風ものがたり

風ものがたり -スタッフ編-

 

風の旅行社では、現在、東京中野本社16人、大阪支店5人、カトマンズ支店(NEPAL KAZE TRAVEL)21人、ウランバートル支店(MONGOL KAZE TRAVEL)8人、バンコク支店(THAI KAZE TRAVEL)2人、総勢50人を越えるスタッフが一つのグループとして仕事をしています。また、現地のエージェントではありますが深くお付き合いしているところが、チベット、ブータン、ペルーなどで、全体が、人のネットワークを形成しています。

「風はネパールから生まれた」と第1回で書かせて頂いた通り、発足当初より、ネパールとは深い関わりを持ってきました。
現在、NEPAL KAZE TRAVELの社長を務めておりますプリスビーは、かつて、私が1988年にネパールを訪れた際に私のガイドとして働いていました。彼は、ギルドの親方的経営者の多いネパールにあっては珍しく、新しい経営感覚を持ち、合理的に会社運営をこなします。経理状況を公開し、利益が上がれば、一定の割合をスタッフ達に還元しています。
彼を支えるのが5人のマネージャーたちで、中でも手配を統括するウペンドラは、責任感が強く、お客様の旅行を成功させるためには、何日も事務所に泊まり込んででも仕事をし、引き受けたものは絶対にやり通 す人間です。私どもが、1997年の年末に、初めて全日空のカトマンズチャータ便を飛ばした時も、正直、彼の頑張りで、何とか成功したといえます。勿論、それを支えたスタッフが、自分たちの仕事を全うしようと協力してのことです。
またトレッキングは、古参格のスルヤ、ピータンバル、ホムといったガイドが中心になり、新しいガイドを指導しています。NEPAL KAZE TRAVELでは、ガイドもなるべく正社員として雇用し、たとえトレッキングガイドでも、空港の送り迎えから事務所内の接客までこなします(ネパールでは、トレッキングガイドは、トレッキングの時だけお客様と接するのが普通 なのです)。お客様を出迎えてお帰りになるまで、一貫して、一人のガイドがお世話するという態勢をとり、自分たちのお客様と考え、よりよいサービスを心がけて作って行こうと努力しているのも、この正社員雇用の制度と、彼らの頑張りによるものです。
勿論、最初から上手くいったわけではありません。ネパールにはネパールの流儀があり、国の事情があります。お客様に迷惑をかけても、すぐに「ここはネパールですから」といいわけをしてしまう。確かに、彼らの気持ちはいたいほどよく分かります。彼ら個人の責任ではないことも多々あります。
しかし、やろうと思えば、時間通り送迎車が来るようにすることも出来るし、ガイドが遅れてくることも無くなるのです。お土産も、無理やりガイドの知りあいの店に連れていいって買わせるなどということは、当然やめられます。そして、きちんと仕事をすることが、お客様を喜ばせ、次のお客様につながると分かったとき、彼らは、自分たちで変わっていったのです。

私たちはネパールを通して、その国の人々が自立して働くことの大切さを学びました。彼らは、確かに日本という文明と比べれば、随分不便な国に済み、国の制度も整わず、且つその政治状況も法律もころころと変わります。明日のことより目先のお金に目がいってしまうのもその通りです。しかし、彼らには、彼らの文化と人間としての誇りがあります。その国で家族を抱え生活をしていくこと、これが基本です。誰も、好き好んで日本に来て、不法就労までして働きたくはないのです。
私たちはビジネスパートナーとして対等の関係のなかで、これを実現させたいと考えています。

その新たな一歩として、2000年3月「MONGOL KAZE TRAVEL」がモンゴルの首都ウランバートルに誕生しました。社長は勿論モンゴル人でハグワです。彼のプロフィールは風通 信No.3の「旅の履歴書」を御参照下さい。(風通信のコーナーにてダウンロードができます。)彼の夢を旅行という仕事を通 して実現できるよう応援して行きたいと思います。
また、チベットには、毎年夏に、風の旅行社の日本人スタッフとNEPAL KAZE TRAVELのネパール人スタッフが駐在し、現地の旅行会社の人間と一緒に仕事をしています。また、2000年夏は、スタッフだけではなく、チベットに関しては豊富な知識・経験をお持ちの、飯田泰也氏と長田幸康氏の応援を頂き一層の内容充実を計ってゆきます。

風の旅行社のスタッフの事を最後に紹介しましょう。一人一人の詳細につきましては、「旅の履歴書」の中で紹介されると思います。風のスタッフの平均年齢は現在31.8歳。最年長は52歳、最年少は23歳です。でも40歳以上は2人しかおらず、服装も自由ということもあって大変若い会社に映ります。役員とマネージャ3人、そしてみんなという簡単な構成です。東京はツアー企画・販売部と営業部に分かれています。かつては航空券販売が売上の90%という会社でしたが、現在は航空券販売は、オーガナイザーの方や一部リピーターの個人・企業の方に限られ、売上の80%近くがネパール、モンゴル、チベット、ブータン、南米などのツアーや手配になってきております。
日本の中の唯一の支店が大阪にあり、現在5人で頑張っています。一人一人の経歴は様々です。採用に当たっては特に旅行業の経験者を採るということはなく、一言で言えば旅行が好きでやる気のある人間ならOKです。ただ、大変な長時間労働の繰り返しになりますので、粘りと根性も必要です。現在のスタッフは、元小学校の教師、一部上場の会社にいた者、システムエンジニア、ニューヨークに6年も住んでいた者、中国留学経験者、モンゴルで日本語教師をしていた者、日本アルパインガイド協会の現役ガイド、など実に多士済々です。大阪支店長の寺山は、この3月に8000メートル峰の一つチョーオユー峰登頂の遠征隊に加わり出発していきました。

まだまだ、不十分ではありますが、きちんとした商品を作り、温かみのある接客を心がけたいと考えています。また、海外で働く仲間達とお互いの信頼関係を大切に日々努力を重ねてまいります。御助言、御意見等ございましたら是非お寄せ下さい。宜しくお願いします。

※風通信No3(2000年4月号)より加筆転載