も見られました。とても珍しいとのことです。その後は金星も見られました。また、2日後に満月を迎える月を横切るガンの姿もとてもいい感じです。


落雁落雁

最後はガンの圧倒的な声を間近に聞きながら散策路を歩き、「生命」を感じる時間を過ごしました(タヌキのおまけ付き)。


 伊豆沼・蕪栗沼バードウォッチング 2日目

 伊豆沼・蕪栗沼バードウォッチング 2日目

2日目。ガンのねぐら立ち、いわゆる雁行を見に暗いうちに出発です。が、しかし、ジャンボタクシーに乗り込む際、すでに深い霧がかかっていました。これでは全く見えず期待できません。こんな日はガンも飛び立ちが遅くなりがちです。案の定、現場に到着し、しばらく待っていましたが一向に霧は晴れず、ガンもなかなか飛び立ちません。残念!それでも数百羽は霧の中から頭上を越えて行くのが観察されました。周りのヨシ原ではウグイスやカシラダカ、ベニマシコなどの声や姿が観察できました。


夕方ニハ戻リマス夕方ニハ戻リマス

朝食後もなかなか霧が晴れません。蕪栗沼駐車場でしばらく待ち、少し晴れてきたので移動しながら観察です。クイナが湿地の中で鳴いています。湖面にはヒシクイの亜種オオヒシクイが目の前にいます。1,000羽程度いるようです。濁った声で「ガァガァ、ガァガァ」と鳴いています。オオハクチョウも目の前で飛んでいきます。その他、チュウヒ、タゲリの群れが舞い、ツルシギが泳いでいる(!)姿などを観察しました。


オオヒシクイオオヒシクイ

雁行は残念でしたが、すでに色々なガンを見ることができたので、今日のお昼は郷土料理を食べることにしました。この辺りでは「はっと汁」「油麩丼」が有名なので、その店でみなさんそれぞれにお腹を満たしました。

残り時間もわずか。新たな場所にガンを探しに行く道中、あの漫画家・石ノ森章太郎の生家前を通り過ぎながら、コハクチョウやマガンを観察、そして最後はシジュウカラガンのポイントでシジュウカラガン80+の群れを見て、ツアーを終えました。

一泊二日という短い日程でしたが、たくさんのガンを見ることができました。特にねぐら入りの数に圧倒され、「生命」を感じる素晴らしい時間を過ごすことができました。参加者のみなさん、大変お疲れさまでした。


*写真の一部はご参加の方からご提供いただきました。ありがとうございました。


【おまけ】簗川さんによる手書きのおさらい


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【今回確認できた鳥達】


ヒシクイ、マガン、カリガネ、ハクガン、シジュウカラガン、コハクチョウ、オオハクチョウ、オカヨシガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、オナガガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、クイナ、オオバン、タゲリ、ツルシギ、ミサゴ、トビ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ハイタカ、ノスリ、カワセミ、アカゲラ、チョウゲンボウ、コチョウゲンボウ、ハヤブサ、モズ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒバリ、ヒヨドリ、ウグイス、ムクドリ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、タヒバリ、アトリ、カワラヒワ、ベニマシコ、シメ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、オオジュリン、オオセッカ? 計64種



 

風の鳥日和