聖地サンティアゴ巡礼路「ポルトガル人の道」ラスト127kmを歩く

断崖の展望台からモンテペルディード(3,355m)を望む 海や森といった大自然から歴史的建造物やコロニアルな街まで様々な眺めを楽しめる「ポルトガル人の道」

✝️サンティアゴ巡礼路とは

 サンティアゴ巡礼路(El Camino de Santiago)は、スペイン北西部ガリシア地方の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼路であり、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教三大巡礼地のひとつです。9世紀初頭に聖ヤコブの遺骸がこの地で発見されたことをきっかけに、信仰と赦しを求める人々がヨーロッパ各地から歩みを始めました。

 中世には毎年数十万人がこの道を歩み、道沿いには教会、宿泊施設、施療院などが整備され、信仰だけでなく文化や商業の交流の場ともなりました。宗教改革や戦乱によって一時衰退したものの、19世紀末に聖ヤコブの遺骨が再発見され、1980年代から再び巡礼が活性化。歩く人が一番多い「フランス人の道」がユネスコ世界遺産にも登録され、巡礼路全体では現在、年間50万人以上が世界中から訪れています。

 代表的なルートには「フランス人の道」、「北の道」、「銀の道」、「ポルトガル人の道」などがあり、徒歩、自転車、馬など様々な方法で巡礼が可能です。現代では信仰に限らず、自己探求、人生の節目、自然との対話を目的として歩く人も多く、サンティアゴ巡礼は精神的かつ文化的な旅として、国境や宗教を越えて多くの人々の心を魅了しています。

🛤️「ポルトガル人の道」とは

海岸ルートは開放的な海の眺めがも楽しめる
アルカーデ近郊にあるポンテ・サンパイオ橋



 ポルトガル人の道(Camino Portugués)は、リスボンやポルトからサンティアゴ・デ・コンポステーラへ至る伝統的な巡礼路であり、海岸線と歴史ある街並みが融合した魅力的なルートのひとつです。中でも、ガリシア地方のバイオナからサンティアゴ・デ・コンポステーラへ至る約127kmの区間は、巡礼の締めくくりにふさわしい風景と文化が詰まった道程です。

 この区間は、巡礼証明書(コンポステラ)を取得するための最低距離を満たしているため、初心者から経験者まで多くの巡礼者が歩いています。バイオナの港町を出発すると、道は大西洋の潮風を感じながら、ヴィーゴ湾を望む海岸線や活気ある街を通り抜けていきます。朝の光にきらめく波と、石畳の小道に響く足音が、歩く者の心を静かに整えてくれます。

 途中には、アルカーデの静かな村や、歴史的建築が残るポンテベドラ、温泉地として知られるカルダス・デ・レイスなど、文化的な見どころも点在。道は時に海沿いの平坦な道となり、時に丘陵地帯を越えながら、ガリシア特有の緑豊かな風景と変化に富んだ地形が巡礼者を包み込みます。終盤に近づくにつれ、パドロンの石橋や教会を通り過ぎ、最終目的地サンティアゴ・デ・コンポステーラの街の気配が徐々に感じられ、長い旅の終わりを迎える高揚感と静かな感慨が入り混じります。石畳の坂道を登りきった先に現れる大聖堂の尖塔は、まさに魂の目的地。この127kmはただの距離ではなく、心と身体を整え、過去と未来をつなぐ”内なる旅”の時間でもあります。

 ポルトガル人の道のこの区間は、海と歴史、文化の癒しが同居する、歩く者すべてに深い気づきを与えてくれる特別な巡礼路です。

🗺️基本情報

  • ルート名:ポルトガル人の道(Camino Portugués)海岸ルート※バイオナ〜サンティアゴ区間
  • 区間:バイオナ〜ヴィーゴ〜アルカーデ〜ポンテベドラ〜カルダス・デ・レイス〜パドロン〜サンティアゴ・デ・コンポステーラ
  • 距離:約127km※多少の誤差有
  • 所要日数:6日(平均18〜22km/日)
  • 推奨時期:春(4〜5月)、秋(9〜10月)

🥾各区間の距離と歩行時間

区間 距離(km) 所要時間(目安)
1日目:バイオナ → ヴィーゴ 約26.8km 約6時間
2日目:ヴィーゴ → アルカーデ 約23.4km 約5時間半
3日目:アルカーデ → ポンテベドラ 約11km 約3時間半
4日目:ポンテベドラ → カルダス・デ・レイス 約23km 約6時間
5日目:カルダス・デ・レイス → パドロン 約18.7km 約5時間
6日目:パドロン → サンティアゴ・デ・コンポステーラ 約24.8km 約5時間半

サンティアゴ巡礼路「ポルトガル人の道」の地図



✨魅力と見どころ

巡礼の終着点・サンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂
  • バイオナの港町:歴史ある海辺の街で、出発前に海の景色とシーフードを楽しめます。
  • ヴィーゴ湾:海岸線を歩きながら、ガリシアの海の美しさを堪能できます。
  • ポンテベドラ旧市街:石畳の街並みとバロック建築が魅力の歴史地区。
  • カルダス・デ・レイスの温泉:足湯で癒される巡礼者の憩いの場。
  • サンティアゴ大聖堂:巡礼の終着点で、荘厳な建築は感動必至。

 スペイン北西部の「ポルトガル人の道」は、海と歴史が織りなす魅力的な巡礼路。出発地バイオナでは港町の風情に触れ、ヴィーゴ湾を眺めながら歩くことで自然の雄大さを感じられます。ガリシア特有の緑豊かな風景が心を落ち着かせ、名物料理と地元ワインで味覚も満たされます。終着点サンティアゴ大聖堂では、巡礼の達成感を味わえるでしょう。
 ポルトガル人の道・バイオナ〜サンティアゴ区間は、海と文化、自然が融合する心癒されるルートです。静寂の中で自己と向き合えるこの旅は、初心者から経験者まで多くの巡礼者に愛されています。心と体を整える旅として、ぜひあなたも挑戦してみてください。

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(予告)聖地サンティアゴ巡礼路「ポルトガル人の道」ラスト127㎞を歩く12日間

出発日設定2026/09/11(金)
ご旅行代金984,000円
出発地東京・大阪・名古屋
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