【バードウォッチングツアー添乗報告記】
11/26発 晩秋の八郎潟・ハクガンの群れ2日間

ツアー名:晩秋の八郎潟・ハクガンの群れ2日間

2016年11月26日(土)~11月17日(日) 
文●ツアーガイド:簗川 堅治(やながわ けんじ)


 晩秋の八郎潟 1日目

 晩秋の八郎潟 1日目

シジュウカラガン同様、年々増えているハクガン。昨年は200羽を越えました。そして今年は情報によれば300羽近い数が来ていると…。さて、どれくらいの群れに出会えるでしょうか?

1日目、期待を胸に八郎潟へ入りました。天気も上々です。とにかく広い八郎潟、南北約15km、東西約10kmもあります。いつもよく出る場所を中心に探しました。ヒシクイの亜種オオヒシクイが所々に降りています。マガンも少し。しかし、探せども探せどもハクガンの群れは見つかりません。諦めかけていた頃、遠くを飛ぶ300羽程の群れを確認! 飛んで行った方向へ急行し探しますが、残念ながら降りていないのか見つかりませんでした。う~む…、いつになく厳しい感じです。


観察風景観察風景

ならば、ねぐら入りに掛けようと日の入り時間にねぐらで待ち構えました。「カハハン、カハハン」と鳴きながら、いくつものマガンの群れがねぐら入りします。高い所から、きりもみして着水します。後世に残したいいい光景です。しかし、ハクガンは帰ってきませんでした。どうしたのか?


オオハクチョウオオハクチョウ

結局、この日は全員じっくりとはハクガンは見れずに終わりました。ハクガンがねぐらに帰ってきてくれることを祈り、明日のねぐら立ちに全てを掛けることになりました。


 晩秋の八郎潟 2日目

 晩秋の八郎潟 2日目

2日目。運命のねぐら立ちです。心配していた雨も早々と上がり寒くもありません。暗いうちからスタンバイし、ねぐらを見ると…う~む、白いのが見当たりません。ハクガンがいれば、暗闇でも白いのでなんとなくわかるはずですが、いないようです。しかし、前日の下見でも暗いうちはいなかったのですが、明るくなったらどこからかハクガンの大群が飛んできたのでした。ですから、今日もきっとあとから飛んでくると思いながら待ちます。


ねぐら立ちするガンの群れねぐら立ちするガンの群れ

その間、マガンの大群およそ25,000羽の中に珍ガンがいないか探します。すると、シジュウカラガンが4羽いました。そして6:27、白い大群がどこからともなく飛んできました。ハクガンです! その数ざっと数えて280羽! やはり、飛んできてくれました! みなさん溢れんばかりの笑顔、歓喜の渦です。着水後、ハクガンたちは水浴びをしたり少し飛びまわったり寝たりしていました。そして、みんな思い思いに観察撮影しました。実に至福の時です。


ハクガン出勤ハクガン出勤

他にはカリガネ1羽、そしてツクシガモも3羽観察できました。ハクガンが現れてから80分程観察し、ハクガンの大群は数羽を残し八郎潟へ餌をとりに飛び立ちました。我々も食事をするため宿へ引き上げました。


ツクシガモ♂ツクシガモ♂

朝食後はハクガンが降りていないかを少し気にしながら、他の鳥を観察することにしました。前日はハクガンにまるで出会わなかったのですが、不思議なことにこの日は八郎潟の田んぼでもあっさりと見つけることができました。世の中こんなものです。田んぼに降りているハクガンの群れも圧巻です。300羽前後いるようです。時折、少し飛んだり、歩いたり…いい光景です。


ハクガンハクガン

その後、ハクガンの群れは飛び去りましたが、大群で飛ぶ光景も圧巻です。「クワッ、クワッ…」と鳴き交わしながら何度か旋回もしました。別の場所でこの大群に出会うことができましたし、その時は、コミミズクも1羽、我々の頭上を旋回するサービスをしてくれました。


コミミズクコミミズク

昨日は他の鳥もあまり観察できなかったので、この日はミヤマガラスの大群、コクマルガラス、水路ではカワアイサの大群、ホオジロガモなどを中心に楽しみました。潟の湯の食堂で昼食をとったあとは、オカヨシガモなどを観察、最後は珍鳥ケアシノスリで締めました。


ミヤマガラスミヤマガラス

初日はまるでダメだった分、2日目は大いに盛り上がり、たくさんの鳥たちに出会いました。この素晴らしい光景がいつまでも続くように願わずにはいられません。遠い所、参加していただきありがとうございました。


【おまけ】簗川さんによる手書きのおさらい


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【今回確認できた鳥達】


キジ、ヒシクイ(亜種オオヒシクイ)、マガン、カリガネ、ハクガン、シジュウカラガン、コハクチョウ、オオハクチョウ、ツクシガモ、オカヨシガモ、マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモ、ホオジロガモ、ミコアイサ、カワアイサ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、オオバン、ユリカモメ、カモメ、トビ、ハイタカ、オオタカ、ノスリ、ケアシノスリ、コミミズク、コゲラ、アカゲラ、チョウゲンボウ、ハヤブサ、モズ、コクマルガラス、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ムクドリ、ツグミ、ヤマヒバリまたはカヤクグリ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、カワラヒワ(おそらく亜種オオカワラヒワ)、ホオジロ、カシラダカ、オオジュリン 番外マルガモ(マガモとカルガモの雑種)、ドバト 54種



 

風の鳥日和