添乗報告記

【バードウォッチングツアー視察レポート】
西ネパール探鳥 繁殖期のスクラファンタ&バルディア

 

視察レポート:西ネパール探鳥 繁殖期のスクラファンタ&バルディア

2017年4月21日(金)~29日(金) 
文●写真:五百澤 日丸 (いおざわ・ひまる)


観察風景観察風景

これまで風の旅行社の探鳥ツアーでは、中央ネパールの南部のタライ平原にあるチトワン国立公園やカトマンズ周辺でのバードウォッチングがメインでした。更なるエリアを開拓すべく、これまでのツアーではなかなか設定がなかった西ネパールへ視察に行ってきました。

西ネパールはインドとの国境付近タライ平原に位置する、スクラファンタ野生動物保護区やバルディア国立公園が有名です。これらの地域は環境的にチトワン国立公園と似たようなものですが、生息する鳥類は微妙に異なります。


 スクラファンタ野生動物保護区

タライ平原の西端に位置するスクラファンタ野生動物保護区の名前は以前から知っていましたが、なかなか訪れる機会はありませんでした。それだけに今回の探鳥には期待が高まります。

保護区の森の中には広い草原帯が散在して川や沼は少なく、とても乾燥しています。ここでは屋根のないジープで移動しながら、“鳥を見つけては停まってじっくり観察・撮影する”という事を繰り返します。


ジープで探鳥ジープで探鳥

ベンガルショウノガンの生息数はネパールで2番目に多いと言われ、この季節はうまくすればジャンプするディスプレイが見られるかもしれないとのことでした。

しかし、今年は例年になく雨が多く降ったせいでエレファントグラスが早く成長しており、背の低い彼らは草陰に隠れてしまっていたようです。それでも夕方、ベンガルショウノガンが歩いているのに遭遇! 距離が非常に遠く、すぐに草の中に入ってしまいましたが、憧れの鳥に出会えたのは嬉しい出来事でした。


インドトサカゲリのケンカインドトサカゲリのケンカ

その他、森林地帯にはミナミシマフクロウの繁殖地があり、グラスランドに生息する地味な羽色のオニセッカやヒゲセッカ、コシアカセッカ、タイワンセッカなどはあちこちで多数観察できました。より希少なオオノビタキや個体数も多かったオジロノビタキ、さらに地味(?)なセジマヤブチメドリ、ハウチワドリたちのさえずりがとても賑やかでした。


ミナミシマフクロウミナミシマフクロウ

草の生えていない裸地ではタイワンヒバリが多数見られ、ハイガシラスズメヒバリやヒメマミジロタヒバリ、コイワスズメたちの雛連れを見ることができました。


ハイガシラスズメヒバリハイガシラスズメヒバリ
コイワスズメ
コイワスズメ

また、今回同行したガイドのテクさんがネパールでの生息を最初に発見したという、キイロコウヨウジャクを見られるスポットも訪問。インドとネパールでしか見つかっていない固有種の姿をじっくり間近に観察することができたのは、とても貴重な体験となりました。


キイロコウヨウジャクキイロコウヨウジャク


 ラムサール条約湿地ゴダホディ湖&バルディア国立公園

スクラファンタ野生動物保護区を後にして東へと進み、ネパールのラムサール条約湿地に指定されたゴダホディ湖へ立ち寄りました。ガガブタなどの水草の花が咲き乱れる美しい湖には、ナンキンオシやアカボシカルガモ、アジアレンカク、アジアコビトウなどの姿が見られます。


アジアコビトウアジアコビトウ

乾燥していたスクラファンタから来たためか、水のある景色には心癒やされます。繁殖しているコブガモを見ることが出来なかったのは残念でしたが、素晴らしい観察環境を確認することができました。


ゴダホディ湖ゴダホディ湖
コウハシショウビン
コウハシショウビン

その後、今回のもう一つのメインであるバルディア国立公園へと向かいます。バルディアはネパールでも暑い地域として有名なネパールガンジという町の近くに位置しています。ネパールガンジの過去の最高気温は48度。インドでも暑い地域とされるラージャスターン州と近い距離にあるのも理由のひとつでしょう。洗濯した衣類はすぐに乾くので、湿度は低めで乾燥しているようです。


ミドリハチクイミドリハチクイ

スクラファンタと比較すると保護区の規模や森林の面積が大きく、ほ乳類の種数・個体数が多いようです。ただし昼間の探鳥は非常に暑くなるため、日中はエアコンの効いたホテルの部屋で休むことにしました。


ほ乳類も多いバルディア国立公園ほ乳類も多いバルディア国立公園

スクラファンタ同様ここでも屋根のないジープに乗り込み、森林と草原地帯、沼地を巡ります。広い保護区全てを見て回るというわけにはいきませんが、それでもオオサイチョウの飛翔やボウシゲラの繁殖地を見ることが出来ました。


ボウシゲラボウシゲラ

また、カザリオウチュウやカワリサンコウチョウ、インドヤイロチョウの採餌シーンと囀り、インドコサイチョウ、インドハゲワシの巣、インドクジャクのケンカ、チュウヒワシの抱卵、カワリサンコウチョウの争いなど、繁殖期ならではの場面にたくさん遭遇出来ました。


ミナミカンムリワシミナミカンムリワシ


 カトマンズ周辺の新ポイント

暑かった5日間の探鳥を終えてカトマンズへ戻ります。カトマンズ盆地の中心部は標高1,300mほどであり、これまで辿ってきたエリアよりも高地にあるので、快適な気候に感じます。ここでは2,700 mのプルチョウキ山や麓の植物園、カトマンズ周辺の丘陵地など、これまで訪れていない探鳥ポイントを巡りました。


アオノドゴシキドリアオノドゴシキドリ

平地とは違った山の鳥を中心に、ミヤマハッカンやチャガシラミヤマテッケイ、サンジャク、ヒゴロモ、ヒメカザリオウチュウ、カワリサンコウチョウの造巣、カオグロイソヒヨドリ、オレンジジツグミ、ハイバネツグミ、ムネアカヒタキ、ロクショウヒタキ、コチャバラオオルリ、アカハラコルリ、セグロエンビシキチョウ、アサクラサンショウクイ、クリガシラコビトサザイ、ノドジマコバシチメドリ、ミドリオタイヨウチョウ、キゴシタイヨウチョウなど盛りだくさんの野鳥たちを観察することが出来ました。

これもネパールの鳥観察ポイントを熟知した同行ガイドのテクさんならではと感心することしきりでした。


ノドジマコバシチメドリノドジマコバシチメドリ
モリスズメフクロウ
モリスズメフクロウ
カワリサンコウチョウカワリサンコウチョウ

こうして、酷暑の平原地帯&盆地の丘陵地&亜高山帯まで多様な環境を巡る8日間の視察が終了しました。今回の調査を踏まえた上で、来年は酷暑になる前の時期にツアーを設定したいと思います。ぜひご期待&ご参加ください。



【今回確認できた鳥達】


ムナグロシャコ、チャガシラミヤマテッケイ、セキショクヤケイ、ミヤマハッカン、インドクジャク、リュウキュウガモ、ナンキンオシ、アカボシカルガモ、チャガシラコゲラ、キボウシアカゲラ、コモンアカゲラ、クリチャゲラ、ムナフタケアオゲラ、ヤマゲラ、ヒメコガネゲラ、セグロコガネゲラ、ボウシゲラ、オオゴシキドリ、ミドリオオゴシキドリ、シロボシオオゴシキドリ、キンノドゴシキドリ、アオノドゴシキドリ、ムネアカゴシキドリ、インドコサイチョウ、オオサイチョウ、インドブッポウソウ、ブッポウソウ、カワセミ、コウハシショウビン、アオショウビン、ミドリハチクイ、ルリオハチクイ、チャガシラハチクイ、オオジュウイチ、ハイタカジュウイチ、セグロカッコウ、カッコウ、ヒマラヤツツドリ、ホトトギス、オニカッコウ、オニクロバンケンモドキ、オオバンケン、バンケン、オオホンセイイノコ、ホンセイインコ、コセイインコ、ダルマインコ、ヒメアマツバメ、タイワンコノハズク、ミナミシマフクロウ、オオフクロウ、オオスズメフクロウ、モリスズメフクロウ、インドコキンメフクロウ、アオバズク、カワラバト、キジバト、カノコバト、ベニバト、シラコバト、ムネアカアオバト、キアシアオバト、アオバトsp.、ベンガルショウノガン、シロハラクイナ、バン、イソシギ、アジアレンカク、イシチドリ、コチドリ、カタグロツメバケリ、インドトサカゲリ、ハチクマ、カタグロトビ、トビ、インドハゲワシ、ヒマラヤハゲワシ、チュウヒワシ、ミナミカンムリワシ、タカサゴダカ、メジロサシバ、カザノワシ、カワリクマタカ、アジアヘビウ、アジアコビトウ、タカサゴクロサギ、ゴイサギ、ムラサキサギ、ダイサギ、チュウサギ、アマサギ、インドアカガシラサギ、アカアシトキ、ナベコウ、エンビコウ、インドヤイロチョウ、オナガヒロハシ、キビタイコノハドリ、アカモズ、タカサゴモズ、チベットモズ、サンジャク、チャイロオナガ、タイワンオナガ、イエガラス、ハシブトガラス、ニシコウライウグイス、ズグロコウライウグイス、ヒゴロモ、オオオニサンショウクイ、アサクラサンショウクイ、ベニサンショウクイ、オナガベニサンショウクイ、キバラオウギビタキ、ノドジロオウギビタキ、オウチュウ、ハイイロオウチュウ、シロハラオウチュウ、ハシブトオウチュウ、ヒメカザリオウチュウ、カザリオウチュウ、カワリサンコウチョウ、ヒメコノハドリ、モズサンショウクイ、カオグロイソヒヨドリ、オオルリチョウ、オレンジジツグミ、ハイバネツグミ、ヒメコバネヒタキ、サメビタキ、ノドグロヒタキ、ムネアカヒタキ、ロクショウヒタキ、コチャバラオオルリ、ムネアカヒメアオヒタキ、ハイガシラヒタキ、オガワコマドリ、アカハラコルリ、キクチヒタキ、シキチョウ、アカハラシキチョウ、クロジョウビタキ、セグロエンビシキチョウ、オオノビタキ、ノビタキ、オジロノビタキ、クロノビタキ、インドコムクドリ、ホオジロムクドリ、カバイロハッカ、ハイイロハッカ、モリハッカ、チャバラゴジュウカラ、オジロゴジュウカラ、アカハシゴジュウカラ、キバシリ、もとシジュウカラ、キバラシジュウカラ、キホオカンムリガラ、キマユガラ、ズアカエナガ、タイワンショウドウツバメ、ツバメ、コシアカツバメ、ニシイワツバメ、コウラウン、シリアカヒヨドリ、ミヤマヒヨドリ、クロヒヨドリ、セッカ、タイワンセッカ、ハウチワドリ、セスジハウチワドリ、マミハウチワドリ、ハイバラメジロ、クリガシラコビトサザイ、ヤブヨシキリ、オナガサイホウチョウ、チフチャフ、キバラムシクイ、キゴシムシクイ、バフマユムシクイ、ニシヤナギムシクイ、ヒマラヤムシクイ、ムシクイsp.、ホイスラーマユグロムシクイ、ハイガシラモリムシクイ、アゴジロモリムシクイ、カオグロムシクイ、ヒゲセッカ、ノドジロガビチョウ、シロスジガビチョウ、チャムネムジチメドリ、ホオアカマルハシ、ズアカチメドリ、スジカブリヤブチメドリ、ツチイロヤブチメドリ、ソウシチョウ、ノドジマコバシチメドリ、クリボウシチメドリ、ノドジロチメドリ、ネパールメジロチメドリ、ズグロウタイチメドリ、チャエリカンムリチメドリ、ノドフカンムリチメドリ、アオチメドリ、ハイガシラスズメヒバリ、インドコヒバリ、タイワンヒバリ、キバラハナドリ、オレンジハナドリ、ミドリオタイヨウチョウ、ムラサキタイヨウチョウ、キゴシタイヨウチョウ、イエスズメ、スズメ、コイワスズメ、ハクセキレイ、オオハクセキレイ、キセキレイ、ヒメマジジロタヒバリ、ノドグロコウヨウジャク、キムネコウヨウジャク、キイロコウヨウジャク、コシジロキンパラ、シマキンパラ、アカマシコ 計233種



 

風の鳥日和