特別記事

【バードウォッチングツアー視察レポート】
フィリピン・ネグロス島3日間

 

視察レポート:フィリピン・ネグロス島3日間

2017年4月3日(月)~4月7日(金) 
文●写真:五百澤 日丸 (いおざわ・ひまる)


現地スタッフ達と現地スタッフ達と

青年海外協力隊でフィリピンへ赴任されている方から、“バードウォッチングを通じて「ビクトリアス市」の観光プロモーションをしたい”という要請を受けました。ガイドとしてフィリピンは以前から訪問したい場所でしたので、これは願ったり叶ったり。同じく風の旅行社でバードガイドを務める峯尾雄太さんと2名で現地を視察させていただくことになりました。

フィリピンは大小50程度の島から構成されています。今回、訪れたネグロス島はフィリピンでルソン島、ミンダナオ島に次ぐ3番目に大きい島です。フィリピンはサルが西向きに腰掛けてボルネオに腕を伸ばしているような形で、頭部はルソン島、猫背のように東側は湾曲し、ミンダナオ島が座った状態のお尻と足といったところでしょうか。ネグロスは下腹部にあたり、海をはさんでボルネオを望む場所に位置しています。


 フィリピン・ネグロス島バードウォッチング視察

ルソン島やミンダナオ島には、2,500~3,000m級の山々が連なる険しい地形もありますが、ネグロス島は比較的なだらかな火山の島で、標高1,879mのMt.Mandalagan(マンダラガン山)や、標高1,903mのMt.Cuemos(クエモス山)を擁しています。今回は島の北部にあたる「マンブカル・マウンテン・リゾート」と「ガワホン・エコパーク」という2カ所の山地と、さとうきび畑などが広がる農耕地やマングローブの拡がる海辺などを視察しました。


ヤハズカンムリオウチュウ
ヤハズカンムリオウチュウ
ゴシキハナドリ
ゴシキハナドリ

「マンブカル・マウンテン・リゾート」は温泉地でもあり、フィリピンの人たちの憩いの場でもあります。我々は今回の目的外の温泉には入らず、ひたすら歩いて探鳥しました。現地ガイドの「鳥を見せたい!」という熱意もあり、8時間ほど山地の森林内を歩くことになりましたが、なかなかの険しさで、後半は水分不足でバテ気味に。しかし、実は比較的簡単に歩けるコースもあり、一般的なツアー設定も問題ないことがわかりました。初めての探鳥地は、実際に現地で観察環境などを確認することがとても重要です。

鳥はヒメカッコウやズグロヤイロチョウ、テリアオバト、シロボシショウビンなどが観察できました。その他、オオコウモリがたくさんぶら下がっている木や、シロハラアナツバメのコロニーなど、とても様々な生態環境を確認することができました。


ズグロヤイロチョウ
ズグロヤイロチョウ
シロボシショウビン
シロボシショウビン

「ガワホン・エコパーク」はマンブカルよりも北に位置していて、山深く渓流沿いが主な探鳥地です。時間をかければ、サイチョウ3種がいる場所へも行くことが出来るそうです。今回は時間の関係で訪問しませんでしたが、ツアーではこの観察地まで行くことも検討しています。

こちらのエリアも鳥の密度が高く、個体数・種数とも多彩でした。今回は大雨の天候の影響で通常よりも鳥は少なかったのではいかと推測していますが、それでもアオオビカワセミやカオグロサイチョウ(声のみ)、テリアオバト、シラボシガラ、アカハシゴジュウカラ、オオムシクイ、エゾビタキなど日本との共通種もあり、とても充実した内容となりました。


アオオビカワセミ
アオオビカワセミ
ガワホンエコパークの森林
ガワホンエコパークの森林

今回宿泊したホテルも立地が良く、敷地内の林には様々な野鳥が見られました。早朝の探鳥はホテル周辺で行うことが多いため、周辺の環境はとても重要です。さらにホテル敷地外の農耕地やマングローブエリアでも、また違った野鳥が期待できそうです。より観察種が増える可能性がありますので、今後も注意深く訪問・観察を続けていきたい場所です。


ホテルの庭ホテルの庭

3日間という短期間でしたが、初めての探鳥地で充実した観察を行うことができました。様々なアレンジやサポートを用意していただいた現地の方々にお礼申し上げます。


ビクトリアス市役所観光事務所の皆さんとビクトリアス市役所観光事務所の皆さんと

探鳥の適期は乾季になる3~5月です。現地での情報を整理して山や丘陵地、農耕地、マングローブ、養魚池、海まで多様な環境を網羅したコースを作成して発表する予定です。これまでのフィリピンツアーでは訪れなかったコースとなる予定ですので、乞うご期待ください!



【今回確認できた鳥達】


ヨシゴイ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、クロサギ、アマサギ、ササゴイ、ゴイサギ、フィリピンカンムリワシ、アカハラクマタカ?、ムナグロ、チュウシャクシギ、ダイシャクシギ、イソシギ、キアシシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、コアジサシ、クロハラアジサシ、ドバト、ベニバト、カノコバト、チョウショウバト、テリアオバト、バンケン、オニカッコウ、ヒメカッコウ、フィリピンアオバズク、シロハラアナツバメ、アナツバメsp.、ヒメアマツバメ、カオグロサイチョウ、カワセミ、アオオビカワセミ、ナンヨウショウビン、シロボシショウビン、ルリオハチクイ、フィリピンコゲラ、チョウゲンボウ、ズグロヤイロチョウ、モリツバメ、ヒイロサンショウクイ、マダラナキサンショウクイ、フィリピンモズヒタキ、シロシリモズヒタキ、タカサゴモズ、ヤハズカンムリオウチュウ、ムナオビオウギビタキ、クロエリヒタキ、ハシブトガラス、ツバメ、リュウキュウツバメ、オオコシアカツバメ、カナリアヒタキ、シラボシガラ、アカハシゴジュウカラ、メグロヒヨドリ、チャムネヒヨドリ、キバラサイホウチョウ、オオムシクイ?、フィリピンムシクイ、オオヨシキリ、オニセッカ、フィリピンメジロ、ヤマメジロ、エゾビタキ、シキチョウ、マングローブヒメアオヒタキ、コバネヒタキ?、クロノビタキ、ミドリカラスモドキ、ハッカチョウ、ゴシキハナドリ、オレンジハナドリ、チャノドコバシタイヨウチョウ、キバラタイヨウチョウ、キゴシタイヨウチョウ、キセキレイ、ヒメマミジロタヒバリ、スズメ、キンパラ 計82種 ※3日とも雨がちでした



 

風の鳥日和