ツアー関連情報

ボートで訪れる鳥たちの楽園ラマナイ遺跡

 
へびのように樹木にまとわりつく「デビルカクタス」(ラマナイ遺跡へのボートトリップにて)
へびのように樹木にまとわりつく「デビルカクタス」(ラマナイ遺跡へのボートトリップにて)

ジャングルクルーズのようなボートトリップをしながら訪れるマヤ遺跡があると聞いたので行ってきました。
旅は何の変哲もない小さな橋のたもとから始まります。ベリーズシティを北に約1時間、小さな船着場に到着。そこには手洗い場と何人か座れる簡単なテーブルと椅子だけ。幸先悪く小雨が降ってきました。同行者が遅れているとのことで、少し待ってるうちに雨が上がればいいのにと祈りつつ待つことしばし。予定から30分ほど遅れての出発。Tシャツ、半ズボンで過ごせる穏やかな気候のせいか、待つことにもあまりぴりぴりもしません。

変な顔の川

ボートでラマナイ遺跡を目指します(ベリーズ)
ボートでラマナイ遺跡を目指します

小雨の中出発、川を遡上していきます。
ガイド氏曰く、「この川はニューリバー、マヤの時代はstrange face river(見知らぬ顔の川)と呼ばれていました。その名の通りこの川は遥かユカタン半島のマヤ都市国家を結ぶ航路とつながっていて、見たこともない顔の異国の人々が行き交う一大交易路だったのです。」とのこと。馬や車輪が使用されなかったマヤ文明において川は重要な移動手段だったのでしょう。


夏の恩恵

太陽が顔を出したあとのボート
太陽が顔を出したあとのボート

出発してすぐ、期待を大きく裏切って雨は豪雨になってしまいました。レジャーシートを立派にした程度の屋根はあるものの、川面を疾走するボートに雨は正面から襲い掛かってきます。自然の前にはなすすべもありません。裸足になって、しばらくなすがままに雨に打たれていました。雨季だから仕方ない。幸い15分ほどでスコールはあがり日が照ってきました。するとどうでしょう。びしょぬれになった服が、さすが亜熱帯の陽射しのおかげであっという間に乾いてしまいました。夏はこれだからいい!


鳥たちとの出会い

それからガイド氏は、川や森や空に鳥や動物の気配を察するたびにボートを岸に寄せながら、少しずつさかのぼっていきます。ここは渡り鳥がよく来る川だそうで12月ごろが一番いろんな鳥に出会えるとのこと。私の行った9月はまだまだシーズンオフでしたが、それでもいろんな鳥に出会うことができました。このあたりにはワニや人懐っこいサルもいるそうです。時折マナティがこの川に迷い込んでくるんだとか。息継ぎに川面に鼻を出すマナティを見かけることがあるそうです。今回は息継ぎの泡は見れたものの本体の影までは確かめられませんでした。

水の上を歩いてるように見えるジーザスバード。実際は浮き草の上を歩いています。(写真中央)
水の上を歩いてるように見えるジーザスバード。実際は浮き草の上を歩いています。(写真中央)

メノナイトの村

メノナイトの村(ベリーズ)

メノナイトとはヨーロッパの宗教改革の中で生まれたキリスト教の一派で、ここベリーズにはヨーロッパで迫害され、北米、メキシコ、ベリーズへとたどりついたドイツ系の一派が暮らしています。閉鎖的であまり外界と接することが多くないそうで、中には今も文明の器具を嫌い今も馬で移動し、服装も男性はカウボーイハット、女性はボンネットハットといった格好をしてる人たちもいるそうです。川沿いで集落を見かけたのですがそこはメノナイトの村だとガイド氏が教えてくれました。木を加工した家具などを生業としているそうです。

巨大仮面とのご対面

やがてボートは広い湾に出ました。周りを見渡すと一部だけ他より木々がこんもりと盛り上がっている場所があります。そこが遺跡のあるラマナイだそうです。昔からそこは少し高台になっていて雨季や洪水の時でも水没しない場所になっているそうです。ラマナイとは「沈められたワニ」「潜ったワニ」という意味だそうですが、かつてこの地が水面に背中だけ見せて浮かぶ巨大なワニのように見えたからでは?と勝手に想像をめぐらせました。

1つ目のピラミッド「仮面の神殿」(ラマナイ遺跡・ベリーズ)
1つ目のピラミッド「仮面の神殿」

そこから上陸し、蚊を追い払いながらジャングルを進むと1つ目のピラミッド「仮面の神殿」がありました。その神殿の基壇の左右に人より大きな仮面の彫像(6世紀ごろ築)。でかい!実はこの仮面の上にはもうひとつのピラミッド(7世紀ごろ築)がかぶさっていたのですが、地崩れを起こしたのを機に地上に現れて偶然の大発見となったそうです。写真の仮面は保存用のレプリカですが、オリジナルもピラミッド内部に閉じ込められていたためディテールがよく残っていたそうです。

巨大な仮面の彫像!(ラマナイ遺跡・ベリーズ)
巨大な仮面の彫像!

大ピラミッドに登る

高さ33mの文字通り聳え立つピラミッド(ラマナイ遺跡・ベリーズ)
高さ33mの文字通り聳え立つピラミッド

続いて見えてきたのが33mの高さを誇るピラミッド(前1世紀~後9世紀ごろまで使用)。当時マヤ国家群の中でも1,2位を争う高さで、しかも、かなりの急斜面。正面の階段をマヤの王族よろしく登りつめると、頂上からは先ほど遡ってきた川が見えました。ピラミッドの裏手は現在、森に覆われていますが、かつては池があり、王はその池に映る星などを見て占いをしたとか。池を探そうと立ち上がると足がすくみました。さらに下りがもっと怖い。ロープにすがって降りましたが、これがなかったら・・・。(ピラミッド脇に登りやすい階段を建設中。完成の暁には誰でも気軽に頂上まで行けるようになるそうです。しかし、王族気分を味わうことができなくなります、残念!)

球戯場、ジャガーの神殿、そして・・・

球戯場跡、左右の石壇の間でボールを蹴りあったのでしょう。
球戯場跡、左右の石壇の間でボールを蹴りあったのでしょう。

(左手前がジャガーの仮面、この神殿はスペイン人征服後も信仰されていたそうです)

大ピラミッドからうっそうとしたジャングルの小道を進むとマヤ遺跡でよく出くわす球戯場跡。負けたチームの人たちがいけにえにされたとか、勝ったチームが栄誉として進んでいけにえになったとか諸説あってよくわかりませんが、やっぱり負けたチームの方と考えるのが妥当ですよね。ゴムでできた硬いボールを肩や足で飛ばしてバスケットのゴールのような穴に入れるのを競うといった高度なスポーツだったようです。
そこを抜けてさらに進むと住居跡などがあるのですが、森を飛び交う鳥に耳や目が行ってしまいます。今回は幸運にもティカルで遠くでしか見れなかったツーカン(オオハシ)を拝むことができました。

カラフルな鳥がジャングルの中を飛び回っていました。
カラフルな鳥がジャングルの中を飛び回っていました。

そして、ラマナイ遺跡の最後に登場するのがジャガー神殿。立派なジャガーのマスクがピラミッドの基壇に彫られていました。

スペイン人征服後も信仰されていたというジャガー神殿。左手前にジャガーの仮面が見えます。(ラマナイ遺跡・ベリーズ)
スペイン人征服後も信仰されていたというジャガー神殿。左手前にジャガーの仮面が見えます。

昔の交易をしのばせる船でのアクセスといい、巨大ピラミッドや巨大仮面といい、見ごたえのある遺跡です。しかも、ラマナイ遺跡はマヤ遺跡の中でも遅くまでその勢力を保った遺跡でスペイン人が到着した当時もまだ都市として存在していたそうです。タイムマシンがあるなら、その当時にタイムスリップしてみたい、そんなところです。